【ストラトシャウト】サイバーリゾートツアー【シナリオ】

シナリオスペック
PC人数:4名
プレイヤーレベル:4
ターゲット:ブレード・マッスル (B.M.)
DP:300
その他:人数が少なかったりダイス目が異常に悪かったりする場合は3サイクルにしてください。

はじめに

 厚木国という架空のサイバーパンク国家が舞台です。神奈川県厚木市に申し訳無さを感じる場合は、適当な国名に置き換えてプレイしてください。

NPC

ブレード・マッスル (B.M.)
 厚木警察警備局警備課に配属されているサイボーグSPです。国賓であるPCたちを護衛する任務に就いています。敵性存在には容赦ない反撃を加える優秀なSPでした。しかし最近は良心の呵責や記憶の混濁に悩まされており、その影響なのか敵対者に手加減するようになってきています。

CBM3-596 (ゴクローサン)
 執事ロボです。人間と見紛う容姿をしており、ひと目でロボットだと見抜くのは非常に困難です。CBM3とはCombat Butler Mark 3の略です。人間1名程度なら護衛できる戦闘力を持ちますが、バンドメンバー全員を守り切る程の戦闘能力は持ちません。

アウターモール議員
 厚木の国会議員です。厚木統合型リゾート成立の立役者の一人です。本シナリオには殆ど関わりがありません。

Fm (エフ・マイナー、エフマイ爺さん)
 スラムの楽器屋を営む偏屈爺さんです。ザ・デイ以前は名うてのジャズピアニストだったようです。EEMP機構なるオーバーテック兵器をDIYしてしまいました。

事前準備

 楽曲はザ・リーサルウェポンズの『サイボーグメカニンジャ』を用意しましょう。Youtubeに公式MVが公開されています。サイバーな感じの曲なら他の曲でも構いません。

イントロフェイズ

マスターシーン「厚木統合型リゾート」

 数年前、神奈川県厚木市の市長がクーデターを起こし、厚木独立宣言を行いました。世に言う『ザ・デイ』です。このセンセーショナルな出来事を知らないPCはいないことでしょう。厚木は独立以来実質的な鎖国体制を敷いてきたため、内部の様子は殆ど知られていません。命知らずのジャーナリストや好奇心旺盛なヤンキーなどが多数入国していきましたが、帰ってきた者はほんの一握りでした。噂では帰還者は皆、四肢を謎の機械に置換されていたり、自我に損傷を受けていたり、脳のない抜け殻であったりしたそうですが、真偽の程は不明です。ただ一つ言えるのは、そんな物騒な噂が流れるほど危険で謎に満ちた国だということです。

 そんな厚木国が珍しく諸外国に向けて声明を出しました。厚木国の一部地域を統合型リゾート(IR)として開放するというのです。この声明は世界中に大きな反響を呼びました。特に沸き立ったのは隣国日本の住民です。

 厚木国としても、日本からの観光客が大半を占めるであろうことは想定しており、日本向けのプロモーションを打ち出しました。即ち、オープニングセレモニーに日本国のプロ・アマ問わない多数のアーティスト・クリエイターを募集することを宣言したのです。

 さて、PCたちは恐れを知らない精神的若者です。今最もホットな国家である厚木でライブができるチャンスをみすみす逃すなんてことはないはずです。そうでしょう? かくしてPCたちは厚木IRオープニングセレモニーに応募したのでした。そして、当選しました。

マスターシーン「厚木へようこそ」

 そんなこんなでPCたちは厚木IRオープニングセレモニー出演者の抽選に当当選してしまいました。パスポートは用意しましたか? ビザは取得しましたか? 防犯の準備はOKですか? 大丈夫なようですね。

 日本と厚木の国境は高い塀で覆われています。厚木への出入り口はサイボーグ化率60%以上のサイボーグ兵士によって守られています。正当な理由なく近寄れば即射殺されます。しかしPCたちは心配する必要はありません。何故なら国賓なのですから。日本と厚木の架け橋となる(抽選で)選ばれしアーティストなのですから。入国審査官は一般の観光客に対して非常に高圧的ですが、PCたち国賓に対しては異常なまでに丁寧な対応をしてくれることでしょう。

