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『死が三人を分かつまで』書店員さんの感想をまとめてみました!

U-NEXTにて先行配信中の『死が三人を分かつまで』(ケイティ・グティエレス著/池田真紀子訳)。
発売前にゲラを読んでくださった書店員さんの感想をまとめてみました。

本書は2022年10月7日から全国発売です。お近くの書店でもご購入いただけますので、ぜひご覧ください。


ご感想

「運命」なのか…「偶然」なのか…
それぞれのエピソードが交錯していく時、事件の「真相」が浮き彫りとなっていく。
人生は選択と行動で作られる。
読後、タイトルの意味が深く心に残りました。
壮大で壮絶な人間ドラマに飲み込まれるような物語に感服です。
(紀伊國屋書店 福岡本店 宗岡敦子さん)

ひどい、ずるい、そして弱くて、でも大胆で魅力的。主観と客観が重ねられて人物と事件が立体的になっていくのが快感だった。
ノンフィクションライターが人として揺らぎながら核心へ迫る、その過程、緩急にリアリティを感じた。
語られなかった余白に、今も思いをはせてしまう、そんな作品でした。
(銀座教文館 〆野さん)

どうしてローレが誰にも秘密で重婚することになったのか、どんないきさつで殺人が起きたのか。ローレは本当のことを話しているのかが気になり読み進めました。
もし過去のローレが家族に対してもっと誠実であったならとか、もしあの時に〇〇が起きなかったらと考えずにはいられません。取材する側のキャシーの人生も興味深く、キャシーとローレがお互いを疑いながらも少しずつ歩み寄り真実に近づいていく姿がよかったです。そして思いもよらない真実とエピローグ!読み応え抜群の作品でした。
(水嶋書房 くずはモール店 井上恵さん)

※〇〇はネタバレの可能性があり伏せています

ものすごい読みごたえ、これだけの文章をわかりやすく日本語に訳した訳者の方にまず頭がさがりました。
完璧に満たされた人生を望んだ一人の女性の罪と罰を知ることで、若いフリーライターが自分の本当に望む生き方を探る旅にもなっていきます。
(正文館書店 長久手フレンドタウン店 各務さん)

ボリュームの多さに最初ひるんでしまいました(笑)でも読み出したら止まらない。
まるで映画を見ているようでした。
真実だけが全てなのか何が正しいのか考えさせられます。
(コメリ書房 鈴鹿店 ご担当者)

最初封筒の厚さを見て、気後れしました。450ページ、二段組、海外小説…「うぅぅ…」うなりながら読み始めましたが、1/4読んで印象が逆転。事件の動向、気になる証言、様々メモを取りながら、キャシーの如くライター気取りで物語を追っていってました。好奇心の勝利です。あとは一気読みでした。
(NET21ブックスページワンIY赤羽店 清宮久雄さん)

事件を追う女性と、事件を起こす女性
ふたりのそれぞれの感情、境遇、秘密
読めば読むほどに引き込まれ想像を超えたラストに完敗です
(岩瀬書店 富久山店プラスゲオ 吉田彩乃さん)

ローレとキャシー。
二人の女性の人生の物語に、私自身が乗っ取られたかのように我を忘れてのめり込んだ。

一冊読み切った満足感と、読んでいる間ずっと張り詰めていた心がほぐれ、感じる解放感。
読み応えのある一冊だった。
(東京旭屋書店 新越谷店 猪股宏美さん)

2人の女性の抱えている秘密から嘘を頼りに真実を明らかにしていく。全て読み終え、それまでの彼女たちの人生を振り返った時、タイトルの意味に気がついた。読み応えのある464ページだった。
(有隣堂 淵野辺店 大久保あすかさん)

それはほんの一瞬の出来事に過ぎなかったはずなのに。
与えられた人生に満足せずに、もうひとつの人生を作り出してしまった。
こんなこといつまでも続くわけがない。
二人の夫の銃殺事件にまで発展した結末がどう明らかになっていくのか。

ローレの過去と現在、ライターのキャシーが抱えている家族の問題。
この二人の秘密が絡み合い、互いの痛みを引き出そうとする駆け引きにページをめくる手が止まらない止まらない!!
真実にたどり着いたキャシーは、それをどうするのか。揺れる揺れる。
愛こそすべてだ。
か、しかしその愛そのものが大事なものを破壊していく。
ローレの過去は勿論だけど、キャシーが極端に避ける家族の話の辺りは私の古傷を刺激した。
みんな何でも話せるわけないのよ。
愛という嘘に幾層にも包まれた中に真実は存在している。
彼女の物語の全貌を知ることができたのだろうか。
皺を刻んだローレの顔が寂しく笑って見えた。
(未来屋書店 大日店 石坂華月さん)

