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代表執行役への就任と AX

こんにちは!株式会社 Zaim 代表取締役の閑歳(@unicco)です。

親会社であるくふうカンパニーの適時開示にある通り、取締役会の承認を受け、くふうカンパニーの代表執行役を兼任することになりました。合わせて、これまでくふうカンパニーの持ち分が 51%だった Zaim は 100%連結会社となり、さらに Da Vinci Studio という同じグループ連結会社と合併、7 月から「くふう AI スタジオ」に名称を変更することが決まりました。

一言で説明すると複雑で目まぐるしく理解が難しい…。図にすると以下のようになります。

くふうカンパニー 2023 年 9 月期 第 2 四半期決算説明資料

まずはじめに、家計簿サービスとしての Zaim は変わらず運営していくので、ユーザーの皆様はご安心ください。私が Zaim を含む、くふう AI スタジオの代表を務めます。もっとパワーアップした体験をお届けできるよう頑張ってまいります。

なぜこんな体制になったかというと くふうカンパニーグループ全体で AI に全力で取り組み、ユーザーファーストな新しい体験=AX(AI eXperience&AI Transformation:後述で説明)を作っていく という目的のためです。

私自身、ChatGPT-4 が公開された今年の 3 月 15 日以降、ほぼ毎日 CahtGPT や OpenAI API に触れており、AI がもたらす社会的インパクトを肌身で感じてきました。

また ChatGPT Plus を福利厚生として Zaim の全社員が使えるよう制度を新設、併せて安全に利用するための「生成系 AI の業務利用ガイドライン」を策定しました。比較的、動きが早かったためか、多くの会社や組織のガイドラインの参考にしていただいたようです。

事業としては例えば「Zaim 買いものレシピ AI」として、直近で入力した家計簿の記録から食品を抽出し、賞味期限などを考慮した上でレシピを提案するというプロダクトをリリースしました。他、グループとしては合計で 9 個の機能を公開しています。

今現在は、3 月 15 日から続いた ChatGPT-4 そのものの熱狂が収まり、本格的に事業やサービスへの応用が始まったタイミングといえるでしょう。他社でも特任チームを作ったり、部署ができたりする動きが数多く出てきます。

そんな中、くふうカンパニーは穐田に加え私が「ユーザー体験領域」を管掌役とする代表執行役に、そして CAIO=最高 AI 責任者という役職を設定し @hotchpotch が就任するなど、組織そのものを大きく変え AI を推進していくこととしました。

前置きが長くなりましたが、この note では私自身が今の AI による社会インパクトをどう捉えており、今後、くふうカンパニーとしてどんな価値を作っていきたいかを書いてみたいと思います。

変化の波は一気に来そう

今回の ChatGPT-4 からの流れでクリアになってきた AI による社会の変化は、私が仕事し始めてからで最大で、恐らく現役で働くうちでももう二度とないであろうインパクトなのではと予想しています。

驚いたのは、その普及のスピードと認知度です。GW に実家・義実家それぞれで会食した際、70 歳を超える母・義母から ChatGPT の話を振られ、母からは「使い方を教えてほしい」といわれレクチャーすると、すぐに質問を入れて使いこなしていました。

母の初めての質問は「このあたりでおいしいレストランを教えて」

インターネット文脈に限って言えば、今回はハードウエアではなくソフトウエアの変革なのが、今までとは大きく異る部分です。

2023 年 2 月 22 日に作った社内資料を一部改変

これまでは、パソコン・ガラケー・スマートフォンとデバイスが登場するたび、5〜10 万円などそれなりに高い端末を買える人から徐々に体験が移り変わっていました。誰しもが持っているスマートフォンから誰でも即利用できる分、これからも変化が急速に起こると見込んでいます。

くふうカンパニーは AX を重視

私たちは、買いもの・子ども・家計簿アプリといった日常生活領域から不動産売買・住宅情報サイトや相談カウンターといった住まい領域、そして結婚情報サイトといった結婚領域まで、暮らしのサービスを横断的に提供しているグループです。

これらの提供価値を進化させ、AI 時代にふさわしい真にユーザーファーストな新しい暮らしの体験を作りたい。この「AI による新しい体験づくり」を私たちは AX(AI eXperience)と呼ぶことにしました。いわゆるユーザーインタフェース(UI)にあたるものが AI だとすると、ユーザー体験(UX)にあたるものが AX という位置付けとなります。

