【観戦後の雑感】2024 J2第7節 大分×岡山

皆さん、こんにちは。
第7節は引き分け。
リーグ戦5連勝は、お預けとなり残念ではありますが、1人少ない中で守り切り、6節までの2位と3位が負けたため、勝ち点をじわりと広げる結果となりました。
個人的には、5連勝を逃したことはもちろん悔しいのですが、それよりも先行するアドバンテージってここまで大きいのかと感じています。どこかでジンクスを破っていきたいという欲がある一方、やはりベースは「粘り強くやっていくこと」を強く感じた1戦を振り返ります。


寸評

試合は、序盤から岡山が攻勢をかける展開でスタート。
前半8分には、CKから岡山のNo.4阿部がヘッドですらした球がゴールに向かうが、大分に掻き出される。ここから前半はお互いに、ボールを中盤で収めた方が、ゴール前に向かっていく展開になる。ビルドアップはやはり大分に分がある一方、岡山はボールを奪えば速攻で大分ゴールに迫る。前半は、岡山がCKを多く獲得し、ゴール前までボールを運ぶ場面を多く作ることができていたが、大分はゴール前および真ん中を固める守備を徹底しており、長身選手が多いアドバンテージも相まって、岡山の攻撃をことごとく跳ね返した。岡山が中盤でのセカンドボール争いを制すことができれば、圧倒的に有利だったと思われるが、大分はNo.93長沢とNo.26保田が、岡山のNo.44仙波、No.24藤田と身長差のギャップで優位を作り、岡山の好きにさせず。
前半は、岡山優位ではありつつも、お互いに決定機を複数作るまでには至らなかった。
後半は、大分が前半でイエローカードを受けていたNo.29宇津元とNo.27松尾を交代してスタート。お互いに、前半からの試合の進め方を大きく変えない中でどちらが優勢になるかという中、後半6分に、大分がカウンターの展開からNo.11渡邉が抜け出す。渡邉に対しNo.88柳貴博が、後ろからチャージしレッドカードで退場。岡山は残りの40分弱を数的不利で戦うことを強いられる。しかしここから大分は、ボールを保持するものの、テンポの良い攻撃を繰り出せない。一方で岡山はフォーメーションを5-3-1として、ゴール前を固めつつ、No.99ルカオとNo.8ガブリエル シャビエルの質での反撃をうかがう。岡山は、決定機を作ることはできなかったものの、最後まで守備網を決壊させることなく、無失点でゲームを終わらせた。

岡山で印象に残った選手

No.17 末吉 塁
今日は、攻撃、守備ともに素晴らしかったです。前半に大分のNo.29宇津元選手の攻撃を防ぐとともに、攻撃時にはイエローを誘発。また1人少なくなり圧倒的に不利になったときには、その運動量で左サイドのスペースをカバー。さすがにここまで出ずっぱりだったので、途中でNo.25吉尾選手と交代したものの、本日の試合は、この人なしには成り立たなかったと思います。

No.16 河野 諒祐
後半44分で、大分に完全に崩されてシュートを放たれたところで値千金のブロック。非常に難しい状況での交代出場でしたが、右サイドを決壊させず、攻撃のチャンスがあれば前に持ち運ぶ動きは、これまでの経験が凝縮されていたと思います。これからの右WBの争いを激化させる働きでした。

No.15 本山 遥
本日は左CBで出場。前半は、大分のNo.93長沢選手とのヘディングでの争いや裏を取られかけたところでのリカバリーなど、守備技術の高さを見せるとともに、後半で1人少なくなった状況ではボランチにポジションを移して中盤のフィルターとして機能。最終盤のカウンターも含め、フィジカルの重要性、そしてポリバレント性が、ファジアーノにとって、いかに重要なポイントになっているかを見せつけてくれました。

大分で印象に残った選手

No.11 渡邉 新太
岡山も前半は、上手く自由を奪っていましたが、No.88柳貴博選手のレッドカードを誘発した位置取りは流石でした。色々なところでボールを受けられるとともにボールを受けたところが、相手にとって危険なところであれば足を振ることができる。「前から知ってる」ではありますが、やはり危険な選手でした。

No.93 長沢 駿
今日、試合を観ていて、「そうか、そういう役割もあるんだ。」と思った選手でした。寸評でも書きましたが、かなり低い位置まで降りてきて、岡山の中盤陣と身長での優位性を作るとともに、ゴール付近の危ない場面での守備はチームを大いに助けていたと思います。最終盤のヘディングシュートが決まれば、今日のヒーローでした。岡山としては、おそらくはそれまでの展開で体力、集中力が切れかけていた展開にできていたことが功を奏したのだと思います。

No.6 弓場 将輝
今日の前半を観て「おお、ボランチだ!」と、うにがしらは、アホみたいな感想を持ちました。前後半を通して、ボールを散らす展開に優れており、岡山としては非常に厄介な存在でした。チャージをされても取られないテクニック、そして自分で運ぶこともできるというのは、うにがしら的「ボランチとは、そうあってほしい」という能力で、今まで注目できていなかった自分を恥じたのでした。今までも試合で観てきたはずなんですけども。いやー、いい選手ですね。

終わりに ーサッカーの難しさを感じた試合。次節、いよいよ「粘り強さ」が試されるー

書き出しにも触れたのですが、リーグ戦5連勝は、お預けになりました。
岡山サポとしては、望んだ結果ではなかったと思いますが、むしろ第6節の2位、3位と勝ち点差を広げることができた結果となっています。いやはや、2024もJ2は全く簡単ではなく、波に乗ることの難しさ、そして少しでも崩れることの恐ろしさを感じます。
本日は、2023シーズンのトップハーフであり、J1経験のあるチームとの初対戦となりましたが、試合の雰囲気(というより選手の質というのが正確か)の段階がひとつ上がった印象がありました。
その中で、1人少なくなり、圧倒的に不利になったはず…だったのですが、岡山は鍛え上げてきた守備力で守り切ることに成功。一方で、大分さんは、持ち前のクオリティで岡山を圧倒するには、至りませんでした。この試合に関しては、全体を通して大分さんのほうがファウルが多く、前半で岡山は2枚のイエローを誘発していたため、逆の展開もあり得たと思います。その中で、この結果は、サッカーの難しさを感じるものでした。
さて、岡山に目を移すと、10人で守り切れたことは素晴らしかった一方で、この3連戦の残り2試合をどう展開していくか。木山監督としては、悩みどころになったのではないかと思います。特にリーグ戦で、フル出場を続けている藤田選手は、今日の後半の展開はさすがに堪えている可能性があります。柳貴博選手が、しばらく不在になることとあわせて、ターンオーバーによって、どのような展開がもたられるでしょうか。果たして、うにがしらの予想を裏切って、藤田選手が鉄人ぶりを発揮するのか。
その結果も含め、4月3日(水)の横浜FC戦は、大きな意味を持つでしょう。一つ思うのは、ここで、試合の勝敗や順位あるいは相手との関係性より、「自分たちのリズムを保てるか」が重要に思います。

次節も楽しみです。

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