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【超能力捜査】霊視で解決・アメリカ実子誘拐事件


アメリカ・ニュージャージー州。

一人の取り乱した女性から緊急コールが入る。デビー・キーズという女性で、子供達が突然いなくなったと言う。

デビーは元夫と親権争いが終わったばかり。その日は彼女が家に来て、3人の子供達の親権を取るはずだった。しかし家の中は空っぽ。元夫と3人の子供達もいなくなっていた。キャリーは8歳、クリスティンが7歳、ジェイソンは4歳である。

デビーが言う。

「私達の絵も、子どもたちの服も、その他全てが完全になくなっていました。心配で我を忘れました。彼がそんなことをするなんて信じられなかった。」

裁判所命令には、子供達は母親に親権があることが明確に記載されていた。警察が学校に行って尋ねると、子供達は2〜3日間学校に来ていないことが分かる。目撃者がいないまま数日が過ぎ、元夫が子供達をさらに遠くへ連れていった可能性も高まってくる。

デビーが言う。

「とても動揺しました。彼が子供達をどこに連れていったのか考えようとしましたが、思いつきません。」

子供達を見つけられないまま、数日が数週間になる。デビーの弁護士は警察と密に連携し、元夫のバディ・キーズに対して強力な訴訟を起こすことに全力を注いでいた。

当時、ニュージャージー州法では自分の子供を誘拐した罪で有罪にはならなかった。が、裁判所に不服従罪を申請することはできる。これは巧妙な計画ではあるが大きな障害が残る。まずは元夫を見つけなければいけない。

デニス・シプリアーノ弁護士は言う。

「それが唯一の問題でした。彼はニュージャージー州にいなかったので、私達も何をすればいいのか全く分かりませんでした。浮き沈みが多すぎて私達はこの事件と24時間365日間共に暮らしているようでした。目撃情報は全くなく、私達がやれることは何もありませんでした。」

何もないまま苦しい5ヶ月が過ぎる。デビーは必死に答えを求めていた。

デビーが当時の状況を語る。

「私はチラシを作りました。子供達3人の写真と元夫の描写、私の電話番号を載せたものです。そして地元のラジオ局でナンシーのことを聞きました。彼女は何度も行方不明の子供達を探し当てていて、『ああ、もしかしたら彼女が助けてくれるかもしれない』と思いました。これまでサイキックに頼ったことはありませんが、私は絶望的で子供達を探すためなら何でもするつもりでした。」

超能力者のナンシー・ウェバーが言う。

「警察と一緒に何年も仕事をしていますが、描写が自白や証拠につながる場合があることに気づきました。デビーから話を聞いた時、私は強く彼女に共感しました。私自身、とてもドラマチックな人生経験をしているからです。」

二人は会うことにする。デビーが子供達の写真を見せると、ナンシーはしばらく歩いて、何が見えるか確認する。

ナンシーが言う。

「写真を見ていると、この人との繋がりができたと分かる瞬間があります。それが声のトーンを彩り、私がコンタクトを取れていることを教えてくれます。父親を見ると非常に暴力的な性質を感じますが、それが子供達に向けられたものだとは感じませんでした。」

デビーは持ってきた写真だけで、ナンシーが元夫がどんな人だったか分かることが信じられなかった。

子供達の居場所を知るために、ナンシーは地図を見る。

「地図を見ると、磁石のように体が西に下に引っ張られるのを感じます。そう、 ユーレス・テキサス。」

ナンシーはテキサス州ダラス郊外にある小さな町を特定する。

デビーが言う。

「彼女は私に子供達にまた会えるという希望をくれました。それが私が生きる全てでした。」

このケースの担当となったルー・マスターボーン刑事が言う。

「デビーからサイキックに連絡したことを聞いた時、私の最初の反応は、『気が狂ったんですか?馬鹿げている』というものでした。」

しかし彼はサイキックの予見をチェックすることに同意する。

マスターボーン刑事が言う。

「テキサスの教育委員会に電話をして確認しました。すると子供達が在籍していると言います。素晴らしい。完全にショックを受けました。彼女が居場所を知っているなんて信じられない。ついに転機が訪れました。教育委員会が住所を教えてくれたので、すぐにテキサスの警察に電話をしてその住所に行くように頼みました。」

テキサスの警察は警官二人をアパートに送り、男を逮捕した。その夜、バディ・キーズを逮捕したという劇的なニュースが弁護士事務所に届く。

シプリアーノ弁護士が『3人の子供達はどうですか?』と聞くと、子供達はいなかったと言う。

シプリアーノ弁護士が言う。

「遂に目的を達成したと最初はただ喜んでいましたが、子供達がいなかった事を聞かされて怖くなりました。」

テキサスの警察が母親は黒人か白人かと聞く。そこではじめて誤認逮捕だったことに気づく。同姓同名だったのだ。逮捕した男は黒人だった。

シプリアーノ弁護士が言う。

「全く同じ名前の異なる人種の二人の男が同じアパートにいたなんてことがあり得るのか・・。全く驚きました。」

マスターボーン刑事はその住所が正しいと確信していたので、彼らにアパートに戻るように要求する。住所は正しかった。元夫と子供達は確かにそこにいた。しかし姿を消した後だった。

