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在宅勤務で、料理に目覚めた

リモートワークを始めて1ヶ月が経つ。すっかり自宅で仕事することにも慣れてきた。

家には誘惑が多い。テレビ、お菓子、スマホ、布団、などなど。適度に休み、たまに誘惑に負けながらも、自宅で仕事ができる環境でよかったなと安堵している。

リモートワークで何が変わったか。まず、電車に乗らなくなった。片道およそ1時間の通勤だったので、往復2時間の節約になる。だから、平日にも掃除や洗濯をする余裕が生まれた。それに、夜はゆっくりお風呂に浸かれる。


他にも、食べるものが変わった。仕事場でのランチは職場近くで外食したり、コンビニで済ませていた。それが家ではパスタや納豆ごはんなど、お金のかからないランチになった。

特に大きく変わったのは、夜に料理をするようになったことだ。ここ最近で作った料理を挙げると、回鍋肉、麻婆茄子、カレーライス、野菜炒め、生姜焼き、などなど。

これまで平日の夜に帰宅してから料理を作るなんて気力はなかった。近所のスーパーで出来合いの食べ物を買って帰るのがやっとだった。

そんな僕が、前日から何を作るか考えて事前にレシピを調べ、お昼にスーパーで食材を調達している。自宅での仕事を終えた夜、一人で黙々と調理を開始するのだ。


料理をするようになった大きな理由は、電車通勤がなくなって暇な時間ができたこと。それに、毎日似たようなものを食べる生活に飽きてきたことだった。

普段からよく料理をする訳ではない僕にとって、食材を使い切りたいという欲望が次の料理を作る原動力になっている。

例えば、カレーライスを作る場合。スーパーで人参の3本セットを買ってきた。カレーで使うのはそのうち1本。残りをどうやって消費するか。

人参で思いつくレシピを検索してみる。野菜炒めにしよう。そうして、次にスーパーに行った際に玉ねぎや豚肉を買ってくる。夜に調理して食べて消費する。そうすると、使い切れなかった玉ねぎが半分余る。じゃあ、次は何を作ろうか。こんな感じでループしていくのだ。

限られた資源を有効に使い切る。僕の場合、料理の導入は主にそこから始まる。冷蔵庫に何が残っていて、いつまでに使わないといけないと想像しながら生活している。

となると、頭の容量に余裕がある時でないと料理するのは難しいなと思う。それが初めて作る料理の場合はなおさらである。

さっき挙げたカレーライスも麻婆茄子も、実をいうと人生で初めて作った。精神面でプレッシャーがなく、身体的な疲れがない状態でないと新しいチャレンジは難しい。そもそもその発想が生まれない。


夕方に白米を洗い、炊飯器にセットするというルーティーンが習慣になってきた。仕事のちょっとした息抜きになっていてちょうどいい。

一言でいえば、最近はとても健康的な生活を過ごしている。正確にいうと、「とても健康的な生活をしている」と自分で思えていることで、ストレスなく前向きに日々を過ごせている。

外出の制限があっても、近所のスーパーは通常通り営業している。だからこそ、この生活が成り立っている。スーパーの商品棚にトイレットペーパーやティッシュは相変わらず品薄だが、食材は豊富に陳列されている。


人は制限があるから、暮らしを工夫するのだろう。きっとこの数ヶ月は、これからの人生でなかなか体験できない貴重な日々になると思う。悲観していても仕方ないので、これを機に新しいことを始めていきたい。料理に限らず。

10年後に振り返った時に、あの期間に料理に目覚めてレシピを増やしていったのだろうなと回想する時が来るはず。そう思うと歴史的な日々を送っているんだな、と感慨深くなる。

今できることを見つめて、より快適で楽しく暮らす方法を模索していけたらいいなと思う。時間の余裕が生まれ、他人との接触がなくなり、気持ちを左右されることが減った。今の暮らしを見つめ直すチャンスはたくさんある。

今後もしばらくは自宅での仕事が続くだろう。働き方が変わった自分の生活がこれからどのように変容していくのが愉しみだ。



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