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「うねうね公園」を深堀り!~うねうね公園の現在/うねうね公園が生まれた経緯~

 2024年5月25日(土)・26日(日)に開催される、UNEUNE防災フェスタの会場となる「うねうね公園」。
 皆さんは、うねうね公園のこと、どれくらい知っていますか?


1.現在のうねうね公園の概要

 まず、現在の「うねうね公園」の概要は、既にいくつかのメディアで取り上げられているので、リンクをシェアします。

大宮マガジンさん

リビング埼玉さん

日進町ネットさん

2.「うねうね公園」が生まれた経緯

 続きまして本題、「うねうね公園が生まれた経緯」を発見した資料をもとに探っていきます。

 平成に入り、全国各地で再開発が進む流れの中でうねうね公園は生まれたようです。詳しい記述は、「最新!NISSIN」サイトより以下抜粋です。

再開発に先駆ける形で2008年にカルソニックカンセイ(現マレリ)本社が完成し、ついに2009年3月に日進駅北側・大成建設跡地の再開発が完了しました。うねうね公園やパークシティさいたま北もこのとき完成したものです。また、それと同時に日進小学校や日進北小学校などから分離する形で、宮原町3丁目につばさ小学校が開校。開校式では当時NHKで放送されていた連続テレビ小説「つばさ」の主人公を演じていた多部未華子さんからビデオメッセージが届いたそうです。2010年3月1日には商業施設「istα!日進(イスタ日進)」がオープンし、現在の街並みが出来ました。

最新!NISSINサイトより抜粋

最新!NISSINサイトから抜粋したページはこちら↓

  他にも、うねうね公園が生まれた経緯を調べていたところ、2006年3月にまとめられたと思われる、「日進東地区まちづくりガイドライン」という資料を、さいたま市のホームページから発見しました。

参考URL↓

参考PDFファイル↓

 まちづくりガイドラインの中で、特に、うねうね公園を含むゾーンに関する記述を抜粋していきます。

●まちづくりの目標『緑と街と人をつなぐ生活複合拠点』
 ~Interactive & Sustainable~
 日進と宮原の2つの地域の境界に位置し、鉄道に挟まれた工業用地であったことから、計画地周辺では地域が分断されていた。緑と街と人の「つながり」をつくり、開かれた街として計画地を整備することにより、快適性や利便性を向上させるとともに、安心して豊かに住み続けることのできる「生活複合拠点」を形成する。

日進工専地区街づくり協議会・UR都市機構埼玉地域支社、『日進東地区まちづくりガイドライン』、7頁、2006

♢まちづくりにより生まれる3つのつながり
●緑のつながり―緑道と公園により緑をつなぐ
 逆川の跡地を利用した緑道と公園により、地区内外の緑をつなぐ。生態系に配慮した緑の連続性の確保により、都市近郊の自然の多様性を保全する。また、自然に親しむことができる豊かな暮らしを実現する。
●街のつながり―日進駅と宮原駅をつなぐ
 2つの駅をつなぐ歩行者ネットワークの形成により、鉄道利用の利便性を向上させる。また、日進地区と宮原地区の2つの地域をつなぐことにより、東西南北方向の街の活性化が期待できる。
●人のつながり―地域コミュニティをつなぐ
 新しくできる小学校を単位とする近隣コミュニティの形成において、新旧住民両者の生活の質的向上に資する機能を導入することにより、安心して快適に暮らすことのできる新たな地域社会づくりの核となることをめざす。

日進工専地区街づくり協議会・UR都市機構埼玉地域支社、『日進東地区まちづくりガイドライン』、7頁、2006

♢つながりをつくる空間構成
●街の中心軸となる「グリーン・スパイン」

 水と緑と街をつなぐ近隣公園と緑道を、地区の中心軸に位置付けて、緑豊かな開かれた街の骨格を形成する。
 ※スパイン(spaine):背骨
・2つの駅へのアクセスルート
 2つの駅へのアクセス性の向上により、地域全体の利便性・拠点性を高める。
・多様な用途が向き合う街並み形成
 複合拠点に導入される多様な用途をつなぎ、様々な機能どうしの結節性を高める。また、グリーンスパインに向かう街並みを形成し、街の一体感をつくる。
・生態系の連続性と多様性の確保
 グリーンスパインに沿って、多様な緑地や水辺環境を配置して、生態系の連続性と多様性を確保する。
・公園・小学校へのアクセスルート
 地区内だけでなく、周辺地域から公園や小学校へのアクセスルートとして歩行者の安全性と快適性を確保する。
・風の道
 南からの風を街区全体に行き渡らせる「風の道」としての機能を持たせ、建物の通風性を確保して、省エネルギー性や快適性を高める。

