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【掌編小説】きみを待つ夢
僕はパク。
ぼくは君のおじいちゃんのおじいちゃんが生まれるずっと前から生きている。
ぼくのおにいちゃんは、バクって名前。みんなが夜に見た悪夢を食べる。ちょっと涙の味がするんだって。
ぼくはおにいちゃんとちょっと違って、みんながなくしてしまった夢を食べている。
みんなの夢はどれもキラキラしていて、ふんわりしている。焼きたてのパンの匂いがしたり、焦がしキャラメルみたいな香ばしい匂いがすることもある。
もしきみが夢を思い出した時、もう一度夢を叶えたいと思った時、きみの夢はぼくのお腹からぽわんと出てきて、きみの元へ飛んでゆく。
もし夢を忘れてしまっても大丈夫。僕の中できみの夢はずっと昼寝をしているよ。いつかきっと、誰かが起こしてくれるのを信じているからね。
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