アンダーアーマーの「厚底シューズ」で走り続けられるよろこびを
2020年、ランニングシューズ業界は“厚底”が話題を独占しています。社会人や学生の大きな大会で、トップランナーがこぞってナイキ社製の厚底シューズを着用し、好タイムを連発したからです。他社も負けまいと、昨年あたりから厚底の新しいモデルを発表しています。
そんなタイミングで私たちアンダーアーマーも、2月7日に厚底シューズ「HOVR MACHINA(ホバーマキナ)」をローンチしました。14日には日本限定モデルの「HOVR MACHINA TOKYO(ホバーマキナ東京)」が発売されました。ナイキ社の二番煎じどころか、三番煎じ、四番煎じじゃないかと思われるかもしれません。しかし、私たちは近年の厚底ブームとはまったく関係なく、長い月日をかけて、ある信念をもってこのシューズを開発してきました。アンダーアーマーがなぜ厚底を取り入れたのか。今回は、その背景をご紹介しようと思います
ランナーの悩みを解決するために
1996年、私たちの歴史は一枚のシャツから始まりました。アパレルを中心に商品展開する中で、2006年に初のシューズとしてアメリカンフットボールのスパイクを発売。2009年にランニングシューズ市場に参入すると、その2年後に大きな転機が訪れました。通称「マイクロG」。ミッドソールのこの新たなテクノロジーにより、ソールは従来のものよりも薄く、軽くすることに成功し、低重心のため安定感に優れ、同時に反発性に優れるシューズを展開することが可能となりました。
シューズにおける新たなミッドソールのテクノロジーを開発したのです。マイクロGは従来のソールよりも薄くて軽量。低重心で安定感があり、反発性にも優れるものでした。2014年には衝撃の強さに応じてソールの反発力が変化する「チャージドクッショニング」と呼ばれる第2のテクノロジーの開発に成功します。それ以降、この二つのテクノロジーを搭載した多種多様なシューズを世に送り出してきました。
しかし、当時、
『TO MAKE ALL ATHLETES BETTER-アスリートを進化させる』
というブランドミッションを掲げていたアンダーアーマー です。それで満足するわけにはいきません。そして、私たちがランニングシューズの研究・開発を続ける中で、避けては通れない一つの課題がありました。
多くのアスリートが、足の痛みと戦いながら走っている
スポーツに怪我はつきものです。しかし、できれば誰だって怪我なく走り続けたい。少し痛いところがあったとしても、足への負担を軽減して、楽に走りたい。
安全に、長く速く。走り続けられるよろこびを感じてほしい。
これが、私たちがランニングシューズを開発する上での大きなテーマとなりました。
「安全に、長く速く」。この課題を解決するためには、「マイクロG」「チャージドクッショニング」に続く、第3のミッドソールの開発が不可欠でした。まず足を衝撃から守ってくれる、今まで以上に柔らかいクッショニングが必要となります。一方で、より速く走るためには、地面を蹴った時に前への推進力を生み出す、強い反発性が求められます。足を守るクッションと、速さを生み出す反発性。相反する二つの要素を両立させることが、新たなミッドソールの開発を進める上での課題となりました。
私たちは原点に立ち返り、多くのアスリートの声を集めることから始めました。そして、米国のオレゴン州ポートランドにあるアンダーアーマーの研究開発拠点「イノベーションラボ」においては、バイオメカニクスのチームがアスリートの走行時の身体のメカニズムを徹底的に分析しました。例えば、男性と女性では足の特徴や走り方にも差異があります。これらもシューズの設計に反映させました。そして、3年以上の歳月をかけて完成させたのが「HOVR(ホバー)クッショニング」です。2018年、私たちは初めてHOVRを搭載したシューズ「ホバーファントム」を発売しました。
ランニングの常識を変えるクッション
HOVRクッショニングとは、いったいどのようなテクノロジーなのかご説明します。その前に、クリアすべき課題をもう一度おさらいします。柔らかいクッションでは足を守れるが、速く走れない。反発性が高いクッションではスピードが出るが、硬くて履き心地が悪く、足を痛めやすい。この相反する二つの要素を両立することが求められていました。
HOVRは重力にインスピレーションを受けています。ランニングをする際、着地した瞬間、片足には体重の2 ~4倍の負荷がかかっているというデータがあります。私たちは地面に着地する際に生じるこの衝撃をうまく吸収して、前に進むエネルギーへ変換できないかと考えました。
HOVRの開発にあたっては、素材科学ソリューション・プロバイダーであるダウ・ケミカル社とパートナーシップを結びました。そして、足を守るために柔らかく、かつ高反発で耐久性も高いミッドソールのベースを開発しました。次に、このソールから大きなエナジーリターンを得るために、着地の衝撃を逃さずにソールに“包み込む”ことを目指しました。
ここではアンダーアーマーが創業以来培ってきた、アパレルのテクノロジーが生かされました。
使ったのは、“エナジーウェブ”と呼ぶ伸びにくいメッシュ素材です。この伸びにくいメッシュ素材でベースを包み込むことにより、生地が元の形に戻ろうとする力を利用してエネルギーを横に逃さず、前へと進む力に返還することに成功したのです。こうして、足を守る柔らかさがありながら、スピードを出すための反発力も兼ね備える、HOVRクッショニングが誕生しました。
現在発売中の最新モデル、
「HOVR MACHINA(ホバーマキナ)」
「HOVR MACHINA TOKYO(ホバーマキナ東京)」
は、これまでアンダーアーマーがランニングシューズ開発で培ってきたすべてのテクノロジーを凝縮しています。「柔らかく快適なのに、スピードも上がる」という走行感覚を実現しました。
ぜひ、アンダーアーマーの安全なシューズを履いて、「走り続けられるよろこび」を感じてください!