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広がるRefFの世界!「志布志・大崎ロール」と「ネピネピ RefF」トイレットロールが仲間入り

紙パンツ・紙おむつを使い捨てない未来をめざす、ユニ・チャーム RefFプロジェクト
今年、2つの企業様がこのプロジェクトに共感してくださり、RefFプロジェクト“使用済み紙おむつ”からリサイクルによって“トイレットロール”へと生まれ変わった2商品が仲間入りしました!

1つ目はRefFプロジェクトポピー製紙の連携によって生まれた「志布志・大崎ロール」
こちらは世界で初めて(*)“使用済み紙おむつのリサイクルで生まれた再生パルプ(RefFパルプ)”を原材料に配合したトイレットロールなんですよ!
*オゾン処理技術を使用した紙おむつから紙おむつへの水平リサイクル技術について(2020年12月ユニ・チャーム調べ)

RefFパルプと固形燃料(RPF)は、どちらも使用済み紙おむつのリサイクルから生まれています。

2つ目は王子ネピアとのタッグで生まれた「ネピア ネピネピ 2倍巻12ロール RefF(リーフ)」
こちらは“使用済み紙おむつから加工された固形燃料(RPF)”を電力として活用して生産されています。

「志布志・大崎ロール」は鹿児島エリア、「ネピア ネピネピ 2倍巻12ロール RefF(リーフ)」は九州エリアで販売中です!
今回はそれぞれのプロジェクトについて関係者にインタビュー。RefFの広がりについてお届けします。


ポピー製紙 井上さん「再生パルプと古紙から生まれた『志布志・大崎ロール』で地産地消をめざしています」

古紙からトイレットペーパーの生産・販売を行う福岡県のポピー製紙株式会社。同社の営業部 井上さんに「志布志・大崎ロール」についてお聞きしました。

ポピー製紙株式会社 有明商事㈱八女支店 営業部 井上さん。「環境配慮のため、古紙からトイレットペーパーを作る際に出る廃棄物を社内のセメント事業で再利用する研究も進めています」と語ります。

ー「志布志・大崎ロール」について教えてください

井上さん「実は『志布志・大崎ロール』は略称なんです。正式な商品名は『志布志市・大崎町で回収した古紙および紙おむつからできたトイレットペーパーです』と言います。

名前の通り、志布志市・大崎町から回収された“使用済み紙おむつのリサイクルから生まれた再生パルプ”と、志布志市・大崎町で“資源ごみとして回収された古紙”を配合して生産しています」

ー地域で循環している商品なんですね。取り組みはどのようにはじまったのでしょうか

井上さん「ごみとなる資源を地産地消することを目的にはじまりました。具体的には、ユニ・チャームの城戸さん(RefFプロジェクト、全体のリーダーです)から『紙おむつのリサイクルから生まれた再生パルプで、トイレットペーパーを作れないでしょうか』とお声がけがあったことから、動き出しました」

パッケージの鮮やかなグラデーションは、志布志市と大崎町の市町村章の色をもとにデザインされています。パッケージの下部にはRefFマークがあります!

ー「志布志・大崎ロール」はどこで販売されていますか?また、反応はいかがでしょうか

井上さん「2024年8月から鹿児島エリアでの販売がはじまっています。現在は、志布志市役所や大崎町役場をはじめ、公共施設、病院、介護施設、ビジネスホテルなどで使用されています。それから、鹿児島エリア内の小売店でも販売され、ご好評をいただいています」

ー使用済み紙おむつから生まれた「再生パルプ(RefFパルプ)」を使用することで、ほかのトイレットペーパーとの違いはありますか?

