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誰にも言えない事

父の実家に行った。
久々だなぁ
場所は山の中にあり
川ではニジマスを養殖して
林の中では椎茸を栽培している

私はそこそこの地方都市に
住んでる、
自然が好きで年に一回
父と来るのが楽しみだ。

そんなときに
黄色いトカゲを見つけた

見た事ない
黄色い.....

触ったら噛まれた....、
痛い!
地味に毒とかあったら
ヤバいかも

あっ、逃げた!!

探してももう
見つからなかった。

父に
トカゲに噛まれた
黄色いトカゲにと
話したけど

田舎だから
沢山いるさ
別に毒はないよ
トカゲだし。

それから
一週間経っても
特に何も無いから
忘れていた。

趣味のバイクに
乗ってツーリングを
していると
カーブで石を踏んで
ガードレールに衝突、
意識を失った。

目覚めたら
右腕がなかった。

全身打撲、右腕切断
生きてて良かったと
みんなに言われた。

不思議と腕がなくても
有るような気がする。

バイクは乗れなくなったけど

生きてるだけいいか。
と、思う事にした。

それから一年後
骨が皮膚から出てきそうなくらい
つっぱって来た。

病院に行った。

特に問題ないですが
痛み等が酷くなったら
手術して皮膚を伸ばすか
骨を削りましょう。

若いから骨は成長するのです。

しかし皮膚は
赤くなり
骨が伸びて来た。

学校に通いながら
毎日風呂で見る、

なんだか
腕が生えてきているような....

本当に生えてきた。

トカゲに噛まれて細胞が突然変異した
そうとしか思えない。

人間にはもともと
設計図なような物が
記憶されている。

植物も同じ

どうやら私は再生する
事が出来るように
なったらしい。

学校では義手と言っている
親には言ってない。

病院に行くと
実験台にされそうで
怖かった。
だから行かなくなった。

数年後
久々に父の実家に行った
祖父は他界していて
そのまま建物は残っている。

近々
売却する予定だけど
買い手がいないから
そのままになりそうだと
言っていた、

でも建物も綺麗、
雑草もない。

父に
誰か手入れしてる?

と聞いても

父以外誰も
来ないし
近所も何キロもあるし
来てくれそうな人は居ない。

その時家の中から
誰か出てきた。

俺か、
え?

父も驚く、「誰だ?!」

俺にそっくりな男が居た。

警戒しながら
話し合った結果

俺だった。

山の中で
草や木の実を食べて
廃墟で服や現金を手に入れて

微かな記憶を便りに
ここに来たと言う。

バイクで事故にあって
切り離された
見つからなかった腕が
再生して体も出来たとの事。

父に俺の再生した腕を見せて
父も納得した。

結果そのまま
父の実家に住ませて

定期的に会いに来ることにした。

父は実家を次いでくれて
嬉しい

子供が増えたと
喜んでいる。

近所には
息子がここを継ぐからと
話してあるから
近所付き合いもある。

実際里帰りしても
バレないし

二人で居るところを見られても
双子ですと言うと
みんな納得した。

一つ生活で変わったことがある

俺達は昆虫しか食べなくなった。

今はイナゴの佃煮や
海外の輸入食品の昆虫を食べている。

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