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外野に臆せず進めよ乙女

先日、低身長にコンプレックスを持った女性のツイートを目の当たりにした。
高身長はうらやましいし、自分は低身長で嫌だ、という内容のものだった。私は彼女に貴女は素敵だと伝えた。
私が高身長で苦労していることや、低身長女性への憧れは別の記事で挙げた通り、高身長が良いとは限らないし低身長も素敵なのだ。
私は低身長の女性を心底羨んでいるけど、彼女を妬むいわれはないし、逆もまた然りである。どちらの方が良いとか、そんなのは元からないのだ。
私も彼女も生まれ持った身体と一生暮らしていく。
そこに呪いをかけるのは、いつだって外野の人間だ。私たちが失った自信を補ってくれる訳でもないのに、商品を手に取るような気軽さで、私たちを品定めしてくるのだ。

外見や生まれ持った特徴について指摘したり話題にあげて消費する権利は誰にもない。
本人がそれを望んでいるかわからない限りは決して口にしてはいけない。それが善意でも、である。
日本人は何故か「背が高いことは良いこと」と解釈している人が多く、褒めるつもりで平気で言及してくる。私は両親も身長が高く、それに伴う苦労も知っていたから、背は高い方が良い、という価値観がわからない。
「モデルさんになればよかったのに」とよく言われるが、「看護師じゃ駄目ですか?」と思ってしまうこともある。(事実、私は子役を志して挫折しているので古傷をかっぽじらないでほしい。)
だから低身長で悩んでいる人たちも「高い方が良いに決まってんじゃん!」とムキになってはいけない。低身長には低身長の良さがあるし、逆にそれを振りかざされたら良い気がしないことだってあると思う。
私も最近は低身長女性の良さに言及することを避けている。低身長の方が良い、という価値観も、当の本人達にとってはただの迷惑かもしれないのだ。

全ての褒め言葉は、「貴方が、貴方として、素敵である」ということに尽きると思う。
深く掘り下げ過ぎると当人の自己肯定感の話になってしまうが、先天的なもの褒めるのではなく、その人の魅力を味方につけた振る舞いや活躍を称えることが良いコミュニケーションと言えるのではないかと思う。
(いや、正直私もわからない。だけどとりあえず人にされて嫌なことは自分もしないようにすんのよ。)
また、褒められた本人も、「私の○○がまた言及された」と思うのではなく、「○○な私ってやっぱりイケてるのね!」と思えるようになると良い。
私は毎日赤の他人から天気の話題の如く身長の話題を振られるが、「分けてほしい」と言われる度に「胴だけあげますよ」と言っていなしている。相手が冗談に乗ってくれば儲けもの。その人の中での私の印象を『でっかい人』から『ノリの良いお姉ちゃん』に鞍替えできるかもしれない。

生まれ持ったものに言及しない、というエチケットの普及はまだまだ先かもしれない。だからこそ、これからも浴びせられる言葉の弾丸に屈してはならない。
貴方は、貴方として、美しいのだ。
どうかその魅力に気付いて、全ての人が胸を張れますように。


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