【観戦後の雑感】2024 J2第10節 秋田×岡山

皆さん、こんにちは。
4月14日に行われたこの試合、うにがしらは、リアタイ視聴の直後、素直に「面白くない試合」という感想を持ちました。
うにがしらは、2024シーズンの試合について、勝ち負けに関わらず、スタッツとして「シュート数」と「こぼれ球奪取位置」に注目しています。この試合の一つの特徴として、2024シーズンの数的不利がなかった試合で、初めて両方のスタッツを上回られた試合になりました。
今までは何らか相手を上回るものを見せていたファジアーノでしたが、この試合については、結果こそ引き分けだったものの、スタッツでも示された通り、全体的に相手に上回られた試合だったと言えるでしょう。
時間の関係(あと体調不良)もあり、基本的には視聴日に雑感を書くことにしているのですが、この試合については、「なぜうまくいかなかったのか?」の理由を知りたいと思い、もう1度見直したのでした。
結論から言うと、うまくいかなかった理由はわかりませんでしたが、その印象は1度目の視聴の「面白くない試合」から「死闘」に変わりました。
この試合を振り返ります。



寸評

両チームともに、試合の序盤は、ボールを保持すると、ロングボールとロングスローを使って前線に送る形でスタート。秋田としては、普段からのプレースタイルを展開し、岡山としては、今シーズンのコンセプトである「縦に速い攻め」を展開しようとした結果、試合は全体的に前線の選手VS最終ラインの選手という様相になった。
その中で、主導権を握ったのは秋田。岡山がボールを危険なエリアに運ぶ前にボールを回収する場面を増やし、CKを多く獲得。押し込む場面を増やしていく。セカンドボール争いで分が悪い岡山は、ビルドアップなどで反撃を試みるが、連動性を高めることができず、自分たちのペースに持ってくることができない。
後半の60分ごろから、岡山は、No.5柳とNo.99ルカオを投入し、No.15本山をボランチに上げ、ピッチ上の強度を上げて、秋田を上回ろうと試みるが、秋田が徹底したことを突き崩せず。ここからはお互いに「ワンチャンス合えば」という場面を作るものの、結実することはなく、スコアレスドローとなった。

岡山で印象に残った選手

No.4 阿部 海大
この試合ではキャプテンマークを巻き、試合を通して終始落ち着いたプレー。最終ラインでの1対1の対応も冷静であり、可能性のあるフィードや、攻撃で変化のあるパスを見せていたので、もう少しボールを運ぶ役割を担ってもよいのかもしれません。DAZNの解説の柱谷哲二氏も、好プレーに触れており、元日本代表DFに注目される存在感。素晴らしい。

No.8 ガブリエル シャビエル
秋田さんの「ボールホルダーには、まず対面の選手が通さず、その後複数名で囲んでボコる」という徹底で、ボールを持つのが難しい展開でしたが、その中でも、特に前半にワンタッチでボールをさばいていくプレーは流石でした。何とか、あのプレーに周りが合わせられるようにしたいところ。ゴールにはなりませんでしたが、前半30分のグレイソンとのコンビネーションからのシュートは流石でした。

No.99 ルカオ
秋田さんとのフィジカル勝負で、いつもほどではないにしても、それでも勝っており、後半の優位ポイントに。この試合では、岡山が中盤を構成できなかったので、プレーが単発になってしまいましたが、間違いなくストロングポイントになれる選手ですね。やはり課題は、「チームとして、活かし方が共有できているか」になるのでしょう。ここまで、出場し続けていることは、これからの連戦を考えても頼もしい限り。

秋田で印象に残った選手

No.31 圍 謙太朗
前半30分のシャビエル選手のシュートをストップ。これだけで、この試合のMOM級と言って良いのではないでしょうか。完全に1対1で止めるとかファジサポ的にはやめてほしい、という素晴らしいプレーでした。また高さ・強さは岡山も強みとしているところですが、ゴール前での混戦での対応とハイボールの処理も安定しており、岡山としては隙を見つけることができませんでした。

No.29 佐藤 大樹
個人的に、この試合で最も印象に残った選手です。SHかつプレースキッカーという役割をこなしつつも、最前線で真ん中入ったり、様々な位置からシュートを放つプレーは非常に厄介でした。後半17分のPA手前からのゴールポスト直撃のシュートと後半33分のヘディングでわずかに外れたヘディングシュートは、シュートパターンが多彩であることを感じました。今後も観ていきたいプレイヤーです。

秋田さんは、No.8畑、No.9中村もそうですが、「キック精度が高いオールラウンダーFW」をSHにおくことで、秋田スタイルの軸に+αをもたらしているなと、今節を見て思いました。

No.40 青木 翔太
プレー時間は短かったですが、その短い時間で結果を残せる雰囲気を出していました。足元があって強さもあり、特に後半41分ごろの、カウンターでファウルを受けつつも、ドリブルで運んだプレーは見事でした。ゴール手前では、阿部選手のチャージも受けつつも、最後まで体勢を崩さなかったところは「この人なら、アバウトでもなんとかしてくれる」という信頼感を産むでしょう。この人も、ファジの天敵っぽい感じがあります。

終わりに ー「連動性」という課題の解決へ模索は続く。ー

1度目と2度目の視聴を終えて、感想が変わった。それは、この記事の冒頭に触れましたが、この試合は、やはり死闘であったと思います。
佐藤選手の項で触れましたが、佐藤選手のプレーが少しでも精度が高ければ、岡山はゴールを割られていたでしょう。一方で、岡山もノーチャンスだったかというとそんなことはなく、前半30分のシャビエル選手の決定機があり、後半23分には、No.27木村選手のカウンターにNo.19岩渕選手が合わせられればという場面があり、双方にとって、簡単ではありませんでした。
今節については、一見すると「面白くない試合」でしたが、この「面白くない」は、秋田さんのチームスタイルも相まって、両チームをdisると「双方に変化をつけるクオリティがなかった」だと思いますし、もう一方で、「お互いが愚直に力をぶつけあった結果はイーブン(やや秋田有利)だった」と言えるのではないでしょうか。
この中で、岡山に目を向けると、やはり課題は「連動性」ということになるでしょう。個人的には、この試合で「中盤を厚くする局面をいかに作るか」が顕著になったと思います。
前半は、No.44仙波選手やNo.24藤田選手が最終ラインに落ちたときに、前線の選手が、最前線とリンクできる位置を取れていなかったと思いますし、後半は、それができる岩渕選手がピッチに立った時には、すでにそういう展開でもなかったという所が、難しいところだったでしょうか。
特にNo.43鈴木選手が、その課題に効きそうですし、今回のようなスペースがない展開でNo.25吉尾選手がいればどうだったか、と思う所ではありますが、結局、課題はピッチに立てる選手達で、解決すべきところではあります。

さて、本日(現在、2024/4/20 11:50)、11節のスタメンが発表されてしまいました。No.6輪笠選手がスタメンでたち、岩渕選手とシャビエル選手が初めて同時にスタメンでピッチに立っています。
ここに上げた課題の解決の糸口が見られるか、楽しみです。

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