この時間にご飯を食べてもいいのだろうか。
不意に浮かんだ問いが、ブンブンと耳障りな蝿のように頭の中を飛びまわる。不愉快だ。時刻は午前二時を過ぎている。だが、自分自身に問いかける前に、私は既にキッチンに、炊飯器の前に立っていた。無自覚にも開いた扉。瞬間、視界がぼやける。どうやら私は霧の中にいるようだ。掻き分けて前へ、前へと進むと、ゆっくりと霧が晴れ、まるで太陽のような輝きを放った煌びやかな銀白色の世界が広がる。幸福に満ち溢れたその世界で、私は今日も眠る。

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