入国審査官「ようこそ! 科学と希望の国、厚木へ! 素晴らしい演奏を期待していますよ! リゾートも是非楽しんでいってください!」

 ゲートを抜けるとスーツ姿の男1名と、ロボットめいた存在1体が控えています。スーツの男は流暢な発声で次のように挨拶します。

スーツ姿の男「○○(バンド名)の皆さん! ようこそいらっしゃいました! 私は執事ロボットの“CBM3-596”と申します。気軽に“ゴクローサン”とお呼びくださいませ。みなさんが厚木に滞在している間、身の回りのお世話や各種手続きのお手伝いを致します。日常生活における殆どの活動はご支援することが可能でございます。しかしながら、私には戦闘能力は備わっておりません。厚木統合型リゾートが安全で清浄なエリアであるとは言え、隣接する紛争エリア・廃棄エリア・スラムなどから襲撃を受けないとも限りません。そこで、万が一の場合に備えて厚木警察警備局警備課の凄腕ボディガードをお付け致します。第3世代型サイボーグのブレード・マッスルです」

 CBM3-596は隣に立っていたロボットめいた存在に自己紹介を促します。このロボットめいた存在は、実はロボットではなくサイボーグなのです。

ブレード・マッスル「ドーモ、ブレード・マッスルです。B.M.とお呼びください。みなさんが厚木に滞在している間、私が全力でお守り致します」

 ここで、PCの中で義体化率が最も高いキャラクターが、B.M.に絆を獲得してください。身体機能を補助または強化する医療機器は全て義体として考えてください。例えば、眼鏡、銀歯、義肢などは義体の一種です。

マスターシーン「厚木の洗礼」

 PCたち、CBM3-596、B.M.が挨拶を終えたところで、何者かが超高速で接近してきます。厚木名物ソニック・スリではす。ソニック・スリとは窃盗に特化したサイボーグの総称です。彼らは標的に音速で接近し、金目の物や臓器を掠め取るのです。PCたちも餌食になってしまうのでしょうか? 否、餌食となったのはソニック・スリの方です。B.M.は一瞬のうちに右腕を超硬質ブレードへ変形させ、ソニック・スリのサイバネティック両脚を切断。倒れ込むソニック・スリの腹部へ左腕で強烈なブローを叩き込みました。

 そこへ幼い子供が駆け寄ってきます。

子供「父ちゃん! 死なないで! 父ちゃんが死んだらどうやって食っていくんだよ!」

 B.M.は子供を見て逡巡します。この親に止めを刺して良いものか、この子供も敵性存在として見做すべきか。

CBM3-596「ブレード・マッスル、何故標的を殺害しないのですか? 国賓をお守りするのがあなたの任務です。標的は市民権を持ちません。現場判断で殺害することが許可されています」

B.M.「うあ……わ……お、おれは…………了解、任務を遂行します」

 B.M.の超硬質ブレードがソニック・スリの親子へ向けられます。PCは望むならばB.M.の行動を止めることができます。脅威度の低い敵性存在の生殺与奪に関しては護衛対象の命令が優先されることになっているのです。

 ここで、「シガラミ①良心の呵責?」及び、サブシナリオ「厚木観光」を公開します。公開後、ドラマフェイズに入ってください。

ドラマフェイズ

マスターシーン:B.M.への疑念

発生条件
 以下の条件を全て満たすと、このシーンが開始します。
・「シガラミ③B」の正体が公開されている。
・最後のサイクルである。
・未行動のプレイヤーが残り2名である。

描写
 PCたちは数日間B.M.と過ごしてごく当たり前の疑問を持つ。このB.M.という人間は、SPという立場の割には、あまりにも記憶が支離滅裂で精神が危うい存在ではないか? 厚木外のミュージシャンというイレギュラーな存在と過ごすうちに何かおかしくなってしまったのかもしれない。自分たちはB.M.のことをよく知らない。B.M.の真実は何処にあるのか。B.M.は自分自身を取り戻せるのだろうか。

 ここで、「シガラミ④真実」を公開します。

ライブフェイズ

 いよいよ厚木統合型リゾートオープニングセレモニーの当日です。PCたちの他にも多数の出演者がいましたが、多くはEMP攻撃の影響や精神的トラウマで満足なパフォーマンスができなかったようです。会場を温められるのはPCたちだけだ!

 B.M.はPCたちのボディガードですので、舞台袖で周囲を警戒しています。

アウトロフェイズ

DPが0にならなかった場合

 B.M.の虚偽記憶第二層および第三層によるプロテクトが破壊され、虚偽記憶第一層に基づく快楽殺人者人格が顕在化します。B.M.はPCの皆さんを殺そうと襲いかかってきますが、他のサイボーグSPに取り押さえられ、その場で頭部を破壊されます。

シガラミ④の支配力が1以上の状態でDPが0になった場合

 B.M.は自身が元快楽殺人者であること(実はこれも虚偽)、家族との思い出が虚偽記憶であったことを認めた上で、虚偽記憶第三層に基づく無慈悲なサイボーグSPとして生きていくことを決心します。もう過去に惑わされることはありませんし、PCたちのような熱いアーティストと交流しても感情が動くことはありません。

