弟が既に亡くなっている可能性が出てきた話。

私には二人の弟がいる。
分かりやすいように以下、次男、三男と表現するが私の子どもではなく、
弟のことである。

昨日の配達中に次男から電話があった。
「大変だ!今、警察から電話があって、三男らしき人物が
 遺体で見つかっているらしい。確認をして欲しいと言ってきている」

私は突然の連絡にギョッとした。
こうなる結末も覚悟していたし、散々迷惑を掛けられた弟がどこでどうなっていようと知ったこっちゃない。
そんなふうに思っていたし、周りにもそう言っていた。

しかし、兄としてもっと何かしてやれたのでは無かったのだろうか?
何かしていれば、このような結末は避けられたのでは・・。
などと考えていくうちに涙が溢れた。

連絡をくれた刑事さんと合流し、説明を受けた。
私はてっきり、つい最近亡くなったのだろうと思っていたのだが、
三男が行方不明になって約2週間後に雑木林の中で首を吊って亡くなっていたという。
弟が家を出て行ったのは9月3日ごろ。
首吊りの遺体が見つかったのは9月17日とのことで、
まだ暑い盛りであったためか、腐食が激しく、顔も落ちて無くっており、
所持品も無いため身元が特定できずにいるそうだ。

そこで行方不明届が出ていた三男なのでは?と私たちに連絡が来たのだ。

そう、まだ三男とは断定できていないのだ。
三男なのか、それとも全くの赤の他人なのか、それはまだ分からない。
刑事さんが見せられる範囲で資料を元にどういう状況で見つかったのか、
場所がどこなのかを説明してくれた。
説明を受ける中で、遺留品の靴と衣服の写真が目についた。
「この靴と服には見覚えがない」
もしかすると三男ではない可能性が出てきたぞ!と少しホッとしたが、
家を出て行ってから、靴や服を買い直している可能性もある。
そう考えるとやはりモヤモヤする。

とにかく白黒ハッキリさせるためにも私はDNA鑑定に協力することにし、
鑑定キットで唾液とほっぺの内側の組織を採った。

鑑定には2〜3週間ほどかかるそうだ。

それまでは、この亡くなった方は三男では無いと思うことにした。

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