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そろそろアーカイブ販売期間終了も近いのでミュージカル薄桜鬼「真改土方歳三篇」キャスト別&全体の感想など

またしても雨の月曜だった。今日で5週連続月曜が雨だったらしい。
気のせいじゃなかった。

さて。薄ミュのアーカイブ配信の販売期間が5/24(金)までとのこと。
少しでも買うのを迷ってる人の背中を押す一助になればと
まだ書くんかいって感じですが、キャスト別感想なんかも
残しておこうかなと。

ほとんど読み返さずに書きなぐった感想は↓

カーテンコールの登場順に書いていきます。

アンサンブルの皆さん

毎回薄ミュのアンサンブルさんは羅刹になったり隊士になったり
新政府軍の兵士になったりととにかく忙しい。
ウィッグの付け替えがここまで頻繁にある作品もそうないのでは。
その上で今回はセットチェンジも目まぐるしかったので
かなり神経を使ったのではないでしょうか。
大千秋楽のカテコで久保田さんが彼らに感謝の言葉を改めて
述べられてましたが、本当にお疲れ様でした。
そしてこの方について一言触れたい!!
坂本和基さん!
これまでシルエットだけの登場だった伊東甲子太郎がセリフを伴って
登場!!!
ビジュアルも声も完璧でした。うぉおお、坂本くんが伊東さん!!
こんなにもぴったりとは…!と嬉しくなってしまいました。
これからもずっと出てほしい。

不知火匡(末野卓磨さん)

私は不知火が好きです。(シンプル)
佇まいもセリフの言い方も身のこなしも最高です。
あの髪型と衣装を違和感なく着こなせるスタイルも完璧。
これまでになく腕回りが逞しくなってたような気がします。
身体づくりもかなり気を使われたのでは。
今回の不知火は風間や天霧たちと少し距離を取ってるところを見せつつ
最後は左之さん新八にリスペクトを払うところがさりげなくて
よかったです。今までに比べて戦うシーンが少なくなったのは
「当たらぬ当たらぬ」って散々言われてしまったから?なんてね。

天霧九寿 (横山真史さん)

薄ミュ随一の大人、天霧さん。
上の感想の中でも書いたのですが、土方から何のために戦うのか
という理由を聞き出す大事な役割を担ってる人。
何だろう、天霧にはなんか話せちゃう雰囲気がある。
横さんの大きな身体と低音ボイスが安心感を与えるのか。
それでいてめっちゃ強いっていうね。
もう横さんの天霧以外は想像つかないくらい横さん=天霧
みたいになってる。ずっと続けてほしいキャストの一人です。

雪村綱道 (川本裕之さん)

綱堂さんももはや川本さん以外考えられない。
○○篇によって綱堂さんの立ち位置は少しずつ変わるんだけど
今回の綱堂さんは雪村家再興をただ願い
千鶴とは血の繋がりはなくても父として千鶴を思ってる父様だった。

近藤勇 (井俣太良さん)

ミスター薄ミュと言ってもいいんじゃないでしょうか。
2作目からずっと出続けているもはや行ける伝説。
(1作目は近藤さんが登場しない)
シリーズものの作品にキャス変はつきものだけど
近藤さんのキャス変だけは受け入れられない。
今回は土方篇だけあって近藤さんは今まで以上に特別な存在になっていたと思います。
真改になってからはずっと久保田さんが土方を演じてることもあり
井俣さんと久保田さんの間にも近藤さん土方さんのような
関係性が築かれてるようで、ことあるごとに井俣さんも
「僕の大好きなくぼひでくんが…」などとおっしゃっているので
それがそのまま舞台上にも表れてたと思います。
今回の近藤さんは弱さと見せるというか、副長の土方が自分を超えたことが
わかったからこそ降りることを決意できた晴れやかな諦観みたいなものが
感じられ、土方にとっては残酷な決断なんだけど、そのことも理解した上で
近藤さんの意志を尊重する関係性がよかったな。
そして近藤さんの最期は明るいものであってほしいという気持ちが
あの曲調だったんだろうと思ってる。

大鳥圭介 (飯山裕太さん)

めっちゃよかったですねー大鳥さん。
穏やかな口調に近藤さんの日替わりボケに対する時間差ツッコミもよかった。
出てくるだけで温かな空気を作れる人ってそんなにいないと思います。
今回は千鶴とのやり取りだけで土方さんと会話するところがなかったのが
残念でしたが、いつか土方さんとのシーンも見てみたいです。
お茶だしたりおにぎり出したりしても違和感ないのも彼のふんわりした
雰囲気のなせる技なのかも。
カテコでは大鳥さんの次に登場するのが山崎さんなのですが
東京公演の途中で山崎役の田口さんが負傷されて、田口さんが舞台上に登場しないまま進行した公演があり、
山崎役の田口さんは現れないのですが、ちゃんと舞台袖の方を見て
呼び込む仕草をしてくれたのがとてもよかったです。

