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いつも忘れたいと思っている記憶の中のあなたに
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2017年9月の記事一覧

髪のひとすじ 血の一滴 あなただけ

髪のひとすじ 血の一滴 あなただけ

物に恨みはないとずっと思っていた。というより自分にそう言い聞かせていた。情に流されず、どんな時でも私情を絡めない判断ができる人間でありたいと強く願っていた。もう二度と会いたくない人からもらった物も、必要であれば使い、必要なければすぐに捨てられた。物はただの物だからだ。

しかし、つい先日、あんなに嫌っていた私情と欲まみれの自分と対面することになった。実家の片付けをしていたら、二階の物置に、大学に上

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