マリーシア映画大集合!香ばし系未公開洋画、2022年の人気作をまとめました
カタール大会も全64試合中62試合を終え、残すところ3位決定戦と決勝戦のみ。3週間前の投稿を見ると、浮かれていた自分と、遥か昔に去っていった国々が思い出されて、寂しさとも懐かしさともつかない、何とも言えない感慨に包まれます。映画部の林です。
ほとんどの国の選手や応援団が既に自分の持ち場へと帰り日常生活を始めている中、まだ同じ場所で、同じ大会を戦うことを許された最後の戦士たちがいる。トーナメント形式の大会って、この何とも言えない切なさと尊さがいいですよね。
さて、私もサッカーの世界からの心の出張を終え、日常生活に戻ろうと思います。
これぞ映画の多様性、懐の深さ、豊かさ
たくましき未公開洋画の世界
U-NEXTの年間ランキングはもうまもなくリリースされると思いますので、ここでは普段、光の当たりづらい未公開洋画の2022年ヒット作を総ざらいしましょう。未公開洋画とは「日本の映画館で公開されず、ダイレクトに配信 or DVDリリースされた外国映画」のこと。
実はとてもディープな未公開洋画の世界。中には「なぜこれを劇場公開しなかったの?」というレベルの掘り出し物もあるのですが、一方で白目を剥いてしまうくらい香ばしい映画も存在します。そういった作品に素敵な邦題とS級のジャケット(サムネ)を着用させて、したり顔で店内の一等地に並べる。訪れたお客様は「こ、こんな超大作が知らぬ間に登場?……いやいや、違うよね、そっち系だよね。上等じゃないか、受けて立とう!」と未公開洋画との駆け引きを楽しむ。これぞまさに、ビデオレンタル店が生んだ気高い文化です。
未公開洋画は言ってみれば「映画界のマリーシア」的存在。マリーシアとはサッカーの世界で「相手や審判を出し抜く狡猾さ」のように使われる言葉ですが、駆け引き自体を楽しむ、成熟した「したたかさ」というニュアンスも含まれるように思います。
未公開洋画のケレン味を肴にしながら、ウイスキーグラス片手に微笑む。これぞ大人の嗜み、正しいお作法です。決して怒ってはなりません。マリーシアっぷりがスモーキーであればあるほど、酒も進むてなものでしょう。
それでは以下、5つの系統に分けて、今年U-NEXTで本当に売れた未公開洋画たちをご紹介します(サムネから作品に飛べます)。
まっすぐいただきます!「拝借系」
マリーシア映画の基本中の基本、それは絶賛大ヒット中の作品をパクる、いや、オマージュを捧げる姿勢です。そしてお客様は、こちらから罠に掛かりに行く。そのリテラシーの高さが、美しい共犯関係を生むのです。
100年だって続けてやるぜ!「年次系」
こちらは「拝借系」の中の1系統ですね。ディザスタームービーに多いパターンです。インデペさんとアルマゲさんとディープさんには年1で地球を襲っていただかないと、こちらが落ち着きません。
とりあえず付けとけ!「シン・系」
こちらも「拝借系」の新系統。何が「シン・」なのかもはや全然わかりませんが、結構売れるのです。『シン・感染恐竜』ってもう大渋滞。
人気が不動すぎます!「サメ系」
マリーシア映画の1系統というよりは、映画界の重要ジャンルのひとつと言っても過言ではないサメ映画。巨大化以外にも色んな方向に新種を生み出しています。「サメ使いのストーカー」というのは新しい発想ですね。(サメ映画特集はこちら→「王道から邪道…いや、邪道こそ王道??サメ映画特集」)
おつかれさまでした!「ウィリス系」
今年、引退を発表したブルース・ウィリス。『ダイ・ハード』ど真ん中世代としては淋しい限りですが、まだまだ撮り溜めた作品が未公開洋画として出てきそうです。正直中身は「おおおおお?」というものが多いのも事実ですが、今こそ未公開洋画リテラシーを発揮して、ウイスキー片手に微笑みながら最後の勇姿を見届けようではありませんか!
ズラリ並んだサムネを眺めていたら、ビデオ雑誌編集者だった若かりし頃、この手の作品ばかり担当していた時のことが思い出されました。毎月20-30本ペースでマリーシア映画を見続けた折には、本気で映画が嫌いになりそうでしたので、用法用量を守って正しくお使いください。