山南敬助( 丸山龍星さん)

圧倒的存在感だった輝馬さんからバトンを渡されたというだけで
相当なプレッシャーがあったと思いますし
見る方も輝馬さん以外の山南さんを想像するのが難しかったと思います。
いざ幕が開いたら全くそんな雰囲気は感じさせず
公演最初の頃は多少輝馬さんを意識したのかなって言う部分も
感じられたのですが、回を追うごとに丸山くんの色が出てきて
貴重面で真面目で頑固な山南像が出来上がってきたと思います。
それでいて歌はとても情熱的なところもよかった。
大千秋楽で隊士たちがこっそり花びらを集めて
久保田さんが振り返ったときにライスシャワーのごとく
みんなで撒いたときに久保田さんが土方から久保田さんの顔に戻って
最高の笑顔を見せてくれた時に号泣ししてたと平助役の樋口裕太くんから
聞いたときになんていい子なんでしょうと思いました。

山崎烝 (田口司さん、千枝義人さん)

本当に大変でしたね。
東京公演の2日目のマチネの途中で負傷してしまった田口くん。
それ以降は声のみの出演で3日目以降はアンダースタディとして
参加していた千枝義人さんが舞台上で山崎として動き
舞台裏で田口さんがセリフを言うという二人三脚体制。
私はちょうど途中で田口さんが見えなくなった公演から見ていて
山崎の最期は声のみで姿の見えない山崎に向かって言葉をかける
土方と千鶴の演技に泣かされたのですが、
いなくても存在が見える座組の強さと翌日からなんの違和感もなく
舞台上に溶け込んだ千枝さんの姿にチームワークの良さを感じました。
座組の絆を感じさせてくれたお二人の熱演でした。
大千秋楽で「めちゃくちゃ悔しかった」と正直な気持ちを打ち明けてくれた
田口さんも素敵でした。久保田さんもおっしゃってたように
「待ってる」ね。

原田左之助(川上将大さん)

川上さんも真改から参加組ですが、槍使いもどんどんうまくなるし
かっこよさと優しさと強さと面白さを兼ね備えまさに左之さん。
今回私が好きだったのは山南さんが羅刹になってしまったことを
隊士たちが話してるところを立ち聞きして土方さんに怒鳴られた千鶴に
「入んな」って部屋に入るように促すところ。この言い方が優しくて
千鶴にとって兄みたいな存在な左之さんらしくてとてもよかった。
こういうの見ると原田篇も見てみたいねぇって思えてきますね。

藤堂平助 (樋口裕太さん)

隊士としては近藤さんを除けば一番薄ミュ歴が長くなった樋口くん。
今の薄ミュを支えてる一人だと思います。
志譚土方篇から参加されてるので薄ミュの過渡期の変化を
身体で感じているのでは。
その樋口くんが真改土方篇の熱量はヤバいと言っていて。
とくに山南篇から土方篇にかけての熱量がすごかったと。
そしてくぼひでさんが土方そのもので土方なのかくぼひでさんなのか
わからなくなるくらいだと。
マジでかっこよかったと何度も言ってましたね。
そんな樋口くんも平助なのか樋口くんなのかわからないくらい
もう平助のまんまだと思います。
彼の「千鶴っ」って声のかけ方が毎回大好きで
あの声を聞くと笑顔になってしまう。いつでも千鶴の味方であろうとする
優しい平助でした。
仙台城でのシーンで最後に土方に向かって「見て・るぜ」と歌うところ
あそこはもう散ったあとのイメージだったそう。
あぁだから土方も千鶴も空を見てるんだって思いました。

永倉新八 (小池亮介さん)

彼も真改組の一人。
最初のころに比べると滑舌や歌が格段によくなって。
相馬篇のときはとにかく頑張れって気持ちでみてたけど
今では堂々たるもの。
宴では真ん中で楽しそうにはしゃぎ
新選組を抜ける決断をしても志は曲げないまっすぐさも
人柄そのままなのかなぁと思わせてくれる。
今回は永倉新八さんの人となりもいろいろ調べて臨んだそうだけど
今までに比べて戦う場面はギュッと凝縮されて
多くは語らないけど短い言葉ひとつひとつに土方さんや近藤さんへの
想いが滲み出ていて新八さんてこういう人だったのかもね
って思わせてくれました。

