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血で血を洗うプレゼン大会!『令和プレゼンデスマッチ大会』イベントレポート(後編)

神宮前WeWorkにて開催された『令和プレゼンデスマッチ大会〜来世に期待するな!まだ間に合う現世サバイブ術〜』。

前編に引き続き、個性豊かな登壇者達が熱いプレゼンを繰り広げた模様をレポートしていきます。
会場が笑いの渦に包まれた後編では、いよいよ優勝者が発表。果たしてどの“レイワサバイバー”が優勝の栄光を手に入れるのでしょうか。

■コピーライター・編集者、澤山さんによる「適切にブチ切れる方法」

後編一発目にプレゼンを発表するのは、コピーライター・編集者の澤山モッツァレラさん。

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「私はフリーのコピーライターや編集者として活動しています。フリーランスって、ときに理不尽な目に合うこともあるんですよ。そういうときに、怒りの感情が生まれると思います。ですが、怒りはあくまで二次感情で、表層の下に悲しみや孤独感があったりするので、コントロール可能なんです。今日は怒りをコントロールして、適切にブチ切れる方法を実際の事例と共にお伝えしたいと思います」

フリーランスでの実体験から、令和を生き残るための怒りのコントロールの仕方についてプレゼンしていきます。

「数年前、三桁万円の未払いがありました。海外取材で航空券や宿、取材先などを手配していたのに、渡航直前にメディアの担当者がいきなり音信不通になったんです。どうしようもないので、取材は一人で敢行したのですが、立て替えていた費用などは返ってきませんでした。

すごい頭にきたんですが『支払い結構ですので、僕の前に二度と顔を見せないでください』と冷静に伝えて関係を終わらせました。その場の感情から人にブチ切れるのは簡単ですが、それよりも自分の人生を前に進めるのが大事だと考え、別の業務委託先や仕事を探そうと思ったんです。そこで味わった怒りの衝動を、新規クライアント開拓のエネルギーに変換させました」

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続いて、澤山さんはもう一つ事例を挙げます。

「他にも外注業者への支払いが度々滞る会社がありました。僕はその会社から依頼を受けて、さらに他のクリエイターに仕事をお願いしていたので、その会社からクリエイターにお金が支払われなくなっていたんです。そうなってくると『あの会社がやばい』じゃなくて、『澤山がやばい』となってしまいます。そこで僕がしたことは一つ。金で信用を買えるならと思い、自腹でクリエイターたちにギャランティを支払いました」

怒りに身を任せて人を責めたり、費用を取り立てたりするのではなく、怒りによる負のスパイラルを断ち切ることが大切だと、澤山さんは訴えます。

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「適切にブチ切れるというのは、人ではなくモノやコトにキレるということ。みなさんSNSに怒りを書き込むんですけど、相手にバレて逆に不利になることもあるので一回堪えましょう。ただ、我慢をしないで大丈夫です。怒りのエネルギーを使い、適切な方法で発散をしていくことが大事だと思います。ありがとうございました」

怒りの矛先を人に向けないというプレゼンに対して、審査員コメントは以下の通り。

シロキヨさん「僕は怒りを我慢したことがないんですが、会場にいらっしゃる方には参考になったのかな、と。ただ、解決策に若干自慢感が漂っていたので、『モテたいのかな』と思ってしまいましたね」

■ライター・ヨッピーさんによる「持続可能な発展を可能とする、全く新しい社会の構築について」

続いてプレゼンを行うのは人気ライターのヨッピーさん。

スクリーンに映し出されたのは『持続可能な発展を可能とする全く新しい社会の構築について』という文字。
数々の記事を企画執筆し、たびたびSNSでバズらせてきたヨッピーさんはどんなプレゼンを行うのでしょうか。

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「みなさん、地球は今危機的状況にあります。環境破壊、紛争問題、難民問題、高齢者問題、貧困……こういった地球環境を取り巻くさまざまな問題を一気に解決できる、たった一つの方法を今日は皆さんに説明します。それは、今晩からでもできる簡単な対策です」

