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そこまで大して興味もないことを軽い気持ちで質問するとき

先日。
とある古本屋、雑貨屋に行ったら絵葉書くらいのサイズの紙に面白い絵が描いてあるものが売っておりました。
いわゆる『絵』として販売しているものではなく、何かの包み紙なのか?それともノベルティなのか?
わからなかったので店員さんに
「これってなんですか?」
と訊ねてみると
「それは近江絵といって滋賀県のほうで作っているものです」
と答えられました。
「近江って滋賀の??」
「そうです」
なるほど。
でもボクは絵の内容や種類ではなく、どのような目的で作られたのかを知りたかったので
「これ自体はなんなのですか?どういう目的で作られて販売?されていたんでしょうか?」
と聞いてみたところ、なんかちょっと面倒な感じで
「そういうものが神社とかお土産店とかで売ってたみたいですが、、、ゴニョゴニョゴニョ(なにかブツブツ言っている)。詳しく知りたかったらネットで調べてもらえれば・・・」
と冷たく言われました。
なんだかなぁと思って絵の裏を見てみると、商品の入って袋にシールが貼ってあって、そこには近江絵ではなく大津絵と書いてありました。

間違ってんじゃん!
(惜しいけど)
もしかして、こいつあんまり知らねーんじゃね!??
だから、なんとなく答えてあまり突っ込まれると困るので面倒な感じで突き放したわけね。

ダサいなぁ。

音楽にそれほど詳しくない知り合いが、音楽の仕事をしている人に(ともに知人)、ある音楽のジャンルについて質問をしておりました。
答えている方の人は業界で長いこと仕事をしている人で、それなりに有名なフェスを仕切ったりして、普段から音楽のことを言いかたは若干悪いけど、偉そうに話したりしております。
ボクは傍でそっちの話も聞きながらも、メインで別の人と話をしていたので会話には直接加わらなかったのですが、話を聞いていると、饒舌に答えているんだけど、そのジャンルの成り立ちや歴史が全然違っているんですね。
もうめちゃくちゃ自信満々に話しているんだけど、なにもかもが間違っているんです。
なんとなくイメージだけでそれっぽく話している・・・みたいな。

ボクはその人のことを人として嫌いではないけど、なんかちょっと雑くて物事を自分のいいように話す人だなぁと思っていたし、その人が話す音楽の話もあんまり信用できないなぁって思っていたんだけど、ある意味自分の審美眼は合ってたということに改めて気がついて良かったし、音楽家としてはその人と距離をとればいいだけのことなんだけど。

だけど、素人相手にいいのかね、そんなことで。

ボクの大津絵のことも、音楽を知らない知り合いの質問も、それぞれが対象に対してがっつり興味を持っていることであれば、各々がそのことを学んだり調べたりするからそもそもそんな質問もしないでしょうけど、そこまで大して興味もないことを軽い気持ちで質問するときに、間違った答えをインプットしてしまう(しそうになる)というのは、考えてみれば結構危険なことですな。
場合によっては自分が間違った答えを与えてしまう側になることだってあるわけですから。
アートや音楽なら、まぁ笑って(笑われて)、信頼をある程度失って済むことでしょうけど、もう少し実際的な事だったり、デマの類だったりすると事態は危なっかしいものです。

よーく考えると、これってなんも考えずにリツイートするみたいなもんだなぁ。

とにかく、自分で調べろよ、と。

ところでこういう事態に遭遇した場合に、どこまで間違いを訂正するのが紳士なんでしょうか?

大津絵のほうだったら、お店の奴に「近江絵」じゃなくて「大津絵」って書いてありますよって言ったり、音楽のほうの話であれば、そのジャンルって〇〇って人が始めてその後〇〇になったんじゃないですか?とか言うべきなのか?

いやいや、言えんなぁ。
いちいち訂正する人はいると思うけど、なんか野暮に感じちゃうんだよね。
ま、所詮アートだったり音楽だったりだしね。

でも、音楽のことを質問していた知り合いにはこっそり教えてあげるかな。
友達だし。

ちなみに、最初に戻りますが大津絵ってすごくかわいいくて素敵ですね。
大津絵のことを知れたので、色々あるけど結果はオーライ、人生のプラスになりましたな。

写真:崖下パーキング

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