読書メモ: 構造が成果を創る

どんな本??

キーエンス出身の著者が、付加価値を軸に大切なセールスとプロダクト企画、開発と一気通貫での企業の構造をどう作っていくかについて論じた本。
「構造が挙動を作り、挙動が成果をつくる」という考え方は、非常にしっくりきた。別記事に記載したバフェットにも通ずる考え方であると感じる。
昨今のSaaSのような低金利での調達が前提となっているビジネスとは対極をいく考え方であると感じ、今の市況かでのアンチテーゼとして読むべき本であると感じた。

なぜ構造が大事か??

  • 構造が挙動を生み出し、挙動が成果を生み出す

  • 臨機応変がダメだというわけではない、臨機応変な対応で生まれた好例を分析しパターン化し、再現性を高めていく動きが何より大事

根本となるストラクチャリング思考について

  • ファクト思考:人間の解釈とかを極力拝す。多くの人が、、、(具体的に何割?)印象で話してしまうと当人の解釈が多分に含まれてしまい、仮説構築の役に立たない

  • 構造化思考:まずは課題を分解した上で、世の中にあるまとめ方などを参考にグルーピングする。その上で、課題が線形なフローになっているのか、それとも何がしの循環構造になっているのか?など構造的に全体を捉えられるように考える

  • パズル思考;構造に対しての先入観を廃止、入れ替えて見た時や削除した時にどうなるのか?を柔軟に考える癖をつける(インサイドボックスの主張と似ている)

顧客が感じる価値 or 自社が提供する付加価値とは

  • 価値とは、下記の3つに大別される

    1. 同じ付加価値をより早く or/and よりやすく受けることができる、

    2. 将来起こりうるリスクを軽減できる、

    3. 自社が提供できるサービスの価値が上がる

  • 個人に当てはめると①同じレベルの感情がより早くよりやすく感じることができる、②辛い感情を味わうリスクを低減できる、③より高次の感情を味わうことができる

  • その価値を提供するための自社のコストを差し引いた部分が付加価値と言える
    (極論、水を仕入れてそのままの価格で売れば、顧客には一定の価値はあるが、付加価値はゼロ)

  • 顧客のニーズより上の部分はそれはサービスではなく単なる無駄であることを理解する。後述するがそのためにも顧客のニーズは完全に理解しなくてはいけない

  • その上で自分 and 顧客が明確に理解できている「付加価値」だけでなく、「より深い付加価値」をコンサルティングセールスを通して掘り起こしたり、世界初・業界初の機能開発により「相手がまだ気づいていなかった付加価値の創出」を自社として目指していくのが付加価値を最大化する経営といえる

価値構築経営

  • ニーズ探索 => 商品企画 => 商品開発 => 商品展開 => 価値実現

ニーズ探索

  • ニーズ探索には3軸に分けて考える。「顧客が知ってる / 知らない」、「自社が知ってる / 知らない」、「機能・特徴 / 利点・感情」

  • 顧客が知ってる / 自社が知ってる => 開放領域
    顧客が知らない / 自社が知ってる => 盲点領域
    顧客が知ってる / 自社が知らない => 秘密領域
    顧客が知らない / 自社が知らない => 未知領域

  • まずは自社が相手のことをよく知ることで、秘密領域と未知領域を減らす努力をする

  • その後、信頼関係がある程度築けていること前提で、相手の秘密領域の解像度を上げ、最終的には相手の成長にも寄与することで未知領域を極力減らしていくという感覚が重要

コンサルティングセールス

  • オープニング(今日の場の確認)=> プロービング(ニーズの徹底した理解) => サポーティング(ニーズを叶える方法の提示) => クロージング(ネクストステップの確認)

  • プロービングとは??:ニーズが完全に理解している状況を目指す。
    一つ一つのニーズが具体的にわかっているのか?その背景となるロジックも理解できているか?
    ニーズの全体像と優先順位がわかっているか
    その上で、顧客と自分とが全く同じニーズに対する絵を描けていると実感できるか

  • 導入にあたりとりあえずのニーズは? => 具体的には?? => なぜそんなに重要なのか?? => ニーズを産んだ顧客の状況は具体的に何か?

価値創出

  • 特徴・機能=> 利点・感動 => 価値(ニーズが充足される)=>価格という流れ。自社の商品を企画するときには特徴・機能から始まることもあればニーズから始まり両側登っていくこともある。

  • この流れが淀みなく流れているかが大事。特徴・機能から考え始めると価値の部分が自分たちに都合よく変わってしまうことが想定される

価値実現:

  • 特徴は自社目線、利点は相手目線。自社目線でのセールスには必ず「だから何?」に答えれるようになっていなくてはいけない

  • その上で、「その価値が本当に手に入るのか?」を明確に伝えることができるデモンストレーションの方法を考える

  • そこから、他社ではなくなぜうちか??を答える
    「自社しかニーズに気づけてない」、「自社しかそのキーとなる特徴自体や特徴 => 価値を提供できない」、「複数の特徴 =>利点が重なっていて、それを全て持ってるのが自社だけ」

価値展開

  • 一回あたりの注目額を上げる:
    販管費との兼ね合いだが、無料・割安のサービスや値引き等で1回あたりの注文額を増やすと粗利は低くなっても全体として見た時の利益額は増える。もしくはコンサルティングセールスをしっかりと鍛える

  • 取引の頻度(期間を長くする or 一定期間での回数を増やす)を増やす:
    サブスクなどビジネスモデルの変化もあるが、売り先を考えてみるのも重要。例えば都度あいみつや販管費が必要な工場への直接営業ではなく、装置メーカーの標準品にくみれてもらえないかと考える

  • 新規顧客を増やす(ここに注力するのは一番優先順位は低い):

自分はこう思った

一つ一つのことは極めて当たり前のことが書いてあるが、それを企業全体のPDCAの輪の中に組み込み徹底することが重要であると感じる。
Amazonも究極は最初にベゾスのかいたサイクルをただひたすらにチューンナップしているだけとも言える。凡事徹底の大切さと、「付加価値」(やROI)など、シンプルで分かりやすい全社を一貫する思想がある会社は強いと思った次第

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