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紙おむつから生まれた「リサイクルパルプ」ではがき作り~鹿児島県大崎町の循環する暮らし。「OSAKINI Day 2023」イベントレポ!~

私たち、RefFプロジェクトの協働パートナーとして、紙おむつのごみの分別回収にご協力いただいている、鹿児島県志布志市と大崎町

今回は、大崎町で開催された「OSAKINI Day 2023」のイベントと、その中で開催された、RefFプロジェクトによる「リサイクルパルプではがきを作ろう」のワークショップの様子をお届けします!

RefFプロジェクトのメンバーがはがき作りをサポートしました!写真提供:一般社団法人 大崎町SDGs推進協議会

ユニ・チャームの「家族工場参観日」に開催された、はがき作りについてもご紹介しますね。


リサイクルの町、鹿児島県大崎町で開催!「OSAKINI Day 2023」。“循環”する暮らしを楽しく体験

鹿児島県大崎町は「リサイクル率日本一」を14回も達成する、リサイクル意識の高い町です(「使用済み紙おむつの再生プラスチックから生まれた、“紙おむつ専用回収袋”の実証実験」でもご協力いただいています)。

今年、そんな大崎町での“循環”する暮らしを楽しく体験するイベントとして「OSAKINI Day 2023」が開催されました!

2023年7⽉22⽇に開催された「OSAKINI Day 2023」の様子。(写真右上)NPO法人 くすの木自然館代表理事 浜本麦さん。(写真右下)サーキュラーヴィレッジラボ 所長 大岩根尚さん。主催&写真提供:一般社団法人 大崎町SDGs推進協議会

基調講演「大崎の海、だいじょうぶ? 〜世界の海と私たちの生活のつながり〜」では、海洋生態学者の浜本さんが気候変動や海洋プラスチックごみなど、海洋環境が生態系におよぼす影響、里海作りと生物多様性の重要性についてお話しされました。
(海洋ごみの問題は、川や山などの自然環境にも影響を与え、私たちの普段の生活にもつながっていることを考えさせられました…!)

続いて、大崎町SDGs推進協議会による活動報告、宮崎大学土屋有准教授による大崎町の環境保護とごみ意識についてなど、大崎町を起点に“循環”のテーマに沿ったプログラムが開催されました。

写真提供:一般社団法人 大崎町SDGs推進協議会

講演のほかにも「夏の草花でたたき染め体験」「虫除けスプレー作り」など、家族連れをはじめ子どもが参加できるワークショップも開催。また、地域の野菜や果物、お菓子、コーヒーを購入できるマーケットも実施され、多くの人でにぎわいました!

紙おむつのパルプをリサイクル「オリジナルはがきを作ろう!」ワークショップ

大人も子どもも楽しめるワークショップのひとつが、RefFプロジェクトによる「リサイクルパルプではがきを作ろう」です。

こちらのワークショップでは、RefFプロジェクトが「紙おむつの水平リサイクル」を進める中で、使用済み紙おむつから取り出した「リサイクルパルプ」を使用。参加者のみなさんには、リサイクルパルプを使った、オリジナルのはがき作りにチャレンジしてもらいます!

はがき作りは「①パルプを溶かす→②パルプ液を型に流す→③水をきり、はがきをとりだす→④乾燥」の順に行います。

それでは、実際にはがき作りをしていきましょう!

まずは、材料のリサイクルパルプと水、のりを用意します。「使用済みの紙おむつから生まれたパルプ」と聞いて、ちょっぴりドキドキした表情の参加者もいましたが、リサイクルパルプの実物を目にして「白い」「きれい!」という声が上がりました。

①ミキサーにリサイクルパルプと水、のりを入れて混ぜます。②できたパルプ液を紙すきの型に流します。みなさん、真剣な表情です!(右下)写真提供:一般社団法人 大崎町SDGs推進協議会
③パルプ液を流した枠を持ち上げ、横向きに回転させて水をきります。④はがきをとりだし、タオルに挟んで乾燥させます。(写真左上、左下、右下)写真提供:一般社団法人 大崎町SDGs推進協議会

はがきが乾燥したらできあがりです!

完成したはがきは、郵便物として送ることができるんですよ。(写真左)写真提供:一般社団法人 大崎町SDGs推進協議会

参加者のみなさんに「使った後の紙おむつのイメージ」について聞いてみたところ、「きたない・くさいイメージ」「再利用の方法のイメージがつかない」「他人のおむつだとちょっとマイナスイメージかもしれないです」などのコメントがありました。

ですが、ワークショップの後に感想を聞くと、「まさか紙おむつが、紙(はがき)になるなんて知らなかったから、驚きました」「とてもいいことだと思いました。毎日、大量に出る紙おむつのごみが気になっていたので、どんどんリサイクルが進むといいなと思います」などの反応があり、嬉しくなりました!

