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「SF沼に浸かってみた」の、はなし。#13

先日久しぶりに、川崎の藤子・F・不二雄ミュージアムに行ってきました!

子供の頃からドラえもん大好きっ子な私ですが、
この日は、「藤子・F・不二雄のSF短編原画展」がお目当て。
ミステリー好きの彼に誘われる形で、会期終わりギリギリに駆け込んできました。

これまでSF短編集にはほとんど触れてこなかったので、
正直、展示自体にはあまり惹かれてはいなかったのですが、

これがもう、とんでもない沼でございました…!!!

普段、美術館や企画展を鑑賞しにいく際には、
インプットの時間だと思って、単独行動で楽しむことがほとんどなのですが、
誰かと一緒に行くと、自然とお互いの興味の向く方に視線も動くようになって、
一人では見向きもしないモノが見えてくる。これもまさしく少し・不思議。

彼は藤子・F・不二雄の半生や創作の歴史に興味深々で、
(壁にずらーっと書き記された年表とかですね)
自分の年齢と重ねながら、藤子・F・不二雄の創作活動に畏敬の念を抱いていました。
特に、「トキワ荘」時代の昔の映像が出てきたりした時には、
登場人物全員カッコよすぎる…..とうっとりしているのです。

私は、藤子・F・不二雄が遺した作品にすぐ目が行ってしまうけれど、
彼は藤子・F・不二雄、本人が生きてきた時間に思いを馳せているんですよね。

確かに、今までは可愛いキャラクター達に注目していたけれど、
「漫画家になる」という同じ夢を持った若者達が、
木造2階建アパートで共同生活をして暮らしていたとは、なんともロマンに満ちていてカッコイイ。
そして何よりカッコイイのは、その若者達が揃いも揃って、
現代にまで名を轟かせる一流の漫画家として世に出ていったこと。

一人の人間が、漫画に限りない可能性を感じて走り続けている様は、
わずかながら、創作活動に携わっていたいと願う人間に、
とてつもなく力強いエネルギーを与えてくれました。
藤子・F・不二雄氏ご本人の、制作チームに対する直筆のダメ出しメモ。
あれ、熱かったなぁ。。

そんな人と成りに惚れ込んだ先で触れる、原画展示は、
より深みを増して魅力的に感じられるのです。
日常にうまく溶け込みながら巻き起こる不思議の数々。
小さな事件を前にして、短編の中で巧みに描かれる人間心理は、
いつの時代の誰にとっても教育的で、なんとも身につまされるのです。

いつもなら、出口手前のお土産ショップでは必ずドラちゃんグッズを買ってしまうのですが、
この日はもちろん、【SF短編コンプリート・ワークス】を購入。

傑作を生み出し続けられるのは、
血の滲むような努力を惜しまなかった、日々の積み重ねの賜物なのだと、
あの年表を思い返しながら、畏敬の念を抱くのです。

創作意欲までバチバチに刺激された、良い休日になりました。


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