美しいもの

どうして、綺麗なものほどすぐに無くなるの?すぐに無くなるように感じるの?どうしてそんなに遠いの?綺麗で儚くて美しいあなたは、僕が近づけば近づくほど残酷で、みたく無いような黒く暗いものがみえてくる。もっと近づきたいけど、近づくとすぐあなたの美しさが鮮明にはっきりと、これまで以上に見えそうで、でもそれと同じくらい暗い世界も一緒にあなたは持っているから、僕の知っている感情が壊れていきそうで、剥がれていきそうで怖い。同じものみて、同じ食べ物を食べて、同じベッドで寝ても、同じ歩幅で、歩調を合わせて歩いても、君は僕よりずっと先にいて、走って近づこうとすると君の心の中のそのものがはっきりと、見える。でもそれが何なのかは分からないから怖くて知りたくなくて、近づくのをやめる。でも、ある日、彼女と同じものを見たくて、追いつこうと必死に走って、近づくと、美しい真っ白な肌に右目から一筋のそのものが溢れていた。どうしたの、と聞いても彼女は微笑みいつものようにまた、僕から遠ざかっていく。僕は彼女の事を知りたくなり、それと同時に離れていきたかった。彼女が壊れたら僕も壊れてしまいそうで、彼女がいなくなったら僕だけが楽をする事を選ぶようなきがして、そのものが溢れるのを見せたくなくて、みたくなくて、もう溢れさせたくなくて、彼女と一緒に別のところへ行く事を決めた。

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