シガラミ④の支配力が0の状態でDPが0になった場合

 B.M.の三重記憶コーティングによるプロテクトが全て破壊されます。そして、自身の記憶および人格が全て人工的に作られたものであることを理解します。B.M.の人格は初期化され、まっさらなニューロンが残りました。

 B.M.は虚空を見つめて直立したまま停止します。

 偽りの記憶に虚構の人格。B.M.なんて元々いなかったのです。いなかった存在が消失したところで悲しむ者がいるのでしょうか。

 唯一つ、救いがあったとすれば、ヘルメットの下の素顔が穏やかな表情で停止していたことでしょう。

シガラミ①良心の呵責?

指定特技
《頭/身体2》《叫ぶ/行動6》

正体
罪悪感(本シナリオのオリジナル効果):常時
DPへ攻撃を行う際、特技リストの2〜6の行に存在する特技を使用できなくする。7〜12の行の特技を使用して代用判定することは可能。

支配力
公開時:10、非公開時:14

 厚木警察警備局警備課のサイボーグSPは厚木屈指の戦闘力を持つ部隊として有名である。厚木警察は厚木国の正式な警察機構であるが、その実態は厚木市長の私兵である。厚木市長は1日に30回以上の襲撃を受けるほど恨まれているため、近衛兵たる警備課にはトップクラスの戦闘力が要求されるのだ。
 B.M.は警備課の課員であり、他の課員の例に漏れず無慈悲な殺戮ボディガードである。しかし最近、襲撃者に対して手心を加える事例が目立ってきた。理由はB.M.本人にも計り難いようだ。

シガラミ②過去の記憶?

指定特技
《過去/主義2》《忘れる/行動3》

正体
後退:ラウンド終了時

支配力
公開時:10、非公開時:14

 万引き犯の捕縛、殺人犯の無力化、本部への栄達、ホロ・フラワーショップ、驚く女性、泣き叫ぶ赤子と穏やかな死に顔の女性、UNIXに熱中する子供、連れ去られる子供、笑み浮かべる壮年男性、暗黒、手術台の光……。走馬灯の如く流れる光景。どれも現在のB.M.は覚えていない。しかし、奇妙なざわつきを感じる。俺は刑事課所属だった? 愛する家族がいた? 子供は無事なのか? あの壮年男性は誰だ? 俺は、俺を知らない。

シガラミ③A真実?

指定特技
《怒り/エモーション3》《権力/逆境9》

正体
負のイメージ:特定行動時

支配力
公開時:10、非公開時:14

 B.M.の実子は厚木政府の研究機関に連れ去られた。電脳適正の異常な高さを買われたのだ。多額の手切れ金が支払われたが、B.M.はそれを許すことができなかった。単身、研究機関に乗り込む。生身にも関わらずサイボーグ警備員を次々と倒していくB.M.。研究所最奥部までたどり着いたものの、サイボーグSPに一撃で敗れる。サイボーグSPの後ろには壮年男性。そう、あれは、悪名高いアウターモール議員だ。アウターモール議員はB.M.に語りかけた。「なるほど、腕は立つようだね。この場で処刑するには惜しい人材だ。どうだね、君の子供の安全を保証する代わりに、サイボーグSPとして働く気はないかね。ただし、君の自由意志は剥奪する。死ぬよりもよっぽどマシな取引だと思うがね」B.M.は言いなりになるしかなかった。

シガラミ③B真実!

※シガラミ③Bが公開されると、シガラミ③Aはライブフェイズに登場しなくなる。

指定特技
《獣/モチーフ5》《暴力/逆境4》

正体
極悪人(本シナリオのオリジナル効果):ラウンド終了時
 ランダムなPCを一人選ぶ。そのPCは《獣/モチーフ5》または《暴力/逆境4》で判定する。判定に失敗するとコンディションが4点減少する。この効果によってコンディションが0になったPCは、次のラウンドに行動できなくなる。

