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13.スラングとまではいかない言葉(その1:相手の呼び方も色々と)

ネイティブの人たちとの会話、と言うか彼ら同志の会話の中で、音としては聴き取れるものの最初は意味が良く分からなかった言葉がいくつかあります。
 
まあ、スラングとまでは言わなくても、親しい間柄だけで使われる言葉なのでしょうが、一番最初に気になったのが当時の勤め先のUS支社長(初対面当時はSenior Vice President:上級副社長だったと思います)のMikeさんと副社長のKimさんが、年齢も近い様でとても仲が良く、お互いを” Dude”と呼んでいることでした。
 
“Hey Dude, what are you talking ?”
(お前、何言ってんの?)
とか
“Come on ! Dude.”
(頼むよ、おい)
とか、New Yorker同志がちょっとラフな感じで呼び合っているのですが、それはこのお二方の間だけの事なのでした。
 
そこで一回り年下の、自称JVP(Junior Vice President:もちろんこんな役職は有りません。万年Managerである身をハカなみ、自虐的な呼称をギャグとしてボクに送るメールやFaxにだけ使っていました)のRandyさんに、
“Why you don’t call Mike-san as “Dude” ?”
(なぜMikeさんに”Dude”って言わないの?)
と尋ねたら、驚いた感じでこっちを見てブルンブルン首を振ってました。

いくら陽気なNew Yorkerでも、流石に上司に向かって「おい」とか「おまえ」呼ばわりはできないのでした。
 
英語は日本語に比べて一人称や二人称の呼び方は少なめですが(英語は基本的に性別にかかわらず”I”か”You”ですからねぇ。日本語だと「あなた(あんた)」「君」「お前」「そちら(様)」「おたく」「きさま」とか。あ、でもよく考えてみたら、男性に対する言い方の方が多いですねぇ。)男性の場合、相手の呼び方は多少バリエーションがあるみたいですね。
 
その頃日本からUS支社に出向していた先輩がいました。
その先輩は一時期ボストンの音楽学校に留学していたジャズギターの達人で、その方面の嗜好が強いことを、日本人なのにと感心されつつも時々からかわれておりました。


ある時、皆で雑談をしていた時にその先輩が
“I don’t say “men”, right ?”
(ボクは「メン」って言わないよね?)
 
黒人のミュージシャン言葉で、相手のことを“Men”と呼びます。
例えば挨拶なども、
”Yo, men, how (are) you doing ?”
(やあ、調子はどうだい?)
とかいう表現になる由。
友達の間だと“are”も端折りますよね。
まあ、文法的にはおかしくても「ノリ」で言ってるんだと思います。
 
有名なところではBeatlesの”Ticket to ride“(涙の乗車券)に出てくる歌詞の
“She don’t care”
中学の英語の試験では✖になっちゃいますが、これもネイティブの人に訊いてみたら「メロディーに歌詞をのせるため」ということなのでした。

その先輩の発言をRandyさんがつかまえて、
“I don’t say “men”, M-eee-n !”
と返したので、一同爆笑になったことがありました。
ホントはその先輩が”Men”って言ってるのは聴いたことが無かったんですけどね。


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