ドンブラザーズと鈴木浩文さんが教えてくれたこと
そう書いたのがもう3ヶ月も前で、私は転職したし、日曜の朝はキングオージャーをやっていて、鈴木浩文さんはほぼ全裸の舞台の稽古に忙しかった。
上の文章の続きが全く進まないのを尻目に、FLTだの、ドンゼンだの、あとの祭り展だのとおかわりの応酬を食らい、嬉しさと寂しさを塗り重ねた。
ドンブラザーズはいつも私を置いて先を走る。
振り返って手を差し伸べてはくれない。
しかし、きっとその流れについていけないのはドンブラザーズ、彼ら自身もなのだ。
物語が勝手に進行し、ランニングマシンが加速したかのように突如走らされるのが彼らの常であり、その様は私達にとっての人生と同義だと思う。
ここで言う「彼ら」とは桃井タロウや雉野つよしのことを指しているのだけど、今日『鈴木浩文ファンミーティング〜鈴木デッキ構築会〜』に行って思った。
鈴木浩文さん自身も、今まさに加速したランニングマシンの上を懸命に走っていると。
圧倒的に世知辛いこの世の中で、最後の最後に明暗を分けるのは、自分を信じられるか、ということなんじゃないかと思う。
どれだけ運命に振り回されようと、自分を信じて自分に賭けられること。
それは多分歳を取れば取るほど難しくなるし、臆病だとできないことだけど、長く続けた人が最終的には勝つ。
これこそ、はじめに引用した文章の結論となる想いであり、今日改めて思い出された感情だった。
鈴木浩文さんは、きっと彼自身を信じて賭け続けている。
そしてその姿に、私は何度も何度も励まされたのだ。
自分自身を信じている彼を、私も信じていきたい。
そして私も、私自身をもっと信じてあげたい。
そう思うようになった。
この想いはきっと循環する。
彼の血肉になり、いずれ私の勇気になる。
彼が幾度となく口にした「皆さんの声に励まされた」という言葉が、私を四ツ谷まで運んだ。
とにかく貴方に励まされているのだと、
貴方の存在が私の力になるのだと、
直接伝えたくて特典会に参加した。
30秒だけ与えられた限られた時間で「ありがとう」と言おうとすると涙が出てしまった。
私の身長をギリギリ覆い隠せない衝立てで作られた二人の空間に、聞き馴染みのある「ありがとう」がこだました。
毎週のように後楽園で見た瞳が、心配そうに、だけど確かな光を携えて私を捉えていた。
「もっと大きくなります」
そう言ったように聞こえた。
嘘でもいい。聞き間違いでもいい。
その言葉を信じることで、私ももっと大きくなれる気がするから。
そんな鈴木浩文さんの最新出演舞台
ザ・ショルダーパッズ『この身ひとつで』が
7月13日から開演します。
文字通り裸一貫で演じる全力のエンターテイメント。
貴方も今日から鈴木浩文という物語の読者となりましょう。
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