UX の AI 版でいうところの AX

あくまでも AI は手段であり、実現したいのは AI を前提としたユーザーへの価値提供です。

また AX には DX(Digital Transformation)ならぬ「AI Transformation」の意味も持たせました。つまり、今まで人手でやっていた作業などをデジタル化して事業や社会をより良くしていくという DX の "D" を AI に置き換えたイメージです。

DX の AI 版としての AX

すべての職種のメンバーが AI を当たり前に業務に取り入れ、人間にしかできないことに集中できる。くふうカンパニー全体で、そんなチームにしていきたいと考えています。

CAIO に就任した @hotchpotch の記事も合わせてお読みください。

独自データによるシームレスな AX

では、どんな AX を提供していきたいと考えているのか。あまり現段階で公開できることは少ないものの、一つ言える世界観としては「独自データをつなぎ合わせ一人ひとりの側に立ったシームレスな体験」です。

現在、くふうカンパニーの多々あるサービス同士は、ほとんどつながりがありません。これらの一部を接続することで一人ひとりの側から見ると融合して見え、より自分のためのサービスと感じられる。そんなユーザーファーストな体験を作り出していきたいと考えてします。

くふうカンパニーの強みの一つは、暮らしの細かな独自データを持っている点です。AI がより普及した未来では、いかに多くの、希少な独自データを保持し、それをユーザー体験に転換できるかがサービスの成否を分けます。こうした特色を活かし、最高の AX を実現していきたいと考えています。

これ以外にも新たに立ち上げる AX を推進する部を中心に、新規事業やプロダクトの紐付いた研究開発を進めていく計画です。

"問いを立てる力" を研ぎ澄ます

インターネット領域の組織を作っていくにあたり、この AI 時代においてメンバーがなすべき仕事ってなんだろう、という部分についても改めて思いを巡らせていました。私なりの今の結論としては、それは「問いを立てる」ということに尽きると考えています。

ChatGPT で多くの人が体験したとおり、AI は作業すること・アイデアを出すことは非常に得意です。しかしながら、有用なアウトプットを引き出すためには「上手な問いを立て、AI が分かるようコミュニケーションを人間側が工夫する」ということが必要になります。

個人的には、後者の「コミュニケーションを人間側が工夫する」部分は AI がもっとかしこくなることで、この 2〜3 年で必要性が減ってくるのではないかと考えています。

そうすると、最後に残るのは「問いを立てる」という部分となります。「なぜなのか」「どうしたいのか」「どう解釈するのか」ということを AI と対話し、そのループを回し続けることによって、今までにないアイデアの芽を見つけたり、人間がやらなくていい作業を極限まで減らせたりすると、本人も事業も大きく成長していけるのではないかと考えています。

終わりに

Zaim の構想を始めた 12 年ほど前。「これからスマートフォンが一般的になるだろうから、もし母親がガラケーから乗り換えた際に使いそうなアプリってなんだろう」という発想から、導き出したテーマが「お金=家計簿」でした。自分自身も生きている限り当事者として想いを持ち続けられるであろうという点でも非常に魅力的で、いま振り返っても良い課題の設定だったなと感じています。

しかし、Zaim を開発・運用していく中で、もっともっと根本的に叶えたいことがあると気づきました。

それは、一人ひとりが多様な人生ーーーやりたいことも、やらなくてはならいことも異なる暮らしを生きる中で、自ら「こんなことができるかもしれない」「あんなこともやってみたら、もっと人生が面白くなるかもしれない」という新しい可能性に気づき、行動を変えていくような体験です。

私はこれまで、お金の面からそれが実現できるよう尽力してきたつもりです。しかし、今回の AI のインパクトを自分の中で咀嚼すればするほど、これはお金だけではなく、暮らしのすべてのフェーズでユーザーをより良くサポートできるのではないだろうか。そう強く感じるようになり、それがくふうカンパニー側の想いと一致したため、今回の動きとなりました。

本格的な新体制は 7 月 1 日からです!

一緒にこの大きな変化を楽しんで事業も自身も成長させたい方、新しいユーザー体験を作り出すため・組織を良くしていくための AI 活用に興味がある方がおられましたら、ぜひお声掛けください。

以下の Zaim の求人は 7 月 1 日に合併および社名変更する「くふう AI スタジオ」としての募集となります。

特に AI のエンジニア関連の求人は以下の 4 職種です。エンジニア以外は上記 URL より職種をお探しください。


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