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フロア情報を認識させれば、障害物を自動で検知。成田空港や渋谷駅でも導入された清掃ロボット「Neo」とは

駅や空港、商業施設などさまざまな施設の床をキレイな状態で使用できるようにするフロアクリーニング。今までは人が行うことが一般的でしたが、自動で清掃してくれるロボットが徐々に普及し始めています。今回、紹介するのはカナダの企業が開発する「Neo」です。

成田国際空港や渋谷駅、ららぽーと横浜といった国内の施設でも複数の導入実績を持つ「Neo」。効率よく清掃を行い、人の負担を減らしてくれる――。そんな便利なロボットの詳細を見ていきましょう。

株式会社ユニキャストは、人とロボットによる未来の共創を目指すソフトウェア開発会社です。このマガジンでは、海外の情報を中心に様々な社会課題の解決のために開発されたロボットを紹介しています。

また弊社では最新ロボットの導入支援も行っております!今回ご紹介した製品に興味がございましたら、お気軽にご相談ください。

フロアの配置が変わっても、修正が容易に可能

「Neo」はカナダのAvidbots社が開発したロボットです。2014年に創業した同社は、自動清掃ロボットの企画・開発やサポートを主な事業としており、既に10か国以上で導入されてきた実績を持ちます。

「Neo」はセンサーで障害物を避けながら自律走行で床を磨くことができるのが特長です。障害物の検知能力は非常に高く、有人環境でも作業が可能といいます。最長稼働時間は5~6時間。作業が遅いということもなく、最高で人間の早歩きほどのスピードが出せるとのこと。速すぎると危険もあるので、これくらいのスピードで丁度よいでしょう。

▲「Neo」 Avidbots youtubeチャンネルより

国内の販売代理店である株式会社マクニカのWebサイトによると、走行ルートをロボットに覚えさせることが容易に可能なこと特長といいます。

一般的なティーチング(ロボットに動きの指示を教え込むこと)方式のロボットだと、走行ルートを実際に走行してマップを教え込む必要があります。覚えたマップの修正をする際にも、最初からやり直さなければなりません。

しかし、「Neo」は清掃するフロア情報だけ認識させれば障害物は自動で検知し、走行ルートを判断します。物の配置が変わったり、区画制限がされたりとフロアのレイアウトが変更されても、マップの修正が容易に可能です。

また、清掃の仕方としては、「シリンダーブラシ」と「サイドスイーパー」の2つのタイプを用意。これにより、洗浄する前に小さなごみを回収でき、壁際の清掃も問題なく対応できるようにしています。

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▲シリンダーブラシとサイドスイーパーの説明 マクニカ公式サイトより

「Neo」の稼働状況はPCやタブレット、スマートフォンから遠隔で確認することができます。清掃が完了すると、レポートを自動で作成。レポートを確認し、障害物などの理由で清掃が行えなかった場所があった場合も、最小限の作業をスタッフが行うだけで漏れなく清掃することが可能になります。

日本の施設でも導入が進んでいる「Neo」

「Neo」公式サイトでは、建築材料や高機能材料を製造するSAINT-GOBAIN社(以下、サンゴバン社)の導入事例が紹介されています。ニューヨーク州アムハーストにあるサンゴバン社の工場では、あらゆる用途に使われる耐熱・耐圧化合物である窒化ホウ素を生産しています。

工場では、窒化ホウ素によって床が滑りやすくなるという課題があったといいます。スタッフが滑って転倒する恐れがあるだけでなく、空気中の粉を吸い込む可能性がありました。そのため、安全のため毎日の清掃が必要だったとのこと。しかし、化学薬品が使用されている工場は、不慣れな人には危険な環境です。そのためサンゴバン社は専門の業者を派遣し、施設の清掃を行っていました。そんなときに、清掃ロボットの導入を検討し始めます。

製造現場は人やフォークリフトが常に動いている場所です。原材料の入荷や完成品の出荷準備に伴い、フロアのレイアウトも定期的に変更されます。スタッフの安全を確保し、フロアの変化にも対応できるロボットを探していたところ、これらの課題を解決してくれる「Neo」を見つけました。

その後、サンゴバン社の工場では試験的に「Neo」を導入。その結果に満足し、正式な運用がされるようになったことが紹介されています。

▲成田国際空港で稼働する「Neo」 Macnica upload_movieチャンネルより

その他、国内でも複数の導入実績を持つようです。例えば、株式会社日立物流は省人化の目的で倉庫の清掃に「Neo」を導入成田国際空港渋谷駅ららぽーと横浜などの施設でも「Neo」が活用されています。

株式会社ユニキャストは、人とロボットによる未来の共創を目指すソフトウェア開発会社です。当社では、新規ロボット・ITシステムソフトウェアの開発や最新ロボットの導入支援を行っております! 今回ご紹介した製品含め、ご関心がございましたら、こちらのページから気軽にご相談ください。

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