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おそろ。

髪の色が金色です。

細かく言いますと、白に近い金。

そう。金髪。

今までのnoteを一回でも読んでいただけた方はお分かりになると思いますが、
おばさんという年齢です。ちなみに頭の中は10代くらいです。アホです。

髪の毛を初めて染めたのは、たぶん中学生の頃。
「ホットロード」が流行っていた頃。
周りの女子がほとんど「春山はわたしの彼氏だ」と言っていた頃。

和希になりたいと母の行きつけの美容院へ連れて行ってもらい、
どんぐりみたいな髪型になったことが今では良い思い出。悲しかった。

その頃、髪の毛をオキシドールで染める。ということが流行っていた。
今のようにブリーチが自宅でできるなんてことがなく、染め粉もなかったような、あっても黒染めだっただったかな。

もちろんわたしもオキシドールした。
母に隠れてこそこそと。毎日こつこつと。

しかし親とはすごいもの。
すぐバレた。

「頭、赤くない?」

赤といってもほとんど茶色に近い赤。

「そうかな?」

中学生の嘘なんてすぐばれる。
でも、うちの母はなぜか。他のことは本当にうるさかったはずなのに
どうしても髪の毛の色だけは毎回褒める。

「いいんじゃない?」

意味がわからない。嘘ついた意味がない。いや、むしろなぜ怒らない。

今になってはどうあがいてもわからないのだけれど、なぜか母はそこだけは怒らずむしろ褒める人だった。

そこがスタート。
染めても怒られないなら自由。
高校は激しく校則の厳しい学校に入ってしまったため、夏休みだけ染めたりしながら。

成人をしてからは、青、緑、ピンクなどなど。

しかし。子育てを機に一転。
ずっと真っ黒。染めに行けない。家で染める時間もない。
そのうちあきらめて、前髪を極限まで短く切るということだけするようになった。

それから数年。
やっとこ美容室に行けるようになったけれど、地元からでることはなく。
とにかく汚くなければいいかという程度になっていた。

そんな時、白髪が出現。
しかも結構目立つ。何本も。

離婚のせいか!

いや、でもなんのせいにしてもでてしまったものはしょうがない。
どうにかしないといけない。

「これ、目立たないようにするにはやっぱり白髪染めですか?」

と行きつけだった美容師さんに聞いてみた。

「そうですねー。白髪染めがいいかなー。でも痛んじゃうんですけどね。」

きっと納得できなかったんだと思う。
白髪のためにこのつやつやの健康な髪の毛を痛ませるなんて。
どんなにわたしの髪の毛が強かったとしても、どうせ痛むなら
もっとこうなんかあるでしょうに。

「他に目立たない方法ないですかね」

と聞いてみた。すると意外なことにメッシュという言葉がでてきた。

「メッシュ入れると目立たなくなりますよ。」

そんな方法があったのか。わたしは早速そのメッシュとやらをお願いした。
出来上がりも満足。とてもいい。なんかいい感じ。久しぶりに染めたし。
全てにおいて嬉しかったのだ。

数日後、子どもの参観日があった。
わたしはいつもよりウキウキで参観日へ行った。
髪の毛もいい感じだし、久しぶりに身綺麗になっていたし。

教室に入るとわたしはびっくりした。
子どもなんて目に入らないくらい。
周りのお母さん、ほぼメッシュ。
いや、何人だろう。どのくらいの割合だ?
とにかく周りの人ほとんどがメッシュだった。なんなら先生さえも。

わたしは気がつかなったのだ。
今までどれだけ周りを見ていなかったのか後悔すらした。
よく考えなくてもわかることだった。
周りのかあちゃんだってみんなわたしと同じくらいの年齢だ。
色々ストレスもかかえているだろう。そりゃ白髪もでてくるだろう。
白髪がでるのが全てストレスのせいではないにしろ、それが年齢のせいだとしても。わたしはもっと周りをよく見ておくべきだった。

オソロ。

と言うことがば脳裏に浮かんだ。
わたしがイッチバン好きではない言葉。オソロ。
自分がもっている洋服と同じものを着た人を見ると、
その洋服とはもうおさらばしなくてはならなくなるくらい苦手な言葉、おそろ。
もうすぐにでもその場を立ち去りたいくらい落ち込んだ自分がいた。

次の日、自分で茶髪にした。

こうなると、地元の美容室はもうダメだと勝手に思うようになる。
大変失礼な話だが、地元ではオソロになってしまう。それはどうにかして避けたい。オソロは嫌だ。ではどうしたら。

しばらく悩みながらも普通に生活をしていたら、
ちょうど子どもたちが学校を卒業する時期となった。

そうだ。染めよう。

子どもたちも染めたい、切りたい願望が強かったため、
それならと気合を入れて美容室を探すことにした。




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