男子はコックピットの夢を見る

男子は皆好きな筈、廻りを沢山の計器やスイッチ・レバーに囲まれたシートに収まること。
子供の頃、家の庭には廃車になった三輪トラックが在り、シートに座って、シフトレバーをガコガコ、ハンドルをグイグイ、ペダルをフミフミして遊んだ。父親は少し変わった人だったのか、元教師であった伝を使って引き取ってきた、いつか使えるかも知れないガラクタみたいな色々が、家には在ったとさ。
屋根裏部屋には、ラジオ・クラブの顧問をしていた名残で、電気部品(真空管・バリコン・抵抗・コンデンサ・コイル・トランス・ダイオード・LED ・トランジスタ・etc.)と、旧仮名遣いの電気に関する書籍が在った。当然のように実験する。但し、使い残しの部品なので動く回路が組める訳でもなく、遊びとして楽しんだ。LED点灯したり、銅板を折り曲げてスイッチにしたり、電源が電池しか無かったのが、今から思えば幸いした。事故を起こす事も無かったからね。でも、あの時「ブレッドボード」と「実験用可変電源」が有れば、人生変わってたかも知れない。後に学研の「電子ブロック」の存在を知った時は、胸がざわついた。一度だけ、パーツ屋さんに連れていって貰ったのは、少し後の事。

この話は続きがあって、バンドで音楽やっていた時(高校時代)に、ギター用のエフェクターを自作したりした。工作する事へのハードルは低かった。父親の影響なのは間違いない。教師時代に技術家庭を担当した事も関係あるのかな?多分無いな。何せ、自宅に溶接道具一式(ガス・電気)を常備して、ボール盤やらの工具を、業者に鉄骨組むの手伝って貰った2階建ての自作離れ兼倉庫に収める男。世間的には人格者で通ってたみたいだけど、変な人ですから。
バンドで思い出したけど、長兄の使ってたドラム。お下がり的に使ってたけど、コックピット感あるね、ドラム。さらに、エレピの上にシンセ積んで、正にコックピット。全部、男子の好物。
幼児の時にピアノ習わせてくれてたら、人生変わってたな、絶対。鍵盤楽器もシンプルなコックピットだし。

コックピット繋がり?で、やっぱりSFに嵌まった。ハヤカワ文庫の翻訳ものとか…。筒井康隆氏に辿り着いたのが行けなかった。面白がり体質に拍車を掛けてしまった。面白いことが起こるのを期待して、ワクワクしてると「なめてる・バカにしてる」と取られがち。餌を手に近付く主人を見る、忠実な犬の待機姿勢なのに。変な所にツボるのも誤解を招く。説明したら、面白く無くなる。納得されても困る。だから、黙って「変な人」でいる。コックピット関係無し。

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