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短歌11



往来で私が死んでみんなにはそれが砕けた硝子に見えてる


泣かないと決めたから今日みたいな日は淋しい音を鳴らして過ごすよ


風は一つしかないいつもおなじ風ぼくを蹴飛ばせあの子を撫でろ


百年後も君の立つ場所に窓はあり覗けば僕が微笑むだろう


君となり二日後気づく意外にも耳の大きさを気にしていること


溜め込んだ二箇年分の薬餌以て己が命を人質に取る


すみずみに不浄なる血の駆け巡る憎き女体を有し生きをり


「キチガイ!」と出会い頭に同室の女に打(ぶ)たれ渡れぬ廊下


先輩それなんの物真似っすかマムシ?マムシの産卵?似てないっすね


「私たち」という呪いの星に棲みそれは正しく過つ人々



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