警察の努力にもかかわらず、バディ・キーズは一歩先を進んでいた。

シプリアーノ弁護士がその時の気持ちを表現する。

「極度の高揚状態から突き落とされた気分でした。彼らがそこにいたのは知っていたのに捕まえられなかった。」

マスターボーン刑事も同じだ。

「信じられませんでした。悔しかった。私達には何もなかった・・。」

捜査は振り出しに戻る。

デビーは言う。

「テキサスの後は何も情報がありませんでした。少なくともその後10ヶ月間は。どこにいるのか見当もつきませんでした。」

警察も途方に暮れる。マスターボーン刑事はナンシーのところに戻って何か提供してくれるか知りたいと思っていた。彼はナンシーに電話をし、最後に目撃されたテキサスのアパートに行けば少しでも役に立つかと聞く。

そして空室となったアパートへナンシーを連れて行き、そこからリセットを試みる。子供達の所持品も渡した。

ナンシーが言う。

「ここでまだ彼らの存在を感じることができます。私の体は西に引っ張られているように感じました。海の匂いがします。波の音が聞こえる。海からそう遠くはない。カリフォルニア・・。サンシティの夕日が見える。家が見える。静かな住宅地。道路標識がある。砂利が見える。ラモーナ、カリフォルニア。イースト・ストリート。」

マスターボーン刑事が当時のことを語る。

「彼女が来てくれたのはテキサスです。そこから急にカリフォルニアのラモーナに行かなければいけなくなった。それが私の直感でした。私は飛行機に乗ってカリフォルニアのサンディエゴに飛び、現地の保安官に会いました。番地も番号もありませんでした。持っていたのはラモーナのイーストストリートという情報だけ。イーストストリートで一軒一軒聞き込みをしました。」

そして一人の男性に子供達3人の写真を見せたところ、知っていると言う。隣人だった。

これには警察も驚く。今回はバディ・キースの住んでいる正確な通り名さえ特定していたのだから。

しかし彼らは引っ越してしまったと言う。

マスターボーン刑事が『冗談だろ?今回俺達はどれくらい遅かったのか?』と聞くと、2、3日前に出ていったと言う。彼はハワイに引っ越すことを自慢していた。

マスターボーン刑事が当時の心境を語る。

「冗談はやめてほしい。私は完全に動揺していました。彼らがここにいることを望んでカリフォルニアまで来たんです。しかしここで終わりだった。また一からやり直さなければいけませんでした。」

しかしバディ・キースは荷物が届いた時のために隣人に新住所を残していた。今回は間に合うのだろうか。

破壊的な日々を送っていたデビーが言う。

「ここ数ヶ月間、かなりのストレスレベルでした。何千回も諦めようと思いました。元夫は上手だったようです。ひどい。私が決して見つけることのできない場所に子供達を連れて行くなんて。でもそんな時はナンシーに電話をしたら気分を良くしてくれるはず。」

傷心の母親デビーはナンシーに電話をかけ、「これはいつ終わるのですか?」と聞いた。

電話の向こうのナンシーは言う。

「デビー、今回は本当に強い予感がしています。前とは違う。ちょっと見て、見たことを話しましょう。何かが起こった。血が見える。それは小さな女の子・・。」

ナンシーのビジョンには血が見えた。

デビーが言う。

「子供達のことを思うと怖くなりました。どっちの娘か分からないし、誰の血かも分からなかった。」

ナンシーは続ける。

「犬に噛まれたのを見たので、帰ってくる時は数針縫った跡がある。帰ってくるのが見えるわよ、ハニー。これは本物。あなたの子供達3人全員がこのアーチの中を歩いているのが見える。あの3人の子供達が出てくるわよ。再会が見える。」

デビーが言う。

「ハワイに着いたら子供達が待ってると言われました。私はとても嬉しくて本当に大喜びでした。待てなかった。」

全米を駆け巡り神経をすり減らすような追跡の後、ついに警察はバディ・キースと子供達を見つける。警察官が家に行くと、彼はたまたま3人の子供達と一緒にいた。彼は抵抗しなかった。3人の子供達は保護される。デビーの試練は遂に終わった。

デビーがこの時の状況を語る。

「素晴らしい気持ちでした。ナンシーが言った通りです。午後4時でした。アーチ道の下で子供達が出てきました。クリスティンの唇には犬に噛まれた跡の小さな赤い傷がありました。子供達に会えて本当に嬉しかった。13ヶ月も会ってなかったんです。興奮しました。」

マスターボーン刑事は言う。

「ナンシーがいなかったら子供達を取り戻せなかったでしょう。彼女がこのパズル全体のキーでした。彼女の洞察力、彼女の協力・・彼女なしでは私達は成し遂げることができなかった。」

デビーが言う。

「ナンシーと連携できてとても嬉しかったです。彼女は私に希望と勇気を与えてくれました。彼女が言ったことは全て真実となりました。素晴らしい。」

ナンシーは最後に言った。

「人生の危機が私達全員の間に絆をもたらしたのは本当に驚くべきことです。そして彼女の内面を壊すものは何もないと思います。」


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