ゆみこ

札幌⇄東京

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最近の記事

すぐばれる、セコい自己保身の嘘をつく人間には職業柄ごまんと遭遇してきたが、一世一代のおおぼらを吹いて巨額の金額を集めたり、巨大組織をあざむき虚偽の取引を成立させる―といったニュースを見ると、昔からぞくぞくする。趣味の良くない性分なのは自覚している。 近年だと、第一生命の生保レディ(発覚当時89歳)が顧客の保険金19億円を不正に集めた事件や、積水ハウス地面師詐欺事件が挙げられる。後者については森功「地面師」(講談社文庫)が詳しい。主犯格の名前の独特さもあいまって、心をとらえて

    • サンデーナイトでぃぷれっしょん

      目黒川のほとりは、もうすぐ桜が咲きそうだ。 もう少ししたらドヤドヤと人が集まるんだろうが、私は5月の豊平川のほとりで一斉に緑が芽吹いてその中に混じってぽつりぽつりと咲いている桜も好きだ。 先週は理不尽オブザイヤーな仕事上のトラブルに見舞われた。今週、下げたくもない頭を下げることになりそうで、それが嫌で嫌でこんな時間まで起きている。 20代のころ、アイヌの友人が「最強のお守りだから」と言って「イケマ」という乾燥させた木の根っこををくれた。肌身離さず持っていたつもりが2年前

      • ポニーテール絶滅説

        土曜の昼過ぎ、本屋にでも行くかと身支度をしている時に、久しぶりにポニーテールにするかと思い立った。 東京にきて暑さにやられショートカットにするも、今度はショート&ボブのメンテのめんどくささにやられた。 良い感じに髪が伸びてきたので、キュッと高い位置で結んだ。健康的でいいな!セーラージュピター感。 自画自賛するも「そういやポニーテールの女の子を最近見ないな」と鏡に映った自分を見て思ったのである。 街に出て検証だ。 某山手線駅の駅ビル周辺を、本屋中心に2時間ほどぶらつく

        • 宮越屋珈琲霞ヶ関店

          毎週のように食事に行っていた同業他社のMさんが、本社のある九州に戻ってしまった。 さみしい。 仕事の情報交換のみならず、地方から見た東京について、業界の未来、政治、経済、お笑い。とにかくいろんな話をした。自分の仕事に、誇りや愛着を持ち直すことができた。 日比谷公会堂の前を通りがかった時に「ここがテロルの決算の現場か!」、芳賀書店の前を通りがかった時に「ここがビニ本の聖地か!」と騒いでいるさまを見守ってくれたり、23時過ぎの増上寺の撮影に付き合ってくれたりした。 情緒不安

          いつものお姉さん

          札幌で有名なサンドイッチ屋が、勤め先の近くにある。先日札幌に出張した折、訪ねた。 その店は、観光客と、近隣で働く人たちでいつも賑わっている。昼時に行くといつもカウンターに通されたが、その日は15時半過ぎで空いていたためか、奥の2人がけテーブル席に通された。 食前のコーヒーが運ばれてきたタイミングで、カウンターの中にいた調理担当の男性が「お久しぶりですね!」と手を振りながら目の前まで来てくれた。 傍で、三つ編みメガネの女子スタッフが「いつものお姉さん来てるよ〜って話してた

          いつものお姉さん

          ヒロスエール

          広末涼子が不倫で謝罪。 ランチ時、渋谷のレストランで水茄子やラディッシュがてんこ盛りになった野菜サラダを頬張りながらニュースを読んだ。 実にバカバカしい。 謝るべきは自分と相手の家族だけでいい。 誰だあんな謝罪文を広末に書かせたやつは。 文春にリークされた広末の手紙の内容だって気が触れているとしか思えないが、だいたい恋をしたらキモくなるんだよ。 キモいね しゃあないね と峯田も「骨」で歌っているだろう。 「報道の真偽は把握できていないが、『本麒麟』の商品価値を伝えら

          ヒロスエール

          日比谷の薫風

          東京に来てから、パークライフという吉田修一の小説を再読しよう何度も思いつつ、まだできていない。 朧げな記憶だが、日比谷公園付近を縦に切ってみたら断面が云々かんぬんという表現があって、その箇所を選考委員に激賞されていたような…。 私の職場は日比谷近辺にある。緑が多くて皇居が近いのでビルが他のエリアに比べて密集しておらず、空が開けている。 東京には何度も来たけれど、日比谷や丸の内エリアには縁がなかった。着任初日、東京にこんな場所があるのかと感嘆した。 「日比谷公園ん中、歩

          日比谷の薫風

          お茶の水の邂逅

          われながら不思議な体質になってしまったと思うのだが、毎年秋に髪の毛が抜けて薄毛になって、春先になるとふさふさ生えてくる。犬みたいだ。今は鎖骨ほどの長さで、ふさふさつやつやだ。暑さに負けず、伸ばしたい。 こうなってしまったのは激務だった2017年から。当初は育毛剤のレビューなどを記した「薄毛放浪記」(すでに同名のブログをつけている男性がいた)とか、毛が抜けていく心情を綴った「毛(もう)いやだ!」とかいうタイトルのブログでも書こうかと思ったが結局辞めた。書かないで正解だった。

          お茶の水の邂逅

          地震ののちの朝焼け

          少し強い地震があった11日早朝。なかなか寝付けずにいる間に、窓の外がじわりと明るくなってきていたのでカーテンを開けてみると、朝焼けがきれいだった。 この窓からはよく飛行機が見える。ベッドに寝転がっていても見える。水色と黄色のAIRDOの機体が見えると、日によっては北海道に帰りたいと思うこともある。 わざわざベランダに出て東京で初めての朝日を眺める。ビルとかマンションの間から見えて窮屈そうだ。そう考えると、札幌のマンションからは、朝日や夕日はどんな風に見えていたっけ?藻岩山

          地震ののちの朝焼け

          女湯

          面白みがなくて、まじめくさくて、学生のころはさっぱり胸に響かなかった石垣りんの詩が、三十路半ばを過ぎて、すっとしみこむように体に入ってくるようになった。 最近中公文庫から出たエッセイ集「朝のあかり」を買って読んでみたところ、とても良かった。 女が正社員として働き続けるのは令和の世になっても大変だ。 読み進めながら、彼女が働いていた丸の内でお茶してみたかったな、というか今からタイムスリップして話を聞いてほしいなと感じた。 帰省したおり、実家に石垣りんの詩集があったことを

          阿佐ヶ谷の愉楽

          土曜の19:30から阿佐ヶ谷で高校の同級生と夕飯を食べることになった。なかなか阿佐ヶ谷に行く機会がないので、せっかくだからお風呂に入ることにした。駅から500メートル先に、「玉の湯」という銭湯があることが分かった。サウナもある。行くしかない。 到着し番台で、サウナ(+300円)も…と言いかけると、ごめんなさ〜い、女性のサウナはコロナでやってないんです、狭いし…とのことだった。ガックリした。 でも、とても良いお風呂だった。暑いお風呂に強めのジェットでほぐされ、電気風呂の表記

          阿佐ヶ谷の愉楽

          100年後に残したい写真

          2123年3月に「100年前、WBCで日本が優勝したんだ。ふぅん」と、当時のニュースを調べている人に見つかってほしい。 紙面では、拍手して歓喜する手前のおじさんと、その手で股間が隠れている青年は載っておらず、カットされていた。こんなに素晴らしい写真なのに勿体無い。 こういう気取らない市井の人々の表情を見られるのも、新聞の良さなのかもなと思った。 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/819482

          100年後に残したい写真

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          五反田の坂道にて

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