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未来は今を越えてゆく

呪怨という映画、ありましたな。
怖かった。
昔、映画館で観たけど縮み上がるくらい怖かった。今まで観た映画の中で縮み上がり度NO1だった。叶わないとは思うけど、もう一度映画館で観ることが出来たなら、やはりこの歳になっても怖いのだろうか。確かめたい。

呪怨2がそんな恐怖映画の続編だということは、割とアホでもわかるだろ。池袋の上階にある映画館で放映されたそれは、前編と引けを取らないくらい怖かったとのこと。
エンディングは、平和が戻ったあとの主人公が子供たちが公園でサッカーをしているのを見ているカット。
このまま終わるのかと思わせたラストシーン、主人公の元に転がってきたサッカーボール。
若干不穏な空気を匂わせながら徐々に近づくサッカーボール、アップになった瞬間に怖い子どもの顔になって終わるというエンディングまで気が抜けないエモい演出。
最後の最後まで驚かされたお客さんは恐怖の為、虚脱した状態で螺旋階段を降りて出口に向かうのでした。

行きはエスカレーターがあるのに何故か帰りは階段(しかも螺旋)しかない親切さのかけらもない映画館。
階段を降りながら、みんな想い想いに呪怨2の感想を語っております。

そのとき、上階の方から悲鳴とともに何かが転がって落ちてきて、
なんだなんだ?
と思っていると落ちて来たのはなんと生首!
現場混乱、一同大パニック!

がしかし、よーく見ると生首と思ったものは、バイクのフルフェイスのヘルメットだった模様。

混乱収拾、一同平静。

映画のエンディングがエンディングだっただけに、マジ怖かったとスリーパーのベーシスト・畠山くん談。

畠山くん。
昔、freakyfrogというバンドを一緒にやっていた人。
10代の頃にハマったファッションを寸分違わぬ形で今も着続ける男。
風呂に入っている時に自宅前に雷が落ちて、湯船のお湯が冷めるまで気絶していた男。
オーセンティックな見た目に反して話のネタが豊富な男。

そんな畠山くんがこないだ飲んだ時に教えてくれた話。相変わらずオモロ話、持ってんなぁ。

ま、普通に上階からフルフェイスのヘルメットが転がってきたら怖いけどね。つか、ヘルメットはバイクに括り付けておけよな。ヘルメット持ちながら映画観るのシンドいだろうし。

当たり前だけど、人生は良い悪いに関わらず何が起こるかわからない。この話のように笑い話になるものもあれば、シャレにならないこともあるでしょう。一寸先は闇なのかもしれないけど、人間は今が次の瞬間に続くと思って生きているものですね(自分も含め)。
起こるかどうかわからないことにビクビクしても仕方ないんだけどさ。

別の日。
飲み屋で一緒になった人に聞いた話。
「彼女と喧嘩しちゃって」
「理由はなんです?」
「彼女、プラスチックのスプーンとか齧って食べちゃうんです」

「???」

「ん?どういうことですか?」
と改めてボク。

「そういうものを食べちゃう人なんです。で、やめてほしいって言ったら喧嘩になっちゃった」
「そ、そうなんだ」

イマイチ状況が飲み込めないボクに、畳み掛けるように彼は
「前にはカッターの歯を食べてましたし」

ん?
カッターの歯??
想像はつくんだけど、なんだか上手く想像できないな。
酔ってるのかな?

そんな話を聞いて、平々凡々な暮らしをしているボクの口から出た言葉はあまりにも陳腐なものでした。

「だ、大丈夫だったの?」

陳腐だなぁ。
すごく陳腐だ。

「いえ、普通に病院に運ばれてました」
「そ、そうだよね」

詳しくないからわからないけど、これは一種の自傷行為なのだろうか。
別に何を食べてもいいんだけど、想像するに刃物はちょっとおっかないなー。

呪怨を再び映画館で観たとしても、やっぱり一度通り過ぎたものにはあまり驚かないのかもしれない。
しかしながら、想像を超えた未知なることには相変わらず驚かされます。

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