日進工専地区街づくり協議会・UR都市機構埼玉地域支社、『日進東地区まちづくりガイドライン』、8頁、2006

■計画地周辺の自然環境
 計画地周辺の自然環境を「エコロジカルプランニング」の手法により分析した。
●ゲオトープ(地学的特性)
・2つの河川の起点
 計画地は、逆川の起点に位置する。逆川は、一旦北方向に流れた後、鴨川に合流して南下する。鴻沼川は、計画地南側を起点として南に流下して、鴨川に合流する。計画地は南北の水系軸をつなぐ重要な位置にあり、水辺生態系の回復が望ましい。
・地形
 大宮台地上にあるが、河川沿いのため、狭い谷伏の土地となっている。
【計画の方針】
〇周辺河川との生態系の連続性に配慮した親自然水辺空間づくり
〇逆川の起点のまちとして住民の愛着を呼び起こす象徴的な水辺の創出
●ビオトープ(生態系的特性)
・2つの緑の軸をつなぐ東西ネットワーク
 東の見沼田圃と西の荒川河川敷が緑の骨格を形成しており、2つの大きな緑の南北軸となっている。計画地は、周辺地域のまとまった緑とともに、2つの緑の軸をつなぐ東西ネットワークが形成するため、緑の拠点として重要である。
・緑地分布
 計画地周辺は、住宅と工場、農地、樹林地の混在する市街地である。まとまった緑は少ないが、点在する農地や樹林地の核として、地域に特徴的な屋敷林や雑木林などの樹種構成からなるまとまった緑地を、計画地内に形成することは、都市内生態系の充実に大きく貢献する。
【計画の方針】
〇緑の東西ネットワークの拠点となる緑地の創出
〇屋敷林や武蔵野の雑木林、畑など、地域に特徴的な緑の再生
●クリマトープ(気象的特性)
・気温
 太平洋気候で、夏は高温多湿、冬は北西の季節風が強い、乾燥した晴天が続く。また、内陸性の気候が著しく、気温日較差が大きいことが特徴的である。
・季節風
 風向は、夏季日中は南、夜間は東北東、その他の季節は北西の風が卓越風となっている。
【計画の方針】
〇夏の高温(ヒートアイランド)対策のための緑陰や風の道の形成
〇冬の強い北西風を遮る防風林の形成

日進工専地区街づくり協議会・UR都市機構埼玉地域支社、『日進東地区まちづくりガイドライン』、12頁、2006

3.まとめ(2024/4/4時点)

 実は、筆者は、うねうね公園の中に入ったことがほとんどありません。入口付近に立ち入ったことはありますが、しっかりと中に入ったことがなく、今回、うねうね公園についていろいろと調べたりしていく中で、こんなにも色々な都市計画の視点が入った想いのこもったスポットであることを初めて知ることができました。
 緑道があって、宮原と日進をつなぐ、言われてみればそういう位置か、とは思いましたが、その地理的条件をしっかり都市計画の中で生かしていこうと考えられた形跡が資料の中に残っていて、一気に、「うねうね公園」に対する愛着が上がりましたし、このような都市計画の中で想いや配慮が入った公園なんだということを、読みやすい形で広めていきたいとも思いました。また、これからさらにうねうね公園が皆さんに愛される場所になるように、みんなで育てていくきっかけづくりをしていきたいなと思いました。
 UNEUNE防災フェスタも、そのきっかけになりそうですね!!
 よかったら、こちらの記事、シェア・拡散よろしくお願いいたします。またもっと詳しい方がいましたら、コメント欄に書き込みして頂けたら幸いです!

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