見出し画像

月曜日だからこそ始めて欲しいこと。

前回の記事で、肉食、特に牛肉が環境問題の大きな一因であることを紹介した。相州牛推進協議会によると、今でこそ牛丼が大好きな日本人も、戦国時代から江戸時代においては牛肉を食べることは禁忌とされていたらしい。そう考えると、食生活や食習慣は外部からの影響ですぐに変わってしまうものなのかもしれない。


しかし、すぐに肉食をやめろなんて言われても、無理な話だろう。私だって好きな食べ物をもう食べるな、なんて言われたくない。そこで、紹介したいのが「Meatless Monday (aka Meat Free Monday)」という2003年にジョンホプキンス大学公衆衛生大学院で始まったなかなかの伝統のある活動である。


内容は、文字通り「月曜だけお肉を食べるのやめよう!」という単純明快なものだ。実はこれ、私の高校でも導入されていた。月曜日には、食堂に”Meatless Monday Today!”とポスターが掲げられ、いつもより少しだけ菜食メニュー(と言っても、ただの野菜炒めや野菜カレー、メキシカンサラダと言ったよく見るメニューだが)が増える。実際どれほどの生徒がこの呼びかけに応じていたかは、残念ながらわからないままだが、これは世界規模(40カ国、20の地域)で普及している動きだから、弱々しい動きではなかっただろう。Paul McCartneyも精力的に活動を普及させているそうだ。

画像1


月曜だけ肉食べないで何が変わる?と思っているそこのあなた。
ジョンホプキンス大学の研究(2019年)によると、
調査した1,010人中、Meatless Mondayをすでに知っていた38%の人がMeatless Mondayを1年間実践した場合に、削減できる食事関連の温室効果ガスの量は、
160万台の車を道路からなくす場合と、また270万トンのゴミを埋め立てずにリサイクルする場合の量に匹敵する
これは、日本人より遥かに肉を摂取する米国人のカロリーベースの計算上の数値だが、お肉を一日食べないだけでこんなにも変わるのだ。

画像2

これは、上記の報告書にあるグラフだが、ある一部の人がずっと菜食でいるより、多くの人々が週に1日でも菜食になる方が温室効果ガスを削減するには効果的なのだ!

なるほど、肉を食べないとこんなにも変わるのか。
ところで何を代わりに食べればいいの?

幸運にも日本には、多くの代替食品があることをお忘れだろうか?例えば多様な大豆食品である。
厚揚げに木綿豆腐、高野豆腐、納豆などなど。大豆ミートやら人工肉などもあるが、実際大規模スーパーでなければ置いていないことが多いし、上記の食材と比べると多少値が張る。
筑前煮に、スンドゥブ、ソムタム、ダルカレー、アラビアータ。よくよく考えてみると世界は肉無しの献立にあふれている。

さらに、料理が好きな人は、ベジタリアン料理研究家の方など(個人的に最近ハマっているのがダンテさん)のレシピを調べて、ヴィーガンタコライス、麻婆豆腐、ハンバーグなんてものも作ってみたら楽しいだろう。(かぼちゃでたまごサンドを見事に再現していたのは本当に驚いた。)

週に1日だけのMeatless。慣れたらもう少し増やしてみる。そうやって食卓から地球の将来に貢献してみるのもなかなか良い気分だ。こんなにも手軽で語呂が良くて今時感が溢れている言葉を日本でも流行らせたいなぁ。
聞けば、明治時代では「牛肉を食べることが文明開化の象徴だ」とも言われていたらしい。一方で、New York Timesのコラムには、2020年は「地球に優しい食生活がトレンドになり、より多くのレストランやファストフード店でベジタリアンメニューが増えるだろう」という予測がある。かつて日本に牛肉を紹介した米国では、牛肉をやめる動きが盛んになっているのだ。

さあ、これを読んであなたはどう動きますか?私はとりあえず明日、肉無しの肉じゃが(笑)でも作ろうと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?