インド旅行記　2023年10月

まだ行き先も決まっていないうちに当日を迎えた。
航空券を取ってから随分日付だけは経っていた。当然充分な準備時間もあったが、どこに泊まるかも含めて一切詳細を決めていなかった。昨日ようやくそのことに気がついて旅程を立てようとしたが、さすがに一昼夜では決まらなかった。
そう、普段おんなじところ（ボリビア）に行きすぎているせいか、何も決めなくてもなんとかなると思ってしまっている。元より旅程を組むことも好きではないし（航空券を取ることは好き）旅程を組んだところでそれどおり動けるとも思っていない。だからだろう、何も決められないのは。

今回の目的地はインドの北東――チベット、ブータンと国境を隔てるシッキム。1975年にインドに併合された、元シッキム王国だ……とは決めているが、正確にはその周辺も。周辺にはあの紅茶で有名なダージリンがあるのでそこにも行ってみたいと思っていた。
そこまでは決めていたが、いざ当日を迎えても、じゃあシッキムに行くのか、それともダージリンに先に行くのか、そんなことも決まっていなかった。どちらかがどちらかのルート上にあるわけではないので、最低でもそれくらいは決めておいたほうがよさそうだった。あと、可能ならブータンに足を伸ばしてみたいとも思わなくもなかった。行けるらしいということは、これまた随分前に友人から聴いていたが、すこし調べたところでは「タバコを持ちこめない」ようで、これはすごい小さいことのように思えるが、今わたしが持っているタバコを手放してしまうと、その後よその国では入手困難であることは間違いないので、こんなことではあるが、ブータン行は少々悩む。また、ブータンまで足を延ばすには、日付に余裕がない気もしなくはない。

旅程が決まっていないという話をしたが、まったく決まっていないのは今日から2週間で、実はその後11月4日からの1週間は、かなり綿密な旅程が組まれている。
そもそも今回のインド行の話は、日本にいる友人と決めたものだ。最近わたしの旅行の楽しみかたのひとつが、現地集合現地解散なのだが、今回インドで合流する友人とも4年前にタイで合流したことがある。
彼はわたしのように年中海外に出ている旅人なわけではなく、前回タイに行ったのが初めての海外旅行だった。でこれが2回目。今回も仕事の合間を縫って、短い時間ではあるがインドで合流してくれることになった。
インドは旅先としてハードルが高い。わたしの肌感ではタイの20倍はややこしい。何もややこしいことがなくてもややこしいことが起こるのがインドだ。そんなところを2度目の海外旅行に決めた友人は勇敢だ（笑）
待ち合わせはコルカタ。コルカタからバラナシ、デリーを経てマナリへ行く。わたしは今回4度目のインドで、コルカタは初めてになるが、他は行ったことがあるところを選んだので、それもあり少し早めに（と言っても2週間も）インドへ入ることにした。
で、どっちに行くのか決まらないでいる……。シッキムかダージリンか……。何日間いるのか、いつコルカタに入るのか……。

今わたしはベトナムはハノイに向かう航空機の中だ。これを書きながらなんとなくダージリンに行ってみようかと思っているが、まずはこの後ハノイで6時間トランジットがあるので、街に出てコーヒーでも飲みながら決めればいいと思っている。