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8.Clever smoke(賢くなる煙)

これはUS支社のKimさん御一行を初めて浅草に連れて行った時の話です。
まだ英語のトレーニングを始めた頃でTOEICでもせいぜい600点台程度のころだったと思います。
 
彼らが週末をはさんで滞在していたため、どこかに観光に行こうということになり、浅草へ。
 
一同喜んでついてきて、雷門から仲見世を通って浅草寺に着いて、さあ、お参りしようと言うところで、香炉のところで周囲と同じように煙をかけようとしたら、その行為自体が奇妙に思えたのか、少し離れたところからこっちを見てるだけなのです。
 
まあ、今から思えばそこはスル―しても良かったのですが、
”Hey guys, follow me.”
(さあ、同じようにしなさいよ)
と言っても、訝しそうにこちらを見て
“What is the smoke ?”
(それは何の煙?)
なんて訊いてくるのです。

まさかそんなことを訊かれるとは思ってなかったので、確か悪いところを直してくれんだよなぁ、程度の感じで、
“Well…. This smoke fixes you where you have a problem.“
(えぇと。この煙は体の具合の悪いところを治してくれるんです。)
と言ったら、
 
“You are getting the smoke on your head. Does it make you clever ?
(頭からかけてるってことは、頭が良くなるってこと?)”
とか言いつつこちらをニヤニヤしながら見ているので、この辺りでからかわれていることに気が付かなければいけなかったんですが、誰も煙をかけようとしないので、何言ってんだこいつ、と少々ムカついて、
 
”Come on Guys ! Don’t hesitate.“
(さあ、早く!躊躇しないで)と催促したら、尚も
 
”Does the smoke really make me clever ?”
(ホントにそんなんで賢くなれるのかい?)
と更に聞いてくるので、こちらも何回同じことを言わせんだよ、と、ちょっとカチンときて、
”Yes ! I told you !“😡
(そう言いましたけど!)
と言ったら、
 
”Hmm… Clever smoke…. Well…How many times have you been here ?“
(ふーむ、賢くなる煙ねぇ…。んで、君は何回ここに来たことがあるんだい?)
“…Many times…“
 
おツムには効果がないことを確認した上で、まあ、結局は皆で笑いながらお互いの頭から煙をかけあったんですけどね。

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