支配力
公開時:14、非公開時:18

 B.M.は刑事課所属ではなかったし、家族もいなかった。当然、アウターモール議員との取引も存在しなかった。B.M.の正体は、ザ・デイ後の混乱に乗じて無差別殺人を行った快楽殺人鬼である。犠牲者は514人。この人数を生身で殺したというのだから驚きである。犠牲者の中には重サイボーグも含まれていたというのも特筆すべき点だろう。
 B.M.も十分極悪だが、それ以上に極悪なのは厚木警察である。厚木警察はB.M.の類稀なる対人戦闘力に目をつけ、利用することにした。B.M.は非常に強固な自我を持っていたため、洗脳には難航した。しかし最終的に、2重の虚偽記憶を植え付ける手法を編み出し、忠実なサイボーグSPに仕立て上げることに成功したのだ。
 なお、1段階目の虚偽記憶にアウターモール議員を登場させたのは、万が一の場合にアウターモール議員に全ての責任を被せるためである。アウターモール議員は厚木市長と真っ向から対立しているため、厚木警察警備局公安課にマークされているのだ。(それはそれとしてアウターモール議員は汚職行為の尻尾を掴ませない狸野郎として悪名高い。まあ、そもそも厚木国に潔白な政治家など存在しないのだが)
 この記憶を思い出したことでB.M.は激しい困惑を覚える。俺はこんな罪を犯しておきながら、のうのうと公務員なんてやっているのか! 誰か嘘だっと言ってくれ! 俺の真実は何処にある!


シガラミ④真実

指定特技
任意

正体
真実(本シナリオのオリジナル効果):常時
このシガラミの支配力を0にした状態でDPを0にすることで、B.M.は真実に到達する。シナリオクリアに必須ではない。

支配力
公開時:30、非公開時:50

 B.M.の素体に元々記憶も人格も存在しない。厚木市長が推し進める厚木アーミープロジェクト(AAP)のために開発されたデザイナーベイビーのニューロンに汎用人格フォーマットver.2.6で構築された仮想人格こそがB.M.である。汎用人格フォーマットは未完成であり、ふとしたきっかけで人格が初期化されてしまう。そこで考案されたのが三重記憶コーティングである。強烈な虚偽記憶を層状に植え付けることで、冗長性と堅牢性を持たせているのだ。
 幸か不幸か、B.M.はこの真実に辿り着いていない。

サブシナリオ:厚木観光

A:厚木統合型リゾート観光
B:楽器の調達
C:電子戦
EX:ゲリラ

ステップA:厚木統合型リゾート観光

情景描写
 厚木統合型リゾートオープニングセレモニーまで数日の余裕がある。折角の外国なのです、練習ばかりしていないで、観光していっても良いでしょう。だが、ここは厚木。科学と希望と混沌の国……。

奔走判定成功時の描写
 突然PCたちの持っている電子機器が使い物にならなくなります。CBM3-596曰く、EMP攻撃によるものだそうです。隣接する紛争エリアでは当然のようにEMP兵器が使用されており、厚木国内ではEMP対策は常識なのです。

 電子機器が使えなくなったということは、PCたちの楽器も一部が使い物にならなくなっているということです。キーボード、エフェクター、アンプあたりはまずもって使い物になりません。厚木のEMP兵器は超強力なので、ギターやベース本体にもダメージがあります。

 以降、ボーカルとドラム以外の楽器威力は0となります。もし、ボーカルPCがEMPの影響を受けるような存在(喉を機械化している、ロボットである等)である場合は、ボーカルの楽器威力も0になります。

ステップB:楽器の調達

情景描写
 EMP攻撃の影響でPCたちの楽器は使い物にならなくなってしまいました。修理、または購入をしなければなりません。幸い、費用は厚木政府持ちだそうです。

 リゾートエリアには最新鋭の厚木独自規格の楽器しか売っていません。これらの楽器はAIアシスタントにより初心者でも安定した演奏が可能となっていますが、真価を発揮するにはAIアシスタントOFFで職人芸のような複雑な操作を行う必要があります。これらの楽器で妥協する場合、楽器威力は4(AIアシスタントON時)、または、1D8(AIアシスタントOFF時)となります。

 CBM3-596曰く、PCたちの楽器を修理できる店はスラムエリアに存在するそうです。PCたちが頼めばB.M.の護衛の下、連れて行ってもらえます。

 スラムの楽器屋にはPCたちに馴染みのある楽器が沢山陳列されています。店主は偏屈で近寄りがたい雰囲気の老人です。老人は自らを「Fm(エフ・マイナー)」と名乗りました。親しい人物からは「エフマイ爺さん」と呼ばれているようです。

Fm「ふん、国賓待遇のへなちょこミュージシャンがスラムに一体何の用だ。ワシに楽器を修理して欲しいってんなら、熱いハートを見せてみろってんだよ」

 このステップでは、シーンに登場しているPC全員が奔走判定を行ってください。ただし、指定特技はシーンプレイヤーが指定したものとなります。

奔走判定成功時の描写
 奔走判定に成功すると楽器屋の店主は心を開きます。

楽器屋の店主「ほう、スラム育ちでもないくせに熱いハートと反骨心を持ってるじゃねえか。日本人はみんな腑抜けだと思っとったよ。良いだろう、お前たちの楽器を耐EMP仕様に改造してやるよ。ちょっと待ってな」

