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総合診療トピックゼミ

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地域病院で診療を行うための診療ノート(メモ書き)です。
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#医学教育

Day.22 低Na血症の診療メモ【総合診療トピックゼミ

<Story> 休日の救急外来担当日、1人の中高年女性が来院された。なんとなくだるいから診てもらいたいと思ったそうだ。なんなら他院でも、倦怠感の精査を進めているそうである。Vitalの崩れもないし、意識レベルもクリア。ぱっと見の印象としても元気そうだが、一応採血へ。結果、低ナトリウム血症が判明する。さて、どうする……。 <まずは、重症か軽症かを判断する> 重症か軽症かによって、初動が異なります。基準は以下です。 ◇重症:痙攣・昏睡 ◇軽症:軽微な意識障害や食思不振以下の症

Day.17 高尿酸血症の診療メモ【総合診療トピックゼミ】

<Story> 定期的に通院されている患者さんの、これまた定期的に行っている採血で、尿酸値が上がっていることが分かりました。足の親指の付け根あたりが居たくなる痛風で有名な高尿酸血症ですが、今まで悩まされたことはないようです。さて……、これ早速薬剤で下げにいったほうがいいでしょうか?それとも、生活指導??? <尿酸降下薬の適応の考え方>◇無症候性の場合には、尿酸降下薬は使用しない ここでいう無症候性とは、以下のいずれも認めないことを意味します。 1)痛風結節 2)腎機能障

Day.10 よくある腹痛(虫垂炎、胆嚢炎)診断後の診療メモ【総合診療トピックゼミ

<Story> 休憩中、ふと思って先輩医師と話をします。「そういえば、この病院ってすぐの外科手術は対応してないですよね?」『そだね』「虫垂炎、胆嚢炎とかって、大きい病院だと、保存の場合でも外科にお願いってなりますけど、うちも基本転送してます?」『原則そんな感じなんだけど、こういうときは……』 <虫垂炎の手術/転送をどう考えるか> 虫垂炎については、再発の可能性を考えると原則手術で動いてよいでしょう。ただ、手術しないという選択肢もあるのはあるので整理します。 <手術に

Day.8 熱性けいれんの診療メモ【総合診療トピックゼミ】

<Story> 1歳の男の子がけいれんを主訴に救急搬送されてきました。38度のお熱もあったようです。お父さんにだっこされて処置室に入ってきましたが、けいれんしていた男の子はと言えば、目もしっかり空いていて、きょろきょろしています。さて、熱性けいれんの診断で、帰宅でOKでしょうか? <一応ですが、もし痙攣が止まっていなかったら> PALSに従ってください。気道確保(とりあえずは体勢を整える+吸引でいいでしょう)、酸素投与を行いつつ、抗けいれん薬を投与してください。 けい