🟣冒険ロマン『紫卵』第四章　アメジストを目指して④

第四章 アメジストを目指して④

「やだ…電気上げ過ぎてたかな…」

ん？それはどういう意味だ？
光、自分のスタンガンを弄る。

「おかしいな…そんなに上げてもないけど…」

それはつまり、俺が言った事が結構いいセン行ってたから、つまりスタンガンの電力が強くて俺がおかしくなった…って言いたい訳？正しい事言った俺がおかしい？えっ？でもじゃあ平常の俺はどうなのよ？えっ？平常の俺がおかしいのに電気ショック与えたら正しくなって、あれ？おかしいなって事？おいおいおい…いいや、無視無視。

『おーい、お前ら！どうすんだよー！だりーな、もう切るぞ』

「ちょっとちょっとちょっと！待ってよ！それはこっちのセリフ！受けるの？受けないの？返事待ってんだから！切りたいのはこっち！それで…クダクダやってるとこれがまた奇行起こすんだから…ハァ…もうウザったい、マジで。受けるの受けないの？」

イライラして熱くなる光ちゃん。つーか、そのビリビリ…かっぱらっちまおっかなぁ…うざったいのはお前の持ってるそのビリビリなんだよ…くそっ…

『受ける？受けない？それは何だ？俺はなぁ…』

「ブツクサブツクサと！トボケないでよ！また時間が流れるじゃない！受ける！受けない！この二択！さっさと答えてよ！」

おっと…光ちゃんバチバチ！

『ハッハッハッ…そうかい、ネーちゃん。判った…判ったよ…』

おっ？
電話持った光と目が合う。

「おーい！小田！それって引き受けてくれるって事かー？」

呼び掛けてみる。

『うわ？あ、テツ？』

「おーい！マジか？受けてくれんのかー？」

『うわ？ああ、いいよ』

ヤッター‼︎

思わず光と手を叩いた。

「そう？嫌だ、あなたノリがいいじゃない！喋りはブツクサブツクサかったるい癖に！」

『うわ？へへへ、そうか？』

「おーい！小田ー！じゃあやってくれるんだなー！」

『うわ？ああ、いいよ』

「そっかー！ありがとなー！じゃあ早く会おうぜ！今どこにいるんだよ！おい！電話貸せよ！」

ビリビリッ！と、そうはいかねーぞ、光！腕を掴んでやった！

「おい！光！てめえいい加減にしろよ！さっきからバチバチバチバチと！それなー、スンゲーいてーんだぞ！」

クンロクかまして電話をもぎ取ってやった！光、スンゲー目ん玉してやがんの！ザマーミロ！

「おい！小田！どこにいるんだよ？」

『あん？何かヨチヨチやってんなー、おめーら。何だ？二人だけでやった方がいーんじゃねーか？うーん、でもまあいっか。えっと俺はなぁ、もう少ししたら船に乗るからよう』

「船？」

あれ？また光と同時に目が合う。えっ？どういう事？って。

『んあ？それはそのつまりあれだ、ムショから出所してよう、まあ誤認だったがな、あくまで。んで仕事みっけたんだよ、船の。船員だよ船員』

「あん？じゃあもうすぐ日本を出るのか？」

『いんや、すぐじゃねー』

…これはもしかして…好都合なんじゃねぇか？

「おい、光。これってよう」

そう思って光に聞いてみた。

「うん。いいじゃん」

おっと！光のウィンク！ドキッ！と来るーっ！ここまで極美の美人にウィンクされたのなんて、お、俺、う、生まれて初めてでーす！楽しいな、おい。