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【どこよりも詳しい】スワローズ新外国人ドミンゴ・サンタナ徹底分析

こんにちは!٩( 'ω' )وシュバルベです!ここまでスワローズがオフに獲得した外国人をnoteで取り上げてきましたが、第3弾はドミンゴ・サンタナ選手です。

12月3日に正式に獲得報道があり、公式サイトでも12月4日にニュースが出ました。

これまでに書いた選手2名についてはこちら。

ドミンゴ・サンタナ選手は現在28歳。今年はインディアンスに所属し、MLBで24試合に出場しました。195cm/104kgという堂々たる体躯をもち、2017年には五番打者としてシーズン30本塁打を放ちました。その時はシーズン178三振と典型的なホームランバッターの成績を残しましたが、直近の成績はどうでしょうか。以下で近年のサンタナ選手の成績を見ていきましょう!

1.打撃

まずは2020年のMLBでの成績から。

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今年に関しては出場機会も少なく、ストロングポイントであるパワーも十分に発揮できませんでした。30K%近い三振率の一方、四球は選ぶことができており、出塁率は打率が1割台ながら3割近くあります。キャリアハイの2017年は打率.278で出塁率は.371あり、三振は多いが四球も多く甘く入ると一発の怖さのあるパワーヒッターとして君臨していました。

今年の成績だけだと言えることが少ないので、121試合出場した昨年の数字も見てみましょう。

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507打席で164三振とやはり30k%越えの三振の多さは気になりますが、21本塁打を放ち.441という高い長打率は魅力です。長打率から打率を引いたISOは.188あり、純粋な長打の多さを示しています。二塁打20本、盗塁8個と足も決して遅くなく、安定して長打を狙える長距離ヒッターとして期待したくなる成績です。

打者としての傾向をコンタクト率とゾーン別の打率等から見ていきましょう。

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ストライクゾーンのボールについてはオスーナ選手ほどではありませんが比較的積極的に手を出しますが、コンタクト率はやや低め。ボールゾーンに対してはあまり手を出さないですが、スイングをかけてしまうと高確率で空振りしてしまうという内容です。最も、パワーヒッターなのでコンタクト率はそこまで重くみていません。DeNAのソト選手のストライクゾーンのコンタクト率なんかは80%を切っていますし、西武の山川選手のボールゾーンコンタクト率は40%台です。

次に20年のコース別の打率と空振り率を見てみましょう。

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打率がほぼ2割とそもそも打てていなかったので、内角だけ打てているということぐらいしか分かりませんね笑。打席数も多く、打率も.250打てていた2019年のコース別打率はこちら。

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ストライクゾーンのインコースについては今年も去年もヒットを打つことができています。逆に2年続けてアウトコースは苦手としており、特に高めに明確な弱点がありそうです。2020年の空振り率を見てみましょう。

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低めのボールゾーンへの対応の悪さ以上に、先のコース別打率と合わせて考えるとアウトハイのボールに対してほぼ無力だったと言えるでしょう。

ちなみにサンタナ選手の苦手なアウトハイはオスーナ選手が得意とするゾーンです。ざっくりインコースを得意とするサンタナ選手と、アウトコースを得意とするオスーナ選手のコンビで獲得できたことは、スワローズのスカウティングの意図を感じます。

これは多くの来日外国人選手に言えますが、今年の不振の理由の一つはスピードボールへの対応です。昨年のフォーシームの打率.271に対し、今年は打率.070と壊滅的でした。昨年まではレフト・センター・ライトに広角にバランスよく打ち分けていましたが、今年は引っ張り方向への打球が50%を占めており、それでいながらこちらの打球マッピングのように外野まで飛ばせていません。

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私が最も懸念しているのが、これらの打撃不振の原因が2019年夏の右肘の怪我によるものかもしれないという点です。約二ヶ月間離脱しており、2019年の離脱前は打率・出塁率・長打率が.280/.346/.489だったのに対し、復帰後〜19年シーズン終了までは.127/.250/.215と低迷。スタットキャストのデータも次のようになっています。

