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おなかすいた

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おなかすいた

最近の記事

この時間にご飯を食べてもいいのだろうか。 不意に浮かんだ問いが、ブンブンと耳障りな蝿のように頭の中を飛びまわる。不愉快だ。時刻は午前二時を過ぎている。だが、自分自身に問いかける前に、私は既にキッチンに、炊飯器の前に立っていた。無自覚にも開いた扉。瞬間、視界がぼやける。どうやら私は霧の中にいるようだ。掻き分けて前へ、前へと進むと、ゆっくりと霧が晴れ、まるで太陽のような輝きを放った煌びやかな銀白色の世界が広がる。幸福に満ち溢れたその世界で、私は今日も眠る。

    • いつかの日

      薄暮が迫る頃、痩せるぞと意気込み、私は外へと飛び出した。暖かいダウンに身を包んでいるが、やはり冬。手強い。冷たい風が棘となって私に深く突き刺さる。厳しい寒さを感じながらも、身体を動かす。階段を登り、橋を渡り、公園を通りすぎ、住宅街を抜ける。一本道に出た。それからもただひたすらに歩く。歩く。 ハッと気が付くと、とあるコンビニエンスストアの前にいた。暖をとりたい。そんな軽い気持ちで私は禁断の場所に足を踏み入れてしまったのであった。 入ってすぐ、レジの前にあるケースの中にそれは

      • 肩幅

        私は肩幅がデカい。 デカ過ぎて、綺麗な夜空に浮かぶ、小さな小さな星。彼らは何を思うのだろう。きらきらと輝く光は、流星の如く、空を泳ぐ。やがてその一部が、瞬く間に広がりぶつかった、輝きの中から生まれたのは私のデカい肩幅でした。