 数時間後、楽器屋の奥から店主が戻ってきます。

楽器屋の店主「ほらよ。これで一発ぶちかましてやんな! こいつを使えばタンパク質だろうがシリコンだろうが心の底から震えさせることができるぜ! あと、〇〇(奔走判定に成功したPCの名前)! お前のことは特に気に入ったぜ。特別仕様にしてやったからな」

 以降、全PCの楽器威力が2D6に戻ります。更に、奔走判定に成功したPCの楽器はEEMP(Emotional Electro-Magnetic Pulse)機構搭載楽器となります。EEMPは電子回路や神経系に対して影響を及ぼすことに特化したEMPです。上手く使用すれば聴衆の精神を乱したり鎮めたりできます。

EEMP機構搭載楽器
EEMP機構搭載楽器で機械、電脳化済み人間、重度のサイボーグの何れかであるターゲットのDPに攻撃を行う際、楽器威力を4D6に変更することができる。この効果はセッション中1回しか使用できない。

C:電子戦

情景描写
 再びEMP攻撃を受けます。今度はかなりの至近距離で行われた攻撃らしく、周囲で様々な電子機器が火花を散らして暴走し始めます。頼みの綱であるB.M.ももがき苦しんでいます。一体どうすれば! そういえばエフマイ爺さんから妙な機構を授かっていたような?

奔走判定成功時の描写
 楽器をかき鳴らすと、電子機器たちは暴走が止め陽気な電子音を鳴らし始めます。B.M.もヘルメットの下で陽気な笑みを浮かべています。一体何事か!? これがEEMPの効果だというのか!?

 一連の騒動の結果、ニューロンがスパークしたB.M.は重要な記憶を思い出し、呻き声を上げます。ここで、「シガラミ③B真実!」を公開します。

EX:ゲリラ

情景描写
 「市街地への執拗なEMP攻撃。これは最早紛争地帯の戦闘の余波ではなく、明確に一般人を狙ったテロ行為です。我々厚木国営放送の決死の取材により、本件が横川ファミリーの若頭、ビアー・ベアーの独断行為であることを突き止めました! 横川ファミリーは地下賭博場で儲けていたため、IR計画に強く反対していました。今回の件との関係は明白でしょう!」というニュースが街頭の巨大スクリーンで報じられている。厚木国政府の体質を考えれば、どの程度真実かは怪しいところである。

 再びのEMP攻撃! EMP攻撃は過激さを増していきます。厚木警察はEMP攻撃で機能不全に陥っています。リゾートエリアもスラムも大パニックです。このままではオープニングセレモニーもままならないかもしれません。そもそも会場まで辿り着けるのかも怪しいのでは? こうなったらぶちかましてやるしかないのでは? ゲリラライブの機運が高まってきたのでは?

奔走判定成功時の描写
 よしなに。

厚木シーン表

2. 何処へ行ってもジャギジャギのシンセ、金属の衝突音、銃声が絶えない。これらの音は不思議と心に禅を齎してくる。
3. 重サイボーグ同士の喧嘩か!? いや、新型パーツをお披露目する路上パフォーマンスなのだ。
4. 重サイボーグ同士の喧嘩か!? ああ、ガチの喧嘩だ。離れたほうが良い。
5. 街頭スクリーンでは政治家が厚木IRの重要性を説いている。アウターモール議員というらしい。
6. IRエリアを離れると途端に空気が悪くなる。そういえば入国時にガスマスクを渡されていたなあ。
7. カジノ! スロットにカードゲームにロシアンルーレット! 胸が躍る!
8. 逆関節二足歩行ロボットが一般人を襲っている。廃棄エリア(古くなった兵器が無力化されないまま不法投棄されているエリア。地主が何も言わないので当局から問題視されていない)から抜け出してきたようだ。
9. 厚木警察と暴走族のカーチェイス。厚木警察もこころなしか楽しんでいるように見える。
10. 露店で怪しげな箱が売られている。99人分の自我が収められているそうだ。
11. 虚空を見つめて同じ場所を周回し続ける人物。現地人の言によると、借金を返せず自我を売り払った人間の成れの果てだという。
12. 酒場。レインボースワンプ(重油を焼酎で割ったサイボーグ飲料)なるおぞましいカクテルが取り扱われている。

あとがき

 荒唐無稽でスカッとするシナリオを作ろうとしたら、後味のスッキリしないシリアスシナリオになっちゃいました。ストラトシャウトとしては珍しいマルチエンディングのシナリオだと思います。

以上

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