"普通"について考える

1.この記事の内容

 本投稿では、”普通”という日本語と向き合ってみる。

筆者も日常的に聞き、使用する言葉であり、その意味合いの広さから誤解やトラブルを招きやすい言葉。

そんな印象の日本語”普通”を見直す機会を設けてみる。

2.辞書での”普通”

 ブラウザで「普通 意味」と検索して出てきたのは以下の意味。

ふ‐つう【普通】 の解説
①[名・形動]特に変わっていないこと。ごくありふれたものであること。それがあたりまえであること。また、そのさま。「今回は―以上の出来だ」「―の勤め人」「朝は六時に起きるのが―だ」「目つきが―でない」
②[副]
1 たいてい。通常。一般に。「―七月には梅雨が上がる」
2 (「に」を伴って)俗に、とても。「―においしい」

goo国語辞典

①の用法は、主観、偏見のような枠組みでの平均的な意味合い。

②の用法は、1が客観、統計的な平均、2が形容詞を強調する"very"や"so"の意味合い。

以上を整理すると、”普通”という言葉のニュアンスは以下の三つに分類できる。
1.主観、偏見での平均
2.客観的、統計的な平均
3.形容詞の強調

3.筆者的”普通”に関する考え

 2章で整理したニュアンスを踏まえて、”普通”について筆者の思うところを述べる。

3.1 危険性

 ”普通”の危険性は、主には1の「主観、偏見での平均」、次点で3の「形容詞の強調」の意味合いに潜んでいると考える。

例1)「普通の服を着なさい。

高校生くらいの子供が親に言われたとする。

ファッションとは流動的であり、親が高校生の頃の”普通の服”と、現役の高校生にとっての”普通の服”これは違って当然である。

ここでは、主観、偏見による”普通”によって齟齬が生じる危険性がある。

例2)「普通においしいね。

これは”とても”の意味だが、誤解をして「普通の、平均的なおいしさ」と捉える危険性を含んでいる。

3.2 日本人の”普通”を好む傾向

 この節では、”言葉の意味合い”から少し焦点を広げて、”言葉の背景”に目を向けてみる。

「普通はそんなことしないよ。」という言葉には、日本人の”普通”を好む傾向が顕著に出ていると考える。

ここでの”普通”は「客観的、統計的」なニュアンスである。

以下、日本とアメリカのことわざの比較から、この傾向について考察してみる。

出る杭は打たれる
意味は以下の通り

1 才能・手腕があってぬきんでている人は、とかく人から憎まれる。
2 さし出たことをする者は、人から非難され、制裁を受ける。

goo国語辞典

この言葉には、日本人の全体的な調和を重んじる精神が見受けられる。そして、一方アメリカでは対極の意味合いを持つことわざが存在する。

The squeaky wheel gets the grease(軋む車輪は油を差してもらえる)

The squeaky wheel gets the grease is an American proverb or metaphor used to convey the idea that the most noticeable (or loudest) problems are the ones most likely to get attention.

Wikipedia

翻訳すると、「”軋む車輪は油を差してもらえる”はアメリカのことわざまたはメタファーであり、”最も目立つ(または最もうるさい)事柄は最も注目を集めやすい”という考えを伝えるために使用される。」となる。

つまり、静かにしていては周囲に気がついてもらえず、無視されるというニュアンスである。

以上から、日本とアメリカにおける「出る杭」に対する土地に根差した考え方の違いがことわざから見えてくる。

筆者はシンガポールの現地企業で就業経験があり、日本とは異なる「出る杭」ウェルカムな精神を目の当たりにした経験がある。

4.まとめ

 以上、”普通”という言葉について長々と書き連ねてみた。

筆者は改めて「出る杭」として生き続けたいと感じた。

5.あとがき

 人生で初めての記事です。普段からこんなしょうもない事ばかり気にして生きている人間です。今後もこんなしょうもない話や、趣味のゲーミングマウスについてを記事にしていけたらと考えております。

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