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異文化交流カフェ店主になろう!“コーヒートーク”感想

様々な幻想人種、つまりエルフや人狼やサキュバスという人々が「普通に」存在する世界で飲み物を提供するゲーム“コーヒートーク”を遊びました。
本作に興味があってどんな作品か知りたい人向けにさっくりとした紹介や、後半ではネタバレ有りのぷちっと感想も書こうと思います。


どんなゲームなの?

基本的にはお客さんとの会話を楽しむ、店主として飲み物を選んで提供する、その一連の流れをゆっくり楽しむゲームです。
色々な種族のお客さんが、それぞれの問題を抱えています。
主人公(店主)ができるのは飲み物を提供すること、お客さんとお話をすること。
そっと触れ合う「他人同士」の関係が持つ温かみが描かれていて、まさにカフェであったか~いドリンクを飲んだ時のようなどこかボ~っとしながらも安心の気持ちになれる作品です。
シナリオやキャラクターもよかったですが、画の色合いや触った時のSEのなんともいえないしっくり感など、全体の雰囲気がとっても良いゲームだと思いました。
特に飲み物を作るときのSEと絵が癒し効果があって好きです。

これは暗黒下手くそラテアート選手権


本作のストーリーでは、異種族のカップルが「考え方の違い」で揉めたり、親子喧嘩があったり、種族特有の生態によって問題が起きたりします。
どんなにファンタジーな人種が溢れていても、私たち現代人が共感できるありふれた問題が語られ……「私たちと変わらない部分を持つ人なんだ~」ということをカウンター越しに肌で感じるのは中々面白い体験です。

私はフィクションの効能の一つに「現実の問題を食べやすくする効果」があると思っています。
架空の人種の問題として書かれるからこそ素直に受け止められるというか……。
現実は……特に人間関係は……いつでも厳しく、ままならなく、うまくいかない。
それを知っているからこそ登場人物たちの生きる世界の「現実の問題」が解決に向かう様を見たい。
「世界を救う」とか「敵を倒す」で得るものと違う感触をゆっくり味わえる、そんな素敵が詰まった作品でした。

陽が落ちたまったりタイムに、いかがでしょうか?コーヒートーク。


おいしそうなメニューがいっぱい。



ここからネタバレありの感想コーナー

キャラクターのちょこっとさっくり感想です。

はじまりの三人衆

フレイヤについて

本作のメインキャラクター、ある意味ヒロイン?
ビジュアルからいかにも快活そうで、自由と映画が好きそうな子だな~と思ったのですが なんと小説家志望だった!
本があまり売れなかったエンディングと、売れたエンディングがあるけど、どっちにしろ人生をきちんと乗りこなしていけそうな子だなーと思いました。なんというかすご~く自然体ですよね。
いつまでもお店に来て欲しいけど、エスプレッソの飲み過ぎには気を付けるんだゾ!

ルアとベイリースについて

むっちゃ目の前で喧嘩するやん……!ってハラハラした…笑
エルフっていうのがこの世界だと貴族みたいなもんなんでしょうかね?エルフの名門ってなんだってばよ……。
エルフの掟を守っている限りは不死?長寿?を持てる……特権階級?的な?
でもハイドさんもガラさんも長寿みたいだしな。
この2人の問題って読んだときどう感じましたか?
私は家族を捨てるのはなぁ……難しくても話し合いしないと……という風に最初は思いました。でも、その後ハイドさんに「すべてを手に入れることは出来ない」って言われてるシーンで「ム、ムム!」ってなっちゃったわね。
つまり、決断すること…は正しさや自分以外の要素や常識や不確定な「未来」も飲み込んで、しなきゃいけないこと……。少なくとも彼女たちにとっては。でも…って堂々巡りしちゃう気持ちすごくわかるな~。
最後に折り合いがついたりつかなかったりすることもあると思うけど、二人で進んでいけるみたいで安心した。


ハイドさんとガラさんについて

チーム・アダルティって感じ

最初ハイドさん女の人??って思ってたけど男の人……ってことで良いんですかね?良いんですよね?違ったらどうしよう…笑
まずこの二人は明確にメッチャ長生きなので、その時点で他のお客さんから超越した何某かを感じました。ゴクリ……。
「他人を害する危険性を持つ種族」「種族という血に暴力性が寄り添っている」という変えられない共通点があって、思い出があって、だからずーっとそっと一緒にいるのかなぁ。おたがいの人格がどうとかよりもっと先の理由、空気みたい、という感じで。
ハイドさんはその…そういう…アレなのかな?って思ったけどガラさん側はどうなんだろう。
色々想像の余地がある二人だと思いました。

ネコになれる種族っていいな…

レイチェル、ヘンドリーパパ、ジョルジさんについて

父と娘、大人と子供と社会、過去と現在の諸々が展開されてて、「これどういうオチにするんだろう?」と思ってストーリーを読んでいました。
レイチェルは確かに実績もあってイケイケで人気がある、でも若い女の子ってことでパパが心配するのが本当にわかりすぎる。わかるぞ。
母がいることでうまく3角形でくるくる回れてたのがうまくいかなくなって… でもそういうのって、自分たちで折り合いをつけてどうにかするしかない。そんな時に同じ娘を持つ父親から話を聞いたり、飲み物を飲んだり。
まさかヘンドリーパパが実力行使(!)に出ると思わなかったけど、そんな暴走する位嫌な「確信」があったんだろうし、娘が大事だったんだろうな。
親子ってもしかしたらうまくいかないほうが多いと思うんだけど、それでもどうにかこうにか、というストーリーに優しさを感じました。


マートルとアクア

なんか「青春」ヂャン!?

青春を……している……!?!!?
最初マートルは男の人?って思ってたけどニールのマッチングアプリ話で女性だって初めて気づいた。すみません。
引っ込み思案のアクアと面倒見が良いマートルでなんか…王道を行く…ヂャン…!!!
お店で1番急速に仲良くなった感じする。
これからも仲良く過ごしてほしいね。

ニールと店主

なんでそんなブラックジャックみたいな

え!!?!!?!?
ってみんな思ってそう。私も思った。そのビジュアルは一体…!?
つまり主人公…マスター…店主…も宇宙から来た人?それとも時間旅行者的なモンだったのかな?
ニールの種族(もしくは似た異星人?)とのハーフ…の成功例が店主っていうこと?なのかな。
このへんハッキリわからなかったので うぉお 詳しい人~~~!という気持ち。というか医者?医者になったのか……?謎が深まって行く。


おわりに

仕事終わりの夕暮れ時などに疲れた頭で「ホゲ~」ってなりながら遊んでいたので 見落としとか沢山ありそうですが 雰囲気が本当に良かったので興味ある方は触ってみて欲しいタイトルでした。
忙しくて「ホゲ~」になりがちな現代人こそこういう温かみが必要なんじゃないかな…。

それでは~。


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