ローレの蒔いた歪な種によって悲劇が生まれてしまうので、最終良かった良かった、という訳にはいかないけれど、人はその時に必ずしもはっきりとした正義の判断を出すのはとても難しい。キャシーもまた過去の悲しみと愛の矛盾を抱えていて、もどかしい。自分という人間を知りたい女たちはみすみすそこにある一見平凡で平和な幸せを危うげな選択によって手放してしまう。それが読んでいると、何でそこで!と思いつつ、実際に流れる日常ではあり得そうで共感もしてしまう。そして最終的にキャシーによって書かれた本は、一応その時での妥協点だと私は納得がいった。
最初は三部にもなるボリュームの本に一瞬たじろぎもしましたが、海外名と交互の日記の様な形式に混乱しつつも、半ばを過ぎれば、アクセルベタ踏みで読んでしまいました。
(蔦屋書店 和歌山市民図書館店 川崎貴子さん)

読後の満足度、MAX‼︎
ローレの、ファビアンとアンドレスに対する気持ち。
そしてキャシーの気持ち。
守りたい何かを持っている人は、強い。
秘密を抱えて生きる事の難しさ、苦しさ。
誰かに話したい、わかってもらいたいという気持ちは、抱えているものが大きい程強くなってしまうのだろうか。
それぞれが、孤独で、傷ついて、もがいて、自分の居場所を探して、幸せを求めている。
罪を償えない苦しさは、とても重いのではないだろうか。
キャシーとローレ、2人の関係がとても素敵です。
(文真堂書店 ビバモール本庄店 山本智子さん)

ローレの重婚により、夫がもう一人の夫を殺してしまった。
事件から32年経って、キャシーは他のノンフィクションでは決して描かれることのないローレの視点で重婚から殺人事件までをインタビューや調査をして本にすることを目指し取材を始める。
キャシーの抱える家族の問題。
ローレの秘密の二重生活と事件の真相が交錯する。
結婚して子供に恵まれていても満たされない部分があること、母であり女であること、はじまりは目の前に現れた魅力的な男性につい未婚だと嘘をついてしまっただけのこと…

ノンフィクションのようにリアルに描かれていて、長さが気にならないほど夢中で読みました。ローレの重婚の行く末、殺人事件の真実も、キャシーの秘密を隠したまま婚約を進めていく危うさも二重の引力に逆らえずページをめくる手を止められませんでした。
ローレの物語には誰もが踏み外してしまう可能性のある、ときめきや興奮を覚え、ファビアンとアンドレスの二人のどちらの家族も諦められない切実な愛を感じました。
(ネタバレにつき略)
知りたかったのは、この結末だったのかとほっとしました。
とても面白かったです。
(ジュンク堂書店 名古屋栄店 西田有里さん)

ゲラの分厚さをみて、これは読むの大変だ、とひるみましたが、読み始めたら、先が気になって3日で読み終わりました。90年代の初めにメキシコに3週間くらい個人旅行で行ったので、馴染みのある景色で懐かしかったです。
重婚という犯罪ではありますが、そこに至るまでに葛藤があるのは、ある意味、人として理解はできます。芸能人の不倫を、ゲスの極みとか、鬼畜の所業とか、非難する人は大勢いますが、自分は、芸能人なんだから不倫くらいするだろう、とみます。

この作品の内容を、道徳的に非難して思考停止する人はいるかもしれません。そもそも、そういう道徳観を持っている人は手に取ることもないと思います。でも犯罪に走る人が、なぜそこに至らざるを得ないかったか、という心理を丁寧にたどることは、とても興味深く、犯罪者の内奥に迫ることは、人間を知るということに繋がります。

別に不倫を薦めているわけではないのですが、不倫は絶対悪!と、そこで思考停止している人に、逆に読んでもらいたい気がします。
(男性50代)

「人間のローレは、母親のローレに食い尽くされて存在しなくなっていた」
同じ双子の母親である私の心に一番響いた言葉です。この人の長いドラマを翻訳された池田真紀子先生に読まされてしまいました。
(あおい書店 西尾店 ご担当者)

嘘つきな女性の身勝手…と断罪してしまうにはローレの弱さもずるさも心当たりがありすぎました。
家族を愛していながら選ばなかった人生を考えたことがある人にはささる一冊だと思います。
(紀伊國屋書店 梅田本店 金城咲さん)

人は様々なカテゴリーに属して生きている。
家庭、学校、職場…それぞれのカテゴリーで対する人々に見せる顔は違う(少なくとも私は…)。
学校、職場の友人と家族を合わせるのは何となく気恥ずかしく感じるのは、普段と違う顔を見せるからだろう。そして、それらの顔は本当の自分なのか?自分という人間を深く知ろうとした時、自分でも思わなかった扉を開いてしまうかもしれない。
そしてその時分にどこまでついていけるだろう。
(山下書店 世田谷店 漆原香織さん)

いかがだったでしょうか?
2段組み464ページというボリュームに歴戦の猛者たる書店員さんも驚かせた本書。しかし安心してください。
みなさん、およそある地点でスイッチが入り読破されたようです。

事件の真相は?ローレとキャシーの秘密とは?
ぜひご自身の眼でお確かめください。

みなさまからのご感想もお待ちしています。
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