壮大なテーマを切り口に、ヨッピーさんはある活気的なサバイブ術を展開します。

令和を生き抜くための方法、それは『ちんちんに名前をつける』ということです。(会場は笑いとどよめき)はい、わかります。私は女性であり、ちんちんがないと。でも違うんです。旦那さん、彼氏、セックスフレンド、なんでもいいです。あなたの周りにあるちんちんにあなたが名前をつけてください。まだ飲み込めてないと思うので、どういうことか実践していきます。まず再現するのは、ちんちんに名前をつけていない昭和の夫婦の夜です」

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▲突如、謎の美女が登場し寸劇が始まる

謎の美女「ハ〜イ、おかえり、ボブ。今日はどう?」
ヨッピーさん「おう、キャサリン。今日はすごく大変な一日だったんだ。つまり僕はすごく疲れてる」
謎の美女「(怒りをあらわにさせて、ヨッピーさんを思い切りビンタする)

「今見ていただいたように、女性が勇気を持って誘ったのに断られてしまうと、とてもやるせない気持ちになってしまいますよね。このように夜のお誘いが断られると、やがて夫婦仲は険悪になり、不倫が始まり、離婚します。するとどうなるか、当然戦争が始まるわけです。そんな危機を未然に防ぐため、僕はちんちんに『けんじ』という名前をつけています。僕のようにちんちんに名前がついているとどうなるか、令和のカップルを見ていきましょう」

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謎の美女「おかえりー、今日けんじくん調子どうかな〜?」
ヨッピーさん「んー今日ね、けんじくん調子悪いみたい。ごめんね〜」
謎の美女「そっか、しょうがないね。またね〜」

この寸劇からヨッピーさんは、男性の大事なところを名付けるメリットをこう述べます。

ちんちんに名前をつけることで、そこに一つの人格が宿るんです。より愛着が湧いてくんですよね。女性から『今晩どう?』と声をかけるのは少々の覚悟が必要ですが『けんじくん調子どう?』に言葉を変えると、ハードルが下がりすんなりと伝えられる。これは、男性にとっても他人事にできるというメリットがあります。『ごめん今日勃たへんわ』と言うとどんどん自信がなくなっていきますが、『今日けんじのやつ調子悪いみたいなんや』ということでけんじのせいにでき、プレッシャーから開放されるわけです」

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「冗談っぽく聞こえますが、マジでやってみてください。僕の友達にこの方法を話して、実際に夫婦で試してみたところ、本当に夫婦関係が改善したそうです。これを皆さんが実践に移せば国のGDPは8倍となり、令和に産まれる子どもは年間3億人まで増えると思います。ありがとうございました」

会場が笑いの渦に包まれたヨッピーさんのプレゼンに対し、審査員評は以下の通り。

須田さん「僕Facebookでセックスレスを研究するグループを作ってまして。メンバーは70人ほどで、東大卒とか外資系コンサル出身とか賢そうな人をいれて議論してたんですけど、ぶっちゃけロクな解決方法が出なかった。これは目から鱗でした」

安江さん「今日の会場のお客さんは7割ぐらい男性なので、そういう意味でいうとターゲットに対してアプローチしていて、ウケを取れていたと思います。ただ、同時に一部の方が嫌悪感を示していたのを感じました」

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▲『すみませんでした』と謝るヨッピーさん

■おくりバント・高山さんによる「新しい通貨の形『キャッシュレス2.0』について」

最後は企業のプロモーション事業を行う株式会社おくりバント高山洋平さんが登壇。

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「今回は“キャッシュレス2.0”という新しい通貨の概念についてお話したいと思います。というのも、僕がやっているおくりバントは去年初めて1万8000円の黒字が出たんです。それまではずっと赤字が続いていました。そんな状況なのになぜ会社が潰れなかったのか、それをプレゼンしていきたいと思います」

