ラファエル前派は少女漫画

Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の「英国の夢 ラファエル前派展」に行ってきました。

正直、ラファエル前派という言葉も最近まで知らず、作家名もロセッティくらいしか知らなかったのですが、ボッティチェリ展に行ったら、何となく同じ系列にありそうなこちらの展覧会にも急に興味が湧いてきて、会期終了も近かったので、隙間時間を見つけて行くことに。

いやぁ、行ってよかったです。産業革命で一気に栄えたリバプール国立美術館に所蔵されている作品群で、当時の繁栄ぶりが伺えます。芸術にお金をつぎ込んだあたりが、メディチ家の庇護の下で花開いたボッティチェリと共通しますね。教会とか王族、貴族がパトロンじゃないから、宗教画や肖像画はなく、神話や物語、風景画が多いです。ボッティチェリは宗教画(聖母子が多いですが)も描いてますけども。

時代としては印象派と重なる頃、19世紀半ばから20世紀にかけて花開いた流派なんですが、グラムロックがイギリスから生まれたのがよくわかるような華やかで退廃的で妖しい雰囲気の絵が多いです。遠近法は用いられず、変態的なまでに写実的で背景にはやたら花が咲いてるところが少女漫画的。ポーの一族を思わせるようなタッチです。ボッティチェリを見たときも少女漫画はかなり影響受けてるのでは、と思ったのだけど、さらに色濃くなってるような気がしますね。日本の浮世絵とも共通する狂気を感じます。同じ島国だからなんですかね。http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/15_raffaello/works.html#pic4

Bunkamuraはそれほど大きくないけれど、選出する作品群が充実していて比較的混雑なく見られて当たりが多いです。以前もフェルメールの作品をこちらでかなりゆっくり見ることができました。なんであんなに空いてたんだろう?この後は国芳・国貞の特集を開催するようなので、こちらも楽しみです。http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/16_kuniyoshi/

これで今月は展覧会は6本目。それでもまだまだ行きたいものがありすぎる。週末が足りないー。

おまけ

JR渋谷駅の山手線階段下で見つけた広報さん。ちょっとイタズラな顔してました。


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