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「Gyangtok」ギャングトックと書いて「ガントク」



「Google maps」が利かない

ところで、インドのこの辺りでは「Google maps」の精度がかなり甘い。車での移動であれば問題なさそうなのだが、徒歩では全然当てにならない。道なき道とはよく言うが、文字どおり「道がない」ないのだ。
このときも地図どおり進んでいくと、途中でどこを示しているのか分からなくなった。どう見てもそこに道はない……。元より方向音痴のうえに、これでは道に迷うのも当然だった。
右に曲がるように示しているが、見えるのは細く朽ちている石階段……。手前にはチェーンが張ってある……。進むべきか迂回するべきか……。迂回するにはまた随分な距離がある。前後20キロのバックパックを背負っているので、なるべく歩く歩数は抑えたいところ……。進んでみることにする。
チェーンを跨いで明らかに人の敷地内へと入っていく。かつて階段であったであろう石段をを上がっていくと、すぐに後悔した。……段差が広い。この荷物を背負っている状態でもなんとか足を上げることはできそうだが、行ったら最後、逆戻りはできそうにない……。それでもわたしは一歩を踏み出した。
「ワンワンワンワンワン!」民家の中からだろうか、侵入者に気づいた飼い犬が吠えだした。しかし、わたしはもう戻れないのだ……。これ以上進むことは躊躇われたが、戻ることができないのも事実。足元の草をかき分けるようにさらに登っていった。
どう見ても人の敷地の裏側だ。今更どうにもできないので、住人に会った時点で助を求めることにしようと決めた。
やがて民家と民家の間に出た。誰にも会わないうちはこのまま進んで抜けきるつもりでいた。そこで、いよいよ住人と目が合った。「あんた、なんでこんなところにいるのよ?」「はい、すみません……」心の中で会話した。わたしは英語で道に迷ってしまったことを伝えたが、どうやら英語は分からないようだった。向こうも困ったようで他の人を連れてきてくれた。英語を話す若者だった。
とても親切な青年だった。彼に目的地を伝えると彼のスマホで位置を確認してくれたのだが、彼もちょっとよく分からないようだった。彼はわざわざホテルに電話してくれた。そうして正確な場所を把握したようだった。
彼曰く、ここら辺では「Google maps」は当てにならないということだった。そんなこともあるんだなとわたしは、今更ながら「Google maps」だって完璧ではないのさ、と当たり前のことを肝に銘じた。
おかげさまでわたしは無事目的のホテルにたどり着くことができた。青年は「ペンはあるか?」と道順を書いて説明してくれようとしたが、生憎ペンはなかったので口頭で説明を受けた。「地図は見るな」と3回くらい言われた。


ガントクの宿

当たりだった。当たりのホテルだ。綺麗だし広い。大きな窓もあるしテラスもある。掃除が完璧に行き届いているわけではないが、この料金でこれは充分満足だった。(1泊1,800円弱、朝食つき)

ガントクで何する予定でもないが、3泊取っていた。この机がわたしにとっては結構重要だった。パソコン触るにしてもお茶を飲むにしても、これがないとどうも落ち着かない。こうして文章を書くのだってやはりベッドの上ではやりにくいのだ。
この先、ガントクからシリグリへ戻り、そこからコルカタまで行く。コルカタまで列車行こうと思っている。そういうチケット類をこの快適な部屋にいるうちに取っておきたい。


応援ありがとうございます! なんだかいろんなことやていますけど、今後も写真家として活動し続けられるように頑張ります!!!