見出し画像

短歌1


総レースに編まれた君の心臓を纏って僕は完全になりたい


「あなたには分からなくていい苦しみよ」と静かに言った 柔らかな拒絶


土星にも六月があればよいのだけど 式場予約入れておくから


初めから何もなかった あったことにしていただけだ なかった、何も


バイト帰り天使のようなものを見た過労も悪くないなと思った


花を見る美しさから花を見る君への憎悪から花を見る


午睡から目覚めた夕の窓辺には生き物の血の赤燃ゆる陽よ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?