井上さん「弊社はもともと、ごみである“古紙”を再生利用してトイレットペーパーを生産しています。『志布志・大崎ロール』はそこに再生パルプを配合していますが、手触りや柔らかさといった品質的に、弊社で扱っている他の製品と全く変わらず使用いただけます

ー今後の展望について教えてください

井上さん「現在『志布志・大崎ロール』は鹿児島エリアだけの販売ですが、いずれは九州エリアにも広げていきたいです。志布志市と大崎町はどちらもリサイクルに力を入れている地域ですので、行政とも積極的に協力しながら地産地消をめざしていきたいです。たとえば、リサイクルから生まれたトイレットペーパーがふるさと納税の返礼品になるといった取り組みもできればと考えています」

王子ネピア 杉山さん「将来的には“企業間での紙おむつの水平リサイクル”も実現していきたい」

次にご紹介するのは、2024年10月から九州エリアで販売がスタートした、王子ネピアの「ネピア ネピネピ 2倍巻12ロール RefF(リーフ)」(以下「ネピネピ RefF」)です。王子ネピアの杉山さん、長谷川さんに取材しました。

(写真左)王子ネピア株式会社 営業統括本部 マーケティング本部 商品開発部 杉山さん。今回のプロジェクトを統括。(写真右)商品企画部 長谷川さん。デザイン全般を担当。

ーユニ・チャーム RefFプロジェクトと連携したプロジェクトの目的について教えてください

長谷川さん「現在、使用済み紙おむつの廃棄量の増加や処理は、社会的な課題となっています。
今回、一般生活者にとって身近な必需品である“トイレットロールの生産”に、“紙おむつのリサイクル”が活用されることで、このプロジェクトが広く認知されてほしいという想いがあります」

―プロジェクトはどのようにはじまったのでしょうか?

杉山さん「昨年、志布志市のリサイクルセンターを日衛連(一般社団法人 日本衛生材料工業連合会)として視察したことがきっかけになっています(杉山さんは昨年『日衛連がユニ・チャームの「紙おむつの水平リサイクル工場」を視察!』記事にも登場いただきました)」

杉山さん「紙おむつのリサイクルは非常によい取り組みですので、王子ネピアの社員で再度リサイクルセンターを訪問し、紙おむつのリサイクル方法を検討しました。

その結果、私たち、製紙会社ではトイレットロールなどの製品を生産する際、エネルギーとして固形燃料(RPF)を多く使用することから、ユニ・チャームに『紙おむつのリサイクル時に出るプラスチックを、固形燃料(RPF)として活用すること』を提案しました」

「『ネピネピ』は『あなたのくらしをハッピーに彩ります。』をコンセプト誕生したブランド。パッケージも花柄で華やかで親しみやすく、認知度も高いことから今回のプロジェクトに選ばれました」と長谷川さん。パッケージの上部には「RefF」のマークがあります。

ー使用済み紙おむつからできた固形燃料(RPF)が、トイレットロールを作るのに使われているんですね

長谷川さん「そうです。ユニ・チャームが使用済み紙おむつから出たプラスチックを固形燃料(RPF)へ加工。その固形燃料(RPF)を王子ネピア側の工場へ運搬。発電による電力をトイレットロール『ネピネピ RefF』の生産工程に利用しています

RefFプロジェクトで作られた固形燃料(RPF)が、トイレットロール生産の電力の一部に利用されています。※図は王子ネピアのプレスリリースより引用。 

ーこのプロジェクトでめざすところを教えてください

杉山さん「将来的には、紙おむつから生まれた『再生パルプ(RefFパルプ)』を王子ネピアの大人用紙おむつに使用して、企業間を越えて水平リサイクルを実現していきたいと考えています。大人用紙おむつ製品には多くのパルプを使用しますので、製紙業界全体でリサイクルの取り組みが進み、再生パルプ自体の生産・供給量を増やしていくことが必要だと考えています」

ユニ・チャーム 和田さん「衛生業界全体で“紙おむつのリサイクル”を浸透させていきたい」

王子ネピアと連携した「ネピネピ RefF」の取り組みについて、ユニ・チャーム RefFプロジェクトメンバーの和田さん、明賀さん、村元さんにもお話を聞きました!

