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02_ 肌着からI LOVE NEW YORKまでTシャツの歴史 / 230706メールマガジン

※この記事は「久米繊維と国産Tシャツ週間 -久米繊維のTシャツはカレーライスである-」うなぎの寝床旧寺崎邸開催 2023年 7/7(金)-7/17(月) に付随した特集記事で、メールマガジンでリリースした内容をアーカイブしています。メールマガジンの新規登録はこちら


アメリカ海軍の海兵のTシャツ姿

実はヨーロッパが発祥

下着からはじまったTシャツの歴史

Tシャツといえばアメリカのイメージを持たれる方も多いかもしれないが、発祥は19世紀のヨーロッパと言われている。正確には資料がないため詳細は不明だが、アメリカにおいてTシャツが一般市場に登場したのは1920年代の半ば以降と言われている。今の感覚ではTシャツは動きやすくて家でも外出着としても着ることができる万能着として考えるが、昔はそうではなかった。欧米では50年代くらいまで外で肌を露出することがマナー違反であるという認識もあったようだ。19世紀の後半は鉱山などの労働者が着用され、1913年には米軍が下着として採用している。

ミリタリーのTシャツがロゴプリント元祖だ!

ロゴプリントTの元祖はミリタリーT

陸軍のチーム結束を高めるためのシンボル

アンダーウェアとしてのTシャツは無地が多かったが、1940年代はじめにチームロゴを施したTシャツが誕生。それが米陸軍のTシャツだった。チームロゴというのは所属する基地の名前やインシグニア(記章、勲章、職務などのしるし)である。アメリカは人種の坩堝とも言われているほど多様な人種が集まる国家。陸軍の中で同志の証としてチームロゴがあったのだろう。ロゴプリントTシャツの元祖はこの米陸軍にある。

昔のフットボールの集合写真

ナンバリングTシャツの不思議

実は洗濯の回収率を上げるための作戦だった!

カレッジTシャツの先駆けであるチャンピョンは1920年代にカレッジTシャツを納入していて、30年代にはナンバープリントを開始していたようだ。当時はカレッジ側がTシャツを管理し、貸し出していたが、学生から返却されない事が多くなったため、ナンバーをプリントするようにチャンピョンに依頼したことがきっかけだったようだ。このナンバープリントの効果は絶大で、回収率が格段にアップしたと言われている。もう一つの事実としては、アメリカンフットボールがスポーツ界で初めて背番号を義務付けたことも影響しているようだ。この2つの要因が同時代に起こってナンバリングTシャツは普及した。

マーロン・ブランドの影響が大きかったようだ

Tシャツがインナーから

ファッションに変わったきっかけ

今でこそアウターとして着られるようになったTシャツだが、元々は前に述べた通りアンダーウェアとしての位置付けであった。Tシャツを1枚で着用することは労働者階級のすることであり、富裕層の人間からは差別されていた時代でもある。その名残が今のドレスコードとなる。ファッションとしてTシャツを着るきっかけとなったのは、1951年公開の「欲望という名の列車」で主演を務めたマーロン・ブランドである。彼はニューオリンズで働く、粗野で乱暴なワーカーを演じていた。その格好がアンダーウェアとして着られているタイトなTシャツにジーンズを合わせるという反体制的なスタイルであり、1950年代に若者の心を掴み、Tシャツとジーンズを着るユースカルチャーを加速させた。1960年代に入り、Tシャツのプリント技術は上がり、徐々に市民権を得ていく。また1960年代後半には西海岸で起こったフラワームーブメントが起こる。社会に反発した若者たちが産んだビートニクカルチャーが発端となったもので、彼らの思想に傾倒するものたちは、Tシャツとジーンズという反体制的な姿勢を表現するスタイルで自由を求め旅に出る。このカルチャーを発端にしたロックからバンドTが生まれる。

ボーダーTシャツからバンドTシャツまであれこれ

技術と共に幅も広がっていく

Tシャツあれこれ

1920-30年代にかけてスイムウェアとしてアメリカで大流行したボーダーTシャツ。無地のTシャツへの抵抗感からヒットしたんではないかと言われている。ボーダーTシャツは1960年代にかけて進化していく。Tシャツに使われる天竺編みは効率の悪かった吊り編み機から生産性の高いシンカーと呼ばれる丸編み機に変わる。それまで生産技術の問題でプリントが多かったボーダー柄は、編みで表現することができるようになる。更にジャガード機が台頭しボーダーのバリエーションが豊富になっていく。またキャラクターTやメッセージ性を強く掲げた風刺Tシャツ、お土産物のTシャツなど、多様性がどんどん広がっていく。

KATA-Tは型でいろんな生地感を体感

うなぎの寝床での取り扱いTシャツ
KATA-T
高島ちぢみTもどうぞ

うなぎの寝床では、KATA-Tという概念でTシャツをつくっている。Tシャツを型として捉えて、いろんな質感を着比べてもらおうというものである。糸番手が30番のもの「30サンマル」は、生地が薄い夏用、16番手のもの「16イチロク」は厚手のTシャツ、DF(ダブルフェイス)はふわっとした二重の生地、「フライス」は肌着用としての編みの技術で滑らかで着心地がよい、1616「イチロクイチロク」は極圧のTシャツ。「高島ちぢみ」はクレープ生地のサラサラ涼しい織のTシャツ。とてもマニアックなシリーズで、追加生産していないものもあるが、ぜひ試してみてほしい。

企画名:久米繊維と国産Tシャツ週間
-久米繊維のTシャツはカレーライスである-
場所:うなぎの寝床 福岡八女 旧寺崎邸
期間:2023年 7/7(金)-7/17(月)
お休み:火曜・水曜
営業時間:11:00-17:00
住所:〒834-0031 福岡県八女市本町327
電話:0943-24-8021

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