高山さんは、会社の危機から発見した新しいお金の概念を提唱していきます。

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「僕の会社史上、一番やばかったのが『残金3万円の決戦』と呼ばれる戦いです。以前、うちの会社は借金軍団と赤字軍団に攻められていた時期がありました。明日200万払わなきゃならないという窮地にも関わらず、会社の残金は3万円しかない。でも僕にはそういうピンチに駆けつけてくれる味方がいたんです」

その味方の正体は何なのか、こう続けます。

「僕にはコフレがたくさんいるんですよね。コフレとは“心のセフレ”のことです。コフレがいると、どんなに困窮しても会社って潰れなくなるんですよ。だから皆さん、コフレを作ってください。ですがコフレというのは向かいのホームにも、路地裏の窓にもいません。じゃあどうすればいいのか。これはうちの社訓なんですけど、皆さんもこれを守ってみてください。きっとコフレに出会えるはずです」

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「金銭的ピンチに陥ったら信頼関係が築けているコフレからお金を預かるんです。ここで注意してほしいのがあくまで、“預かる”という表現が大事だということ。お金を“借りる”って言うと、切羽詰まった賭博黙示録カイジの世界観になってしまいますが、“預かる”と言うと、たちまち世界観がファンシーなサンリオへと変わるんです。僕はこうして借金軍団と赤字軍団をやっつけてきました。コフレがいるとこんなんでも楽しくやれます。これが、僕の思う令和の生き方かなと思っています」

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独特のネーミングセンスとトーク力のあるプレゼンが終わり、審査員が出した評価は以下の通り。

シロキヨさん「根拠のなさ、汎用性のなさに関しては一位でした。これ、要は周りに生かされるということですよね。このプレゼンもコフレが作ったものですよね?もっと周りに感謝した方がいいと思います」

安江さん「ここまでテキトーに生きてて、皆に頼れるっていうのはある種の才能ですよね。そんな才能に突出している高山さんだからこそできるプレゼンなのかな、と。なのでこのプレゼンの良し悪しは別として、高山さんは高山さんだなというコフレからの感想です」

■プレゼンが終了し、いよいよ優勝者が発表!

全員のプレゼンが終わり、いよいよ審査に入ります。審査は、審査員がそれぞれ10点、会場にいる100名が1点を持ち投票するシステム。

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▲挙手による投票で優勝者を決める

集計の結果が出揃い、登壇者が前に出て点数が発表されます。
流れる太鼓音に緊張が高まります。

そして、優勝したのは……

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おくりバント高山さん!

高山さん「今回主催がユニポテンシャルで、プロデュースが僕の会社なんですよ。そんなイベントで優勝する……一番やっちゃいけないことをやっちゃいました。ただ他の人が弱すぎるからこうなっちゃっただけなのかも、とも思います。なので第二回はもっと強い人からの挑戦ぜひお待ちしております。俺に勝てるやつがいるんなら勝ってみてください」

最後に今回の主催、株式会社ユニポテンシャルの蛎田さんによる挨拶で、令和プレゼンデスマッチ大会は閉幕しました。

蛎田さん「本日はありがとうございました。本当に日本はいい国だと思いました。どこの馬の骨かもわからない僕が主催するイベントに、こんなに多くの方々が集まってくれるんですから。今日、出場者が展開したプレゼンからは、一人ひとりの人生から見出された美学があるのを感じました。令和はまだ始まったばかりです。皆さんの前で発表されたプレゼンが、新しい時代に振り落とされないための心の武器になればと祈ってます。そして、そんな令和に転職するなら、ユニポテンシャル。令和に転職するなら、ユニポテンシャルです。それだけは覚えて帰ってください」

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温かい拍手で閉幕した第一回令和プレゼンデスマッチ大会。
令和という時代をサバイブするための個性豊かなプレゼンは、そのどれもが、それぞれの“レイワサバイバー”の人生に裏打ちされた経験論でもありました。
さまざまな境遇から集まった渾身の持論は、きっと誰しもの人生に役に立つ要素があるはず。
ぜひ、このプレゼンからの学びをこれからの令和を生きるヒントとして活かしてみてください。

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蛎田さんの罰ゲームツイート埋め込み

撮影:中村宗徳
ライター:インディ


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