「子どもも大人もリサイクルパルプに興味津々!」ワークショップをサポートした、RefFプロジェクト メンバーの声

「OSAKINI Day 2023」で参加者のみなさんをサポートした、RefFプロジェクトのメンバーに当日の感想を聞きました!

写真左から、Recycle事業推進室 織田さん、川端さん、阿武さん。

―「リサイクルパルプではがきを作ろう」ワークショップの感想を教えてください。

織田さん「小学生くらいの子どもたちを対象に考えていた内容ですが、大人の方にも体験いただきました。子どもたちが無邪気な関心を持ってくれることも嬉しかったですし、大人の方々からも『紙おむつがリサイクルできるんだ!』と驚かれました。それぞれの関心の高さから、リサイクルについての質問も多くいただきました

阿武さん「今回のイベントを通して、リサイクルパルプの実物を見て触っていただくことの大切さをあらためて感じました。お客様が商品を選ぶ際に、使用済み紙おむつからできた水平リサイクルの製品を安心して選択していただけるよう、今後もこのような活動に積極的に参加させていただきたいです」

―「OSAKINI Day 2023」の感想はいかがでしたか?

織田さん「大崎町のみなさんの大崎町SDGs推進協議会の活動内容への関心は非常に高く、大崎町長をはじめ、住民の方々が多数参加されていました。近隣地域の住民の方も多く訪れ、大いに盛り上がりました」

「OSAKINI Day 2023」では、来場者もマイボトルやマイタッパーを持参。リユース食器の回収も行われました。「普段から“ごみ”を“資源”だと捉えている大崎町だからこそできる取り組みだと感じました」と川端さん。写真提供:一般社団法人 大崎町SDGs推進協議会

川端さん「新聞紙を包装紙にした野菜の販売や、アメやサツマイモの量り売りなど、過剰包装を避ける販売をされていました。出店されている方全体で“日本一ごみの少ないイベント”にしようという意識を感じられました」

はがき作りのワークショップには、リサイクルに取り組まれている方、「ユニ・チャームの取り組みに興味があり、見に来た」と言ってくださる方もいたとか。大崎町と周辺地域の方のリサイクルに対する関心の高さがよくわかりますね!

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ユニ・チャームの家族工場参観日でも開催!「リサイクルパルプを使ったはがき作り」

紙おむつから生まれたリサイクルパルプを利用したはがき作りは、ユニ・チャーム 四国地区の家族工場参観日でも開催されました。

家族工場参観日は、ユニ・チャーム社員のご家族に、仕事への理解を深めてもらうための取り組みです。今回は、その一環として、ご家族のみなさんがはがき作りを楽しみました!

川端さんがRefFプロジェクトの活動内容を説明。ユニ・チャーム社員も家族と一緒にはがき作りにチャレンジしました。

「OSAKINI Day 2023」と同じ手順で、リサイクルパルプとのり、水ではがき作りを行っていきます。

家族工場参観日では、星や花、ハートのカラフルなシートをはがきに配置。

家族工場参観日でも、参加者のみなさんに「使った後の紙おむつのイメージ」について聞いてみたところ、やはり「ごみとして捨てるだけ」「日々、紙おむつに接していますが、あまり、きれいなイメージはありません」とのコメントが。

ですが、はがき作りの体験後は「(紙おむつが)新しいものに生まれ変わってよい。ごみとして捨てなくてすむので罪悪感がなくなる」「(はがきが)できると思っていなかったので感動しました」「使用後の紙おむつのイメージは全くなく、安全なものヘリサイクルできることが実感できた」など、紙おむつのリサイクルについて、前向きなコメントをいただくことができました!

あとがき

「OSAKINI Day 2023」では、200名近くが来場された中で、“会場内で出たごみは約265グラムしかなかった”とか!(これは新聞2部より軽いくらいなんですよ。そうイメージすると、ごみの少なさが想像できますね!)。
「ごみを出さない」という意識が大崎町のみなさんにしっかり根づいていることを実感しました。

今回のように楽しく学べるイベントがあると、さまざまな立場の地域や企業、住民が集い、活動を知るきっかけにもなります。そこから、リサイクルの輪が広がり、循環型社会の形成に向けた共創へとつながっていくのだと思います。

RefFプロジェクトによる「紙おむつの水平リサイクル」について、広く知ってもらうために、今後も幅広い活動を行っていきたいです!


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