二十七歳 無職 いつまでメンヘラをやるのか

メンヘラ
何らかの精神疾患を抱えている人や、抱えていると思われる人を指すネットスラング。特定の精神疾患を指すわけではなく、意味合いとしては曖昧である。2ちゃんねるのメンタルヘルス板において、「メンタルヘルス」を略して生じた「メンヘル」という単語から派生して生じた。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/メンヘラ

小学四年でリストカットを覚えて以来、私のメンヘラ人生はその暗く長い道のりの幕を開けた。精神疾患持ちの実母に処方されていたあらゆる薬を家中から探し出してきては大量に服薬し、隠されてはまた見つけ出してきて飲むの繰り返し。そのうちどこを探しても薬が見つからなくなると自ら薬局へ駆け込み総合感冒薬(当時は知識が乏しくいわゆるOD向けの薬の種類を知らなかった)を買い付け、ひと瓶を少しずつ消費しながら小学校へと通う生活を送った。自傷も並行して行なっていたが、何せうちにはお金がなくどれだけ深く切ったとしても医者にかかって縫合してもらうなどという贅沢はとても出来なかったのである。塞がり切らないまま半端に治った傷口はケロイド状態となり、半袖の服は早々に着られなくなった。

小学校もろくろく通えてはいなかったが中学にも調子の良い時以外は登校できず、行けたとしてもお守りがわりに薬の瓶やカミソリを握り締めていないと正気を保っていられなかった。実際、授業と授業の合間に空き教室に逃げ込んでソッコー手首を切り何事もなかったかのように席に戻ったこともあった。かくのごとくメンヘラの毎日はサバイバルなわけだが、これは他者からの迫害が生んだサバイバルでないという点において厄介極まりなく、言ってしまえば何もかも自縄自縛なのだから度し難い。

高校生になると少しモテた。この辺りから境界性パーソナリティ障害の症状が強く顕現してきたからだろうと思われる。どういうわけか同障害を持つ患者(とりわけ女性)は異性を惹きつける特有のオーラ的なものを発していることがままある。理屈は分からないが、恐らくは強い見捨てられ不安から来る「嫌われまい」という常軌を逸した本人の努力が、対象には健気にでも映るのだろうか。あと、一昔前で言うところの「不思議ちゃんっぽさ」が良いとか?私が高校生の頃にはほんの一部の層からではあるが「ミハルさんの存在気になるわ〜闇深そうやし」などと評して頂いていたようで、今思い返してみると乾いた笑いすら起こらない。私の闇の深さは知らんけど君の好意は干上がったドブくらい浅いね。
余談だが私は高校生同士の純然たるお付き合いのあるべき姿というものをまるで理解していなかったため、告白を全てOKしていたらクラス内外の男子からめちゃくちゃ嫌われた(サークルクラッシャーになれるほどの姫適性と顔面の強さはなかったのである)し普通にヤリマンだと言われていた。余談の余談だが高校在学時は未通女だった。

今や高校を辞めて十年余り。朝も夜も不安に怯えるだけの二十七歳。基本的に引きこもりながら時折バイトやパートに出て、長続きするはずもなく職を転々とする生活が続く。行く先々でしっかりとメンヘラ的側面を発動させては周囲を巻き込み、行き詰まると自分か環境のどちらかをぶち壊してトンヅラこくのがすっかり常套手段。もう飛ぶ以外の方法で仕事辞められない。人生めちゃくちゃですよ。自傷癖もOD依存も治ってません。恋愛も悲しいほどにド下手クソです。人を傷つけないために一人でいようと決めても寂しさには勝てないし。その寂しさを埋める過程で傷つくことがあるとか許せないし。

このまま三十歳になりたくない。死にたいと思うことにも飽きてしまった。今更目新しいところも何もない希死念慮引っ提げて辛そうな顔されたって、ねえ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?