(写真左から順に)ユニ・チャーム Recycle事業推進室で渉外や日衛連でのJIS規格を担当する和田さん。再生材料の品質保証を担当する明賀さん。渉外とサプライチェーンを担当する村元さん。

ー「ネピネピ RefF」の取り組みについて教えてください。なぜ再生プラスチックを活用することになったのでしょうか?

和田さん「RefFプロジェクトでは、使用済み紙おむつから生まれた『RefFパルプ(再生パルプ)』は、再び紙おむつに生まれ変わり、水平リサイクルを実現しています。

また、使用済み紙おむつから生まれた再生プラスチックは、志布志市の“使用済み紙おむつの回収ボックス”大崎町の“紙おむつ専用回収袋”に再生利用されています。

とはいえ、ユニ・チャーム社内だけでは再生プラスチックでできることに限りがあり、さらなる活用法を探していました。

日衛連を通じて、衛生業界にも再生プラスチックの利用について協力を呼びかけたところ、王子ネピアから『再生プラスチックをトイレットロールを生産する際の固形燃料(RPF)として活用したい』とお声がけがあったことからはじまりました」

ー使用済み紙おむつから生まれた「固形燃料(RPF)」はどんなものでしょうか

明賀さん「紙おむつにはパルプやプラスチックなどさまざまな素材が使われています。今回は主にプラスチックを素材として固形燃料(RPF)に加工していきました。使用済み紙おむつから作られていますが、固形燃料(RPF)のJIS規格に沿って加工しているため、燃料としても十分活用できるものになっています。

このように、使用済み紙おむつから生まれた固形燃料(RPF)が電力として使われることで資源を有効活用し環境貢献につなげいます

(写真左)使用済み紙おむつから取り出した再生プラスチック。お茶どころでもある志布志市で廃棄される緑茶の粉を添加することで消臭効果も得られたとか(写真右)。リサイクルセンターから固形燃料を運搬する様子。

ー固形燃料(RPF)に関して、課題になったことはありますか?

村元さん「固形燃料(RPF)の加工・運搬ともに新しいチャレンジでしたのでさまざまな試行錯誤がありました。

例えば、固形燃料(RPF)は燃えやすい特性があるため、王子ネピア側の工場へ運搬する際に、通常、紙おむつの運搬に使用するトラックではなく専門のトラックを手配する必要がありました。運搬同様、積み込みの方法についても知見がなく、リサイクルセンターをはじめ、さまざまな関係者に相談しトライ&エラーで実現できました」

ー今回の取り組みでめざすところを教えてください

和田さん「紙おむつのリサイクルは、ユニ・チャーム1社だけではなかなか浸透しません。今回、固形燃料(RPF)の活用をきっかけに、王子ネピアとの共同プロジェクトに取り組みましたが、今後、さらなる連携強化をめざしていきたいです。そして、衛生業界全体で紙おむつのリサイクルに取り組み、その取り組みが世の中に広がり、紙おむつのリサイクルが当たり前になる社会を作っていきたいです

あとがき

ポピー製紙の「志布志市・大崎ロール」と王子ネピアの「ネピネピ RefF」。RefFパルプ(再生パルプ)と固形燃料(RPF)、リサイクル方法は異なりますが、どちらも使用済み紙おむつから広がったRefFの仲間たちです。

水平リサイクルはもちろん、それ以外のリサイクル方法でも、紙おむつのごみが生活必需品として生まれ変わり、使用されているのはとても嬉しいことです!

取材中、王子ネピアの杉山さんから「企業間でこのような共同プロジェクトを行うのは大変珍しいこと」という言葉をお聞きしましたが、これからも行政や企業、そして生活者のみなさんと協力して紙おむつのリサイクルを広げていきたいです。

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★RefFのブランドサイトができました!
ユニ・チャーム「RefFプロジェクト みんなでつくる、みらいサイクル。