俺のハナシ

前座から二ツ目にあがるには。
落語を50席覚えないといけない。

図書館でCDを借りてきて。
ウォークマンで聴きながら。
名人のあとに続いて。
真似しながらやってみる。

おじいさんが。
ゆっくり喋っているようで。
あれ?結構早口じゃん。
なんで。ゆっくりに聴こえるの?

という発見をして。
100円のメモ帳に書き込む。

まだ。入門もしていないのに。
いや。入門するつもりも。
ないのだけど・・・。


石村が俺のアパートに来て。
一緒にメシを食い。
いつものように。
あーだこーだと。
何でもない話をしていた時。

ちょっと。落語をやるから。
聴いてくれ。と言って。

明烏という大ネタを。
(寿限無も言えないくせに)

弁慶と小町はバカだなぁカカァ。
と。やり始めて。
すぐに出て来なくなって。
速記本片手に。1時間やったのを。

石村は。酒を飲みながら。よく。
黙って聴いてくれてたと思うよ。
ホントに。

(良い奴だな。と思ったよ。)


どうだった?と聞くと。

うーん。風俗の話だと。
いうことはわかった。と言った。

まあ。そうなんだけど・・。
まあ。いっか。


もう。友達では。
なくなってしまったけど。
元気にしていてほしい。


立川談志が死んで。

ああ。俺は。
落語が好きなんじゃなくて。
談志が好きだったんだな〜。
と。わかった。


今日。出勤の車の中で。
オーディブルで。
談志の芝浜を聴きながら。

ああ。談志は。この人は。
落語が好きなんだ。
と。わかった。

そして。また。
スマホに色々メモをする。

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