沖田総司 (北村健人さん)

今回多くの方が彼に心を掴まれたのでは。
それくらい今までと全然違ってました。
特に劇中での変化が一番大きかった気がします。
特に池田屋では元気いっぱい、躍動感と疾走感にあふれた走りを見せて
試衛館時代の回想シーンではさらにやんちゃっぷりを発揮。
だからこそどんどん病に冒されて弱っていく姿が切ないし
そんな自分にいら立つ姿が痛々しい。
今回「へへへへ」って笑うところが多いのも
土方さんに対しては常にいたずらっ子っぽい態度を取っているのが
総司だからなのかな。
「あの人のことは全然好きじゃないしはっきり言ってどうなってもいいけど」
の言い方に泣かされた。どうなってもいいなんて全然思ってないのに。

斎藤一 (大海将一郎さん)

おみちゃんは好きです。ギャップ王子。
それはさておき。
今回私は会津での斎藤さんの歌に泣かされました。
自分が指揮を執るという土方を制して自分を倒してから行け
といい、あなたこそが新選組の道標と言う。
そして会津公への御恩のためにここに残るという武士魂。
かっこよすぎる。
函館に向かう土方を隊士たちが呼び込むところ
ボロボロになった斎藤が出てくるんだけど
公演が進むごとにいつも冷静な斎藤が見せたこともないような
熱さを見せてくれてとてもよかった。

公演中も何度もつぶやいたのですがウィッグの出来が
薄ミュ史上いちばんよかったと思うのですが
斎藤さんの毛の流れが大変美しかった。
特に羅刹のときの銀髪がとても似合ってました。

風間千景 (佐々木喜英さん)

もうねーーー素晴らしかった!!!
今まで見たことない風間!
首に青筋たてて「貴様は絶対に許さんぞ!!」と激高するところが
至高すぎました。
あんな声出せるんですね。
久保田さんももっと風間を怒らせてやれってどんどん煽ったと
言ってましたが土方vs風間の戦いは場面ごとに変化していって
禁門の変ではまだ軽くあしらう感じ、屯所襲撃ではちょっと本気出し
鳥羽伏見で本気で殺しに行き、一度はトドメを刺したけど
羅刹になって復活したら、押し負けて一太刀食らわされ
そこからはお互い型も何もない力と力のぶつかり合い。
宇都宮城では童子切安綱まで持ち出して嬲り殺しにいくけど
途中で寸止め。
そして何もかも捨てて蝦夷まで追いかける。
土方のことが好きすぎる風間が最高でした。
土方篇って千鶴との恋愛もあるけど、
風間との関係も大きな軸になってるからそこに向けて
どうやって散るのかという見せ場の作り方も素晴らしかった。
もう一度土方と風間の本気のぶつかり合いが見たいので
やっぱり風間篇やるしかないでしょーって思ってます。

雪村千鶴 (竹野留里さん)

真改土方篇の千鶴は彼女しかいない。
納得感のありすぎる千鶴でした。
民謡の歌い手独特のこぶしの使い方、声の強さ。
武家の女房は務まらねえぞって最後に言うけど
土方さんは多摩の豪農の生まれでもあるから
大地に根をはるような逞しさを感じさせる女性が似合うと
思うんですよね。
そんな大らかさを感じさせる千鶴でした。
だからぎゃんぎゃんやりあって土方さんに一歩も引かないし
とにかく土方さんが参ったな…て言うしかない強さと明るさが
魅力的でした。

土方歳三 (久保田秀敏さん)

所謂推しです。一応。
だからこそめっちゃ不安でした。始まるまでは。
土方篇が発表されてから気合が入りまくってるのが
伝わってきたし、それがこわいって思ってました。
空回りしなきゃいいんだけどって。杞憂でした。
舞台上での佇まいが演じてるというより生きてるという言葉が
ぴったりで。
私はこの方のお顔が大好きで、毎回顔の美しさにほれぼれしているのですが
今回は顔の美しさを生かした上で泥臭くみっともなく色っぽく。
言葉を尽くすのももったいないような。
ただただ土方歳三そのままだったなぁと。

