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心をも 掴む 早ワザ ~今、七人の侍を観る~②

邦画「七人の侍」('54)を観た、お話の続きです。

これは戦国末期の寒村を舞台に、盗賊野武士に苦しむ村人が7人の「浪人侍」をスカウトして、村を守り抜く物語です。

その中で、村人の誘い乗った侍たちが、ようやく村へ入るシーンが印象的でした。

スカウト役の村人と一緒に村へ向かいます

到着した彼らを誰ひとり歓迎に出迎えるわけでもなく、村は息をひそめています。
どうやら村人たちは外敵から守る役目を侍に期待する一方で、
「乱暴狼藉を働くのでは?愛娘を手籠めにされるのでは?」
など、内に害をなす存在として警戒しているようでした。

おいおい、こんなはずでは

残念ながら侍を受け入れる村人の想いは一枚岩でなかったのですね。

無理もないです、野武士どもに散々いたぶられ続けた暮らしを強いられていたのですから、村人には侍に対する信用なんか無いのです。

こんな様子では村の防衛どころではありません。侍の一行は途方にくれます。

この状況にしびれを切らせた一人の侍、三船敏郎演じる「菊千代」が一計を案じます。
広場にかけられた板木をとっさにガンガン打ち鳴らして、野武士襲来を告げるフェイク警報を流したのです。

ホントは農民出自でニセ侍の菊千代、粗野で豪快
前半はコメディリリーフのようだが
中盤から侍と村人のバッファーとして、さらに終盤は突撃隊長に

フェイクとは知らない村人たちは鳴り響く板木にあわてふためき、「助けてくれぇ」と、たまらず侍たちのもとへ押し寄せることで、村の防衛に向けて、ようやく両者の対話が始まるのでした。

現在に生きるわたしたちも自然災害や経済危機、様々な制度変更など、企業経営を揺るがす突発的なリスクがつきまとっています。
私たち中小企業診断士は商工業者のリスク回避を支援する使命がありますが、行政による支援のお知らせが皆さんに早く伝わり、正しく理解されなければ意味がありません。

菊千代のやり方は少し乱暴でしたけど、出自は農民、武士を志す野心に満ちた彼ならではの、瞬時に相手の心をも掴む天才的な早業でした。

どうすれば相手の気持ちを汲んで
早く、わかりやすく伝えることができるのか?

わたしも常に考えていきたいと思います。
本当にムズカシイですけど・・・。

この話は次回に続きます。

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