遺伝(4)-トポイソメラーゼⅡ-

新しいニューキノロン薬が出て、1年がたったくらいだろうか。

最近、そちらの勉強をしたので、ちょうど遺伝に関連のある内容がでてきたこともあるので、調べてみたいと思う。

DNAジャイレースは、2本鎖DNAを同時に切断・再結合することによりDNAの高次(立体)構造を変化させ、DNAの複製・転写・組み換え・修復などに重要な役割を果たしている。

この酵素はgyrA遺伝子産物であるサブユニットA(GyrA)2分子とgyrB遺伝子産物であるサブユニットB(GyrB)2分子からなるホロ酵素で、サブユニットAはDNA鎖の切断・再結合作用、サブユニットBはATPase活性をもちエネルギー変換を担っている。

ちなみに、ホロ酵素とは、アポ酵素に補因子が結合して酵素活性を持ったもののこと。

アポ酵素はそれ自体では酵素としての活性を持たない酵素のこと。

補因子(補酵素)にはATPなどがあり、今回はサブユニットBがATPase活性を持つので、ATPが補因子となっている。

さて

Ⅱ型トポイソメラーゼという二本鎖DNAの一時的な切断及び再結合によってDNAのトポロジーを変換する酵素がある。

大腸菌においてはDNAジャイレースとトポイソメラーゼⅣの2種類のⅡ型トポイソメラーゼが知られている

トポイソメラーゼⅣはParCとParEという2つのサブユニットからなっている。

参考:キノロン系薬の作用機序と耐性機構研究の歴史 平井敬二 日本化学療法学会雑誌 2005;53(6):349-356

参考:大腸菌Ⅱ型DNAトポイソメラーゼに関する研究:DNAジャイレースのts性変異株及びトポイソメラーゼⅣの薬剤耐性変異株の解析 熊谷由美 東京大学 学位論文 報告番号111420

ヒトの場合は、トポイソメラーゼⅠなので注意してください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?