私はこの方の体幹がしっかりした
腰を低く落として身体全体を使った
可動域の広い美しく力強い殺陣が大好きなのですが
今回はあえて乱暴に見せてるというか、ボロボロになっていく過程で
型とか関係ない喧嘩殺法的な泥臭い殺陣になっていって
函館での土方無双の場面ではセットが全部捌けて広い舞台全体を使って
向かってくる敵を何度も倒れながらも斬ったり蹴ったりする姿が
美しい鬼そのもので素晴らしかった。

口調はべらんめえ調なんだけど歌声は優しく甘く
吸血シーンの「ねだるのがうまくなったじゃねえか」のセリフは
過去にたくさんねだられてきたんだろうことを思わせる大人土方じゃないと
言えない言葉で真改土方とはこういう男かって思いました。
大千秋楽の4度目のカテコで二人で登場して挨拶して捌けるとき
千鶴を抱きしめるところが自然すぎてそういうとこよねーって思った。
「何代目になっても俺の中の千鶴は留里だけだよ」とも言ってたっけ。
ほんとにーー

脚本・演出・作詞:毛利亘宏さん

西田さん演出との一番の違いはテンポかなぁ。
無駄に引っ張らないというか。西田さんだともう何割か殺陣が多かったり
歌が多かったりと見せ場をたくさん作りたがるというか。
毛利さんはそこをぐっとこらえてというか
決めるところはバシっと決めるけど
余韻を残さずパッと切り替わるドライさがあって、私は心地よかった。

あと今回の千鶴は私は今まで見た中で一番好きかも。
これは毛利さんのこだわりなのかもしれないけど
ちゃんと千鶴が真ん中にいてずっと土方さんと向き合ってた。
それがすっごくよかったな。
このひたむきな千鶴だから土方さんは惚れたんだなって思わせてくれた。
ちゃんと恋愛してたところがよかった。

今回の土方さん、多分毛利さんの土方像もかなり投影されてるのかな
と思ってて。
西田さんの土方と全然違うと思った。
近藤さん斬首のところで土方さんが近藤さんを思いながら歌うのが
これまでの真改なんだけど、投降した近藤さんが生きてることを信じて
いや無理なのはわかってるけど考えないようにしているというべきか
ずっと前しか見てない。全てを背負った背中をずっと千鶴が見続けていて
千鶴とこれから生きていくことになったあと色んな弱みを見せるんだろうなって感じ。人としては不器用で無骨で千鶴ちゃんに怒られて
ダメダメなところがたくさんあってやせ我慢の人だと思う。
それまではずっと張りつめてて全部抱え込んだ土方で通すんだろうなと。
そのやせ我慢ぶりがすごくよかったなって思った。
だからこそ最後千鶴にほだされるところにぐっとくる。

毛利さんの薄ミュはしんどい時こそ明るくするんだって感じのポジティブさがあって西田さんは滅びの美学みたいなのと対照的だなぁって思った
カラッとしてるんだよね
熱いんだけどウェットではない感じ
かっこよくないんですよね。そこがいいんです。

今回の土方篇、千鶴とのCPも最高なんだが土方vs風間として見ても
素晴らしくって土方√ってやっぱり薄桜鬼の基本なんだなぁと。
土方と風間の出会いを真改だけで見ると
相馬篇:屯所襲撃
斉藤篇:二条城(将軍警護)
山南篇:二条城(将軍警護)
なので土方篇じゃないと鬼と副長が出会う場面作るの難しい。
ってなると鬼の立ち位置も変わるんだよね。
土方篇では禁門の変で鬼と千鶴と土方が一緒に出会う。
ここが大きいんだなと。土方はまず千鶴を通してではなく、
隊士を切り殺された敵として風間を認識し
誇りとはなんだという問いに千鶴が答えるところで風間は千鶴を認識する。
で、鳥羽伏見で顔に傷をつけられたことで誇りが折れ、函館まで追ってきて最後は認めて果てていく。
薄桜鬼の基本となる物語がここで完結するんだなぁ。
真改から入った人、そしてゲームをプレイしていない人にとってはそこがわからないんじゃないかな。

そしてこれは想像だけど、薄ミュの観客層にゲームプレイしてない人の割合が結構増えてきたのでは?と思ってて
2.5次元ミュージカル観劇人口が増えて、ゲーム入口じゃない人が一定数出てきたからで、薄桜鬼は乙女ゲームだよってことを伝えるために
またこの先も薄ミュという舞台を続けるための一歩として
毛利さんに脚本演出を戻して基本の物語となる土方篇やったのかなと。
西田さん脚本・演出を経てスケールが大きくなったうえで
新生王道薄ミュが生まれた。
そんな舞台だった気がします。

薄ミュの今後がさらに楽しみになりました。











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