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やはり気になるのは20年は打球角度が大きく下がってしまいバレルゾーンに打てる割合が減ってしまっている点です。打球速度についても昨年まで3年続けて89マイル以上あったのが今年は85マイル。HardHitの割合もやはり下がってしまいました。

右打者にとって右肘の怪我はしばしば大きな痛手となることがあり、実際に元広島の栗原健太選手は右肘の慢性的な怪我が引き金となり引退に追い込まれてしまいました。ただ、今年は幸か不幸かコロナウィルスでマイナーリーグは休止に追い込まれた結果、サンタナ選手にとって長い休養期間ができました。

こんなホームランを打てる選手がスワローズに来てくれるのであれば、バレンティン選手以来の興奮でしょうね。本当に楽しみです。

2.守備走塁

サンタナ選手の守備位置は外野の両翼です。来日前に主にライトを守っているという点もバレンティン選手と被るものがありますね。直近三年間の守備指標はこちらの通り。

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2019年の守備指標は惨憺たるもので、レフトでUZRー10.9はある意味すごいです笑。ライトの方が守備指標が基本的によく、2018年・2020年はUZRはプラス指標。お世辞にも守備は上手くありませんが、MLBでも基本的にかなりフェンス寄りに守備位置をとっているため、神宮であれば肩さえ平気ならバレンティン選手で慣れているので割りかし見れる守備になる気がします。

最後に走塁についてです。盗塁の個数で言うと、2017年に15盗塁したのがMAXで、2020年は盗塁なし。2019年は8盗塁を決めており、出場機会が多ければそこそこ走れると考えられます。偉大なるstatcastによる平均の走塁スピードで見ると、MLB平均が27ft/sに対しサンタナ選手は26.8ft/sとほぼ平均レベル。2019年は二塁打を20本打っており、走塁能力はそこそこ期待できるのではないかと思います。

3.まとめ

ここまでサンタナ選手の打撃・守備・走塁の3つを見てきました。右肘の怪我が癒えていれば狭い神宮球場では本塁打を量産してくれるのではないかという期待感があります。特に低めのゾーンに強く、日本のリードは今なお低め至上主義な感があるのでチャンスは広がりそうです。課題は追い込まれてからの対応で、2019年はツーストライクを奪われると打率.182、逆にボール先行のカウントでは打率.292。狙い球を絞れるタイミングではパフォーマンスを発揮できるので、日本の投手・環境への慣れが活躍の鍵を握りそうです(そらそうだ)。

オスーナ選手と得意ゾーンが異なるので、オスーナ・サンタナの2人が並ぶ打順を構成できると相手バッテリーとしてはやりづらいはずです。高めが得意なオスーナ選手と低めが得意なサンタナ選手。どちらも制球できる投手は少ないですし、先に書いたように日本のリードは低めが正義とされがちです。この2人で平均8球は投げるでしょうから、1球は来るであろう失投があればスタンドまで飛ばせるのではないかと思いますね。サンタナ選手を六番におき、20本塁打してくれれば本当にスワローズは優勝争いすると思います。

昨年はマリナーズに在籍し開幕戦を東京ドームで迎えました。その時は満塁弾を放ち、お立ち台へ。ヒーローインタビューでは次のように語っています。

最高の気分だよ。イチローと同じチームで日本で開幕を迎えられた。僕の夢がかなったよ

さらに、スワローズ公式のコメントはこちら。

この度、ヤクルトスワローズに入団できることを大変光栄に思っています。2019年にシアトルマリナーズの一員として来日して以来、ずっとNPBでのプレーを思い描いていました。球団の熱心なお誘いに、謙虚に且つ自信を持って、来季、スワローズの勝利に貢献できるよう望みたいと思っています。

昔から性格でスカウティングを行い、ペタジーニ、ラミレス、グライシンガー、リオス、デントナ、ガイエル、バーネット、ロマンら優良助っ人を当てているスワローズなので、サンタナ選手も愛されキャラになると確信しています。

MLB時代のあだ名は“Showmingo”スワローズでも多くのSHOWを見せ、つば九郎と一緒にポーズとかとって欲しいですね!今から来日が楽しみです。

■出典

・Baseball Savant

・Fangraphs

・ヤクルトスワローズ公式

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