ぎゃー無理ムリむり…な映画。そして、それでも開拓したい心理。

今更ながら音声メディアに凝っている映画部・宮嶋です。お気に入りは、友達に薦められて聴き始めたジェーン・スーさんと堀井美香さんのPodcast番組です。（ちなみにこちら）

先日、その番組の中でジェーン・スーさんが、ご自宅で配信で映画をご覧になっている途中で、「あ、これ無理無理ダメダメ…となってしまって、いったん再生を止めた」とおっしゃってました。なんでもスーさんは、この先に何が起きるか想像がついてしまうと「無理むり！」となってしまうそうです。

ちなみにその映画、『プラットフォーム』だそうなので、おそらく“とっても良くないこと”が起こりそうな想像がついてしまったのだと思います。（スペインのスリラー映画で、私もずっとマイリストに入れているのですが、部内で「宮嶋さんには…厳しいかもしれないですよ…フフッ」と軽く脅されていて、少々ビビってしまって未見です）

まわりにも、「クリーチャー系の映画がだめ」とか、「虫が出てくると一切ダメ」とか、「宇宙空間が舞台の映画は息が苦しくなって無理」という友達もいて、無理パターンもそれぞれなんだなぁ、と思っています。

そんな私が「無理ムリむり…」となってしまうのは、びっくり系ホラーとか、無数の小さい虫とか、点滅とか、尖端がやたら出てくるとか（これは映画じゃなくても尖端が苦手）、まぁ刺激に弱いのでいろいろありまして（ゆえに『プラットフォーム』も部内で脅されているわけですが！）、一番はズバリ「痛い」映画です。間違いないです。泣けるといわれている映画よりも、痛い映画で泣いてしまいます。

…ここからはもう、ネタバレにならないようにふんわりとしか書かないようにせねばなりませんが（だって、作品はそれぞれとっても面白いのでぜひ観て頂きたいのです！）

まず『オデッセイ』で血の気が引きました。

「そんなシーンあったっけ？」って聞かれるんですけど…あるんです！わりと前半に!!思い出せないかた、ぜひ再見して頂きたい（笑）

邦画だと『スマグラー おまえの未来を運べ』。あるシーンでリアルに泣きました…痛すぎて号泣。大人なのに痛くて号泣。おうち鑑賞で良かった…。

一番無理だったのが、『127時間』。こちらは映画館で観たのですが、貧血を起こして上映終了後に映画館スタッフさんに抱えられてロビーで介抱していただきました。アウトドア派の皆さん、ホント、ケガには気を付けて…（インドア派の、心底からの感想）。

あの時の御恩は忘れられず、今も腰を低～くしてその劇場に通っております。あの時はご迷惑をおかけしました…。

でも、バイオレンス映画でもホラー映画でも、大丈夫な作品、むしろ好きな作品もあるんです。

たとえば『ハンニバル』の有名なシーンなんかは全然大丈夫で、むしろ「なるほど、その方面のエグさ！」と感心していたくらいです。

『ハウス・ジャック・ビルト』も、相当ビビりながらも観たんですが、あまりにも理解の域を超えていて「痛い」どころじゃなかったので大丈夫でした。大好きなラース・フォン・トリアー監督っていう文脈への興味が強かったからかもしれません。

でも、そういえばトリアー監督は意外と『アンチクライスト』のほうが痛くて「無理無理！」感があったかも。

何が大丈夫で、何が無理ムリむり、なのか。たぶん、状況やら痛さの種類やら、複合的に「自分でその痛みを想像できるか」ということだと思います。

そして我ながらツッコミたいのは、無理無理と言いながら、時に泣きながら、ちゃんと最後まで観ていること！

ラストまで見届けたくなるっていうのはやっぱり、痛みが想像ができている、登場人物に共感が出来ているからですよね。観客をキャラクターに引き寄せる力が強い作品なのだと思います。

そして時々自分のその境界線を試してみたくなることがあって。最近も、カニバリズム映画『RAW～少女のめざめ～』と、画びょうを飲もうとしているキービジュアルが強烈な『Swallow／スワロウ』を続けてみました。

「エグイけど、耽美そう」とか「グロいけど色彩と画面デザインが好みっぽい」とか、自分の好きな要素に寄せて少しずつトライ。連続で「ちょっと半目になったけれど、面白かった！」と自分の中の嗜好の拡大に成功しております！（痛そうなシーンだと半目になりますよね!?）

今、観ようか、観られるのか、耐えられるのか…と迷っているのは『屋敷女　ノーカット完全版』。調達を担当させて頂いたのですが、「これはぜったい、うちでやりたい！」と言ったわりに、本編は部内のホラークラスタに観てもらったという体たらく。配信スタートしていますが、自分ではまだ観られておりません…。

だってこれ絶対痛いでしょ？無理ムリむりってなるやつでしょ？フィルマークスでも皆さん「ヤバい」「グロい」「想像以上」って書かれてるし。

でも構成や展開、ベアトリス・ダルの演技への評価も高いんですよね…。フレンチホラー、ちょっと興味はあるんですよね…。迷うわぁ…。半目をデフォルトにして、観